村はずれに、イヌクシュクという、石を積み重ねた、道しるべが立っています。
ブリザードの日は、旅人の目印になり、ホッキョクギツネが、縄張りの匂いつけ、やってきました。
イヌクシュクは、人と動物が出会う、交差点なのです。
イヌイットは、狩でとった動物を、けっして粗末にしません。
血も、肉も、内臓も、ぜんぶ、おいしくいただきます。
皮や骨は、服や道具や、飾り物の材料に使います。
イヌクシュクは、クジラの骨や、カリブーの角で、いつも立派に、飾られていました。