秋も深まり、木枯らしの吹くころになりました。

金太郎じいさんが、おばあさんと田んぼへ行くと、稲の干し竿に、トキがとまっていました。

『ほら、おいしいドジョウだよ』

やさしく言いながら、用意したドジョウを、そっと、トキの足もとにまきます。

すると、トキが、ふわりと舞い降りて、ドジョウを食べたのです。ふたりのいる目の前でエサを食べるのは、初めてのことでした。

金太郎じいさんは、嬉しくて、胸がドキドキしました。

『おじいさん、良かったねえー』

おばあさんも、大喜びです。