お母さんは、慌てて台所に向かいます。勿論、さっきのウインナーは持って行ってしまいました。
『あーあ、また、こんやのおかずにしちゃいそう・・』
しばらくすると、
『あら、何か良いにおいがしてきたわ。きっとウインナ―入りのピラフだわ。楽しみ、楽しみ』
「チャム、ごめんね。あなたのウインナー、今夜のおかずにしちゃったわ。はい、これ、あなたの分よ」
『まあ、しかたないわ。許してあげる。みんな、感謝してよね。わたしに・・』
そう言いながら、チャムは、ペロリとピラフを、たいらげてしまいました。
家族のみんなは、このウインナーが、チャムのものとは、全然知るわけもなく・・・。
それから2、3日後、また、お散歩の途中に呼び止められました。
「チャム、元気だったか。おじいさんはな、白内障の手術を受けて来たんじゃよ。おかげで、チャムの顔が良く見えるわ。ほら、玉子を食べて、チャムも元気でいてくれよ。おじいさんの一番の友よ」
おじいさんは、赤だまの美味しそうな玉子を、ひとパック、お母さんにそっと差し出しました。
