ある日、チャムが、お庭でお昼寝をしていると遠くから、
「チャム、どこ?チャムどこなの」と、言う声が聞こえて来ます。
お隣のおばあさんです。
『クンクンククーン、このにおいは・・・、ロースハムだわ。それも極上の。はーい、今行くわ』
「チャム、おばあさんね、朝ごはんにこれを出してもらったの。だけど、食べたくないの。良かったら食べてくれない」と、言って、厚―く切ったハムを、それも薄いピンク色をした、美味しそうなハムを、そっと出してくれました。
『そう、まあ、人助けね。じゃ、食べてあげるわ』
チャムは、ハムをペロリと食べてしまいました。おばあさんは、満足そうに、しばらく、チャムの大きな背中を撫でるのでした。
「今朝ね、孫たちがね、挨拶をせずに、学校へ行っちゃったの。大きくなったら、おばあさんを相手にしてくれないの。チャムだけが、おばあさんのこと、大事にしてくれるから、うれしいわ」
おばあさんの愚痴が、また今日も聞こえます。
『おばあさん、チャムがついているから大丈夫。だってチャムは口がかたいから・・』
チャムは、おばあさんに、精一杯、しっぽを振るのでした。
