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つぎの朝、金太郎じいさんは、急いで田んぼに行きました。でも、トキは姿を現しません。
つぎの日も、そのつぎの日も、飛んで来ませんでした。
『トキは、人間にいじめられたので、怖がっているんだ』
大きな戦争が終ったころ、日本じゅうから、トキの姿は消え去っていました。人々は、トキが日本にいたことさえ、忘れかけていました。
役所の人が調べてみると、佐渡島と能登半島に、わずか数羽が生き残っているだけです。
『このままでは、日本のトキは絶滅してしまう』
大あわてで、トキを特別天然記念物にして、国じゅうで守ることにしました。 |