沖につくと、もう、ワシの群れが飛びまわって、クジラの背中の肉を、ついばんでいます。

「でも、クジラは、知らんぷりで、グウグウ寝たままさ。
それでな、みんなも、そっと近づいてな、お腹の肉を、少しずつ、ま〜るく切り取ってな、持ち帰ったんじゃ」

「やがて、潮がみちてくると、クジラは『ブフォーッ』と、大あくびして、北極海のほうへ、ゆうゆうと、泳いで行ってしまったそうだ」