しばらくすると雨が止みました。二人が花畑の中を探し始めると、なにかヒソヒソ声が聞こえてきます。
「ねえ、赤いお花さん、私ね、おばあさんのワンピースの花なの。おばあさんはひとり暮らしなの。ほんとうはお花が大好きななのに、足や腰が痛くてお庭の手入れが出来ないの。だからお家のお庭は空っぽなの。あなたたちがおばあさんのお庭に来てくれたら、どんなによろこぶかしら。ねえ、お願い、おばあさんのお庭に来ていただけないかしら」
「ええ、おばあさんのことは、小さい時から良く知っているわ。ここのお花たちを大切にしてくれたもの。そうね、お花畑の王様に聞いてみるわ。もし、明日の朝、お庭がお花で一杯だったら、王様のお許しが出たということよ。どうかしら?」
「まあ、ありがとう。では私、おばあさんのワンピースにもどりますね」と言っているところにおばあさんの声がしました。
「ワンピースのお花さんありがとう。あなたの思いやりだけで充分ですよ。私のワンピースへ戻ってきて」
といった途端、おばあさんのワンピースは、もとに戻りました。一つだけ前と変わっていたのは、その花には丸いしずくが付いていることでした。
 前ページへ  次ページへ
トップページへ戻る