シャケの大群が川をのぼり、産卵して命つきると、土にとけて森の力になります。
森の力は、草や木や、虫や鳥や、けものたち、さまざまな、山の生き物を育てます。

その一方で、シャケがとけた川の水は、海に流れ、海の力に変わります。
海の力は、プランクトンを発生させ、魚や、アザラシや、、クジラたち、多くの海の生き物を育てます。

はるか昔から、極北の大地と海を舞台にして、山と海の力が、くり返してきた、とうとい命のドラマ。
わたしたち人間も、このドラマの仲間なのだ。若者は、そんな気持ちがしました。

夢の中で、お腹に、小さな丸い傷あとを、たくさんつけた、あの大クジラが、楽しそうに唄っては、勢いよくジャンプしていました。