開発の経緯と現在:札幌圏の人口の一極集中により輸送力増加が続いており朝のラッシュ時には乗降時間がかかっていた。
JR化前から使用していた711系では、JR化後に導入された721系
と比較して1.7倍の時間がかかっており、その711系の置換えと
721系との走行性能の統一を兼ねて製造されました。通勤輸送対応上ロングシートとしました。
川崎重工業と日立製作所で63両が製造されました 。
現在、札幌圏の通勤列車と千歳空港へのアクセス列車に使用されています。721、733
や735系
との混結運用もあります。
車両の特徴と車内について:先頭部は721系と同様貫通式ですが、踏切事故の際に乗務員を保護する観点から高運転台構造
(運転士目線位置:レール面3m)とし、加えて衝撃吸収構造とし、冬季対策として、前照灯は全6灯(腰部の2灯はHID)としたほか、
スノープラウ兼用の大型スカート、高速ワイパーを装備。正面貫通扉には、増解結時間短縮のため自動幌装置が採用されました。
先頭の運転台は731・735系に似た形状です。車体はステンレス鋼(前頭部のみ普通鋼)です。
側面客用扉は各車両とも3か所で、冬期の使用環境を考慮して片引き式とし、有効開口幅は1、150mmです。
高さは1、850mmとしています。
インテリアは艶消しのグレーを基調としています。一方で乗降口付近は視認性向上のため黄色としています。
乗降時間短縮のため、車内は全てロングシートで、3・5・3人(先頭車前位寄りのみ3・4・3人)にスタンションポールで区分されています。
新製時点では、座席モケットは紫色(優先席は灰色)でした。
また、従来の北海道向け車両の出入り台に存在した客室仕切は廃止。代わって暖気・寒気進入抑制の観点から、客用扉上部と左右には
エアカーテン、ボタン開閉式の半自動ドアを装備し、加えて遠赤外線暖房、温風暖房や固定遠赤外線暖房も装備しています。
また、一部の出入り台付近は跳ね上げ式の座席を装備しています。
このほか、ドアチャイム・自動放送装置・3色LED式車内案内表示装置(各乗降扉上部で、左右で千鳥配置)を装備しています。
便所は先頭車両に和式のものを設置しています。
列車編成は、3両編成で、全て札幌運転所に配置されています。
函館本線の小樽〜滝川間、札沼線の全線、千歳線・室蘭本線の札幌〜苫小牧間で運転されています。
また、通勤型気動車のキハ201系
との併結・協調運転も可能です。(キハ201系は731系の気動車版です)
かつては、区間快速(「いしかりライナー」)列車としての運用もありましたが、2020年3月14日ダイヤ改正で廃止されました。