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「ゆでたまごにして食べさせてやってな。わしの家の者には、だまっててな。チャム、さいなら」
おじいさんは、毎日がつまらなく、家でも邪魔者扱いにされているのです。チャムだけがおじいさんの話を、うれしそうに聞いてあげるので、チャムが一番の友人なのです。おじいさんは、名残惜しそうに帰って行きました。
『きゃっ、赤だまの玉子だわ。こくがあっておいしいのよね。でも・・・またお母さんに夕食のおかずにされそう。そうだわ、ここは、ゆずれないわ』
 チャムは、玉子をガブリとくわえました。
玉子は割れて、中の黄身が、とろーりと口の中に入ってきました。
『これこれ・・、この味よ。こってりとして美味しいこと・・・』
「まあ、チャム、なんてことを。お家に帰ってから」と、お母さんは、おかんむり。
『だって、また、わたしのを、とるんでしょう。玉子のおじいさんから、わたしがもらったのに』
 チャムは、しぶしぶ帰って行きました。
その玉子は、やはり次の日の朝、家族の食卓に上っていました。