開発の経緯:導入後20年以上になる2000系
の置換え用で、2019年に投入されました。
また、2000系同様に四国内での運用を考え、2両編成での運用が出来るように設計されていて、分割併合や増結が容易なように前面は
貫通型となっています。当初は、2600系を導入する予定でしたが下記の理由で断念しています。
2600系は、車体傾斜装置に8600系
電車同様の空気ばね式を採用し、構造の簡素化によりメンテナンス費用の軽減を目指しました。
量産化して投入する予定でしたが、2017年に走行試験を行ったところ、特にカーブが連続する区間を有する土讃線において
空気ばね制御に用いる空気容量の確保に課題があることが判明したため、2600系
の量産化は中止としました。
4両で生産が打ち切りとなっています。2700系は、18年ぶりに制御付き自然振り子式を採用しています。
現在運用されている列車は、下記です。(2000系との混結編成もあります。)
「南風」:岡山〜高知、「しまんと」:高松〜高知・中村・宿毛、「あしずり」:高知〜中村・宿毛、「うずしお」:高松〜徳島
2020年夏ごろから、2000系と同様に”アンパンマン列車”の運用が始まりました。
車体は軽量ステンレス構造で、先頭構体は普通鋼となっています。
内装は、グリーン車は茶系統でまとめられた落ち着いた空間、普通車は木質感のある床に青系統のシートが印象的です。
LED間接照明、各座席のコンセント、大型のテーブル、車内LANなど、高いレベルの接客設備となっています。
Mc車(普通車)には車いすスペースと多機能トイレ、Msc車(グリーン車)には多目的室も設置されています。
最近は空気ばね車体傾斜方式が増える中、新形式としては18年ぶりに制御付き自然振子システムを採用し、優れた技術を継承し、かつ現在の
特急車両としての技術や設備を備えた完成度の高い車両であることを評価して、ローレル賞に選ばれました。
制御付き自然振子システムは、381系
がルーツです。(特急「やくも」で既に引退)
製造は川崎重工業です。
2020年6月に鉄道友の会よりローレル賞を受賞しました。(ブルーリボン賞は、西武鉄道の001系
でした)