神様に頂いた御用  近藤佐枝子

 早いもので、もう師走。ついこの間新年を迎えたばかりだと思えるのに、またあわただしい時期がやってきました。わが家のこの一年、個人個人が色々な経験をし、色々な御用に使っていただきながら、少しずつでも成長させていただけているなと、少しずつでも実感させて頂いています。
 長男ですが、今まで友だちとのトラブルを経験したことが、ほとんどありませんでした。二年生になって、授業参観の日に授業中、保護者の前で友だちと大げんかをして以来、何度かけんかをしていたようです。担任の先生の話だと、自分から手を出すことはないのだけれど、やられるとやりかえしていたそうです。他の子はやられると、泣いたり、先生に言いに行ったりしているのだけれど、長男は、やりかえしていたらしいのです。

担任の先生も一緒に考えてくれ、けんかは、子供の成長過程で大切なことだけれど、やられたらやりかえすということだけでは、何も解決しないし、なにより手を出すということがどれだけいけないことか、子供と担任の先生と三人で話しました。そして、担任の先生と長男が絶対に手を出さないこと、何かあったら先生に言いに行くことを約束していました。

その後、長男はまったく、やりかえすことがなくなったそうです。よく遊ぶ友達が、わりとすぐ手を出す子なので、長男にしたらかなり辛抱したと思います。家に帰ってきてからも、なぐられたとか、いじめられるなどと言っていた時期もありました。そのたびに励まし、「きっとその子は悠人(長男)のことが好きで、一緒に遊びたいんだよ」と言ってなぐさめたりしていました。

先日個人懇談がありその後のことをきいてみると、すぐ手を出す子が最近落ち着いてきて、手を出さなくなってきたそうです。他の子達も手を出すことがいけないことだと思っているから、手を出すことでだれも言う事をきかなくなってきたからだそうです。今思えば、手を出していた子はそれで言う事をきかせるしか、友だちと遊ぶ方法がなかったんだろうなと思いました。長男もつらかっただろうし、辛抱したけど、神様が長男に体験させてくださったことだから、無駄にはならないし、ひとつの財産になると思います。

これからも、色々なことが起こってくると思いますが、すべて前向きにとらえ、神様が勉強させて下さっているんだと感謝したいです。私も、この事で勉強させてもらいました。今小学校で、来年度のPTA役員の選出をしています。私は副会長、書記、会計監査を選出するブロックの、ブロック長という御用を頂いています。毎晩のようにお宅をまわり、お願いに歩いています。場合によっては、子供たちを留守番させて出て行くこともあります。人に頭を下げてお願いすることが、どんなに大変なことか、今更ながらに感じています。でもこれも神様が体験させて下さったこと。この御用が終わっ
たときには,きっと得るものがあると信じて頑張ろうと思います。〔12月号(108号)巻頭言〕