開発の経緯など:1995年当時は、京都・大阪から南紀方面への特急「くろしお」「スーパーくろしお」は381系が使用されていましたが、
高速道路の整備が進められ、その対抗上、質の高いサービスの提供とさらなるスピードアップなどにより競争力の増強のため、
観光列車にふさわしい車両として設計され、1996年に川崎重工業・近畿車輛・日立製作所で製造されました。
先頭車は、太平洋沿岸を走る紀勢本線(きのくに線)の特急として相応しいように、イルカをイメージしたデザインの車体となっています。
車両の特徴:車体は基本的に普通鋼を使用、腐食を考慮して、屋根と床板にはステンレスが使用されています。
電動車(モーター付き)比率が、683系同様、1M2Tや2M4Tです。
先頭車両は、貫通タイプと非貫通タイプの2種類です。非貫通タイプの先頭形状は、イルカに似た形状(近鉄の2300系に似ています)。
パンタグラフは、JR西日本初のシングルアーム式を採用しました。
編成は、6両編成が基本、3両編成は付属で合計18両と特急電車にしては小規模です。6両編成が2本、付属編成が2本です。
座席は、グリーン車と普通車の2種類で、グリーン車は1−2列シートで全席にコンセントあり、普通車は2−2列シートで、
車端部の座席の壁面にコンセントが設置されています。基本編成の3号車には展望ラウンジがあり太平洋の眺めを堪能できます。
現在運転の列車:「くろしお」:京都・新大阪〜白浜・新宮間の1種類のみです。以前は、「オーシャンアロー」という名称がありました。
「くろしお」で運転されている他の特急電車は、287系と289系が存在します。
製造は川崎重工業、近畿車輛、日立製作所、の3社です。