あの日から、トキは、金太郎じいさんの運ぶエサを、安心して食べるようになりました。

いつもの餌場に、トキの姿が見えないと、金太郎じいさんは
『こ―い、こい、こい・・・、こ―い、こい、こい・・・』
と、大声で呼びます。

すると、どこからか、トキが真っ直ぐ飛んで来て、金太郎じいさんのそばに舞い降りると、嬉しそうにピョンピョン跳ね回ります。

トキのことが心配で、雪の降る寒い日でも、金太郎じいさんは、必ずようすを見にいきました。

やっと、ふぶきがやんで、エサを持ってかけつけると、お腹を空かせたトキが、先に来て待っていることも、ありました。