カヤグナ爺さんは、子どもたちに、むかし話をしてくれます。

「夜明け前のことじゃった。海の方から、不思議な音が聞こえてきたよ」

『ブフォー、ブロロロロロ・・・・・、ブフォー、ブロロロロー』

浜に出てみると、驚いたのなんのって・・・。

沖の岩の上で、とてつもなく大きなクジラが、のんきに、いびきをかいて寝ているではありませんか。

「それを見つけて、みんなは、あわてて、ウミヤックをこぎ出したんじゃ」