音で伝える金光教 PART2    教会長        

 今年も本部で盛大かつ、華やかに開催された金光ミュージックフェスタ。金光藤蔭や金光八尾吹奏楽部の参拝引率で毎年参加させていただいていますが、私は何度聞いても、あの400人以上の「神人の栄光」の吹奏楽による演奏に、熱いものがこみ上げてきます。今年も途中で感動の余り、歌えなくなってしまいました。

 金光教関係の四つの学園と、二教会のブラスバンドによるコンサートの出演者のほとんどが、そして聴衆3500人の半数以上が未信奉者なのです。だからこそ、感動が何倍にもなります。その舞台裏を紹介したいと思います。

 その1 「実は毎年、大変な目をしている生徒たち」
 金光八尾高校では、毎年6月第2金曜日が「体育大会」です。吹奏楽部員は、競技はもとより、入場行進の演奏奉仕や、グランドいっぱいに繰り広げられるマーチングドリルをこなし、翌日早朝7時に大阪を出発。金光に着くと参拝〜リハーサル〜本番と、ハードスケジュールです。毎年、彼らの体力を気遣うのですが、行き帰りのバス(片道3時間半)、ほとんどしゃべりっぱなし。本当に元気です。独立記念祭当日は、高速の渋滞もあり、帰着は夜九時前後でしたが、翌月曜日はけろっとした表情で、部員全員、元気に登校してくれていました。

 その2 「大阪から来た生徒たち230人の宿泊はいずこ」
 限られた本部の予算では、彼らをしっかり休ませるための宿泊施設確保は大問題。ここで大奮発をしてくださっているのが、金光学園のみなさん。学園生徒の保護者のみなさんがホスト役になり、ホームステイをさせてくださっているのです。それでもステイできるのは、約半数。残りの生徒は、男子が学園のホールへ。女子は玉水教会控所で宿泊させていただいております。大阪からの来光生徒は、このホームステイに当たることをとても楽しみにしています。ここでできた絆は、一生ものと言ってもいいくらい。卒業してからも、ずっと暖かい交流が続くのだそうです。今年もたくさんの卒業生たちが、本部へ集まっていました。後輩たちの演奏を聴くのはもちろんのこと、目的は以前お世話になった、学園の仲間や、そのおうちの人たちと再会することなのです。その数は、年を重ねるごとに、増加しています。
 蛇足になりますが、ここでふれあう人たちも、大半が未信奉者同士なのです。

その3  「引率教員の懇親会」
 九日の夜、生徒たち全員を宿舎やホストホームに預けたあと、引率教員の交流会をします。今年も四校十六名で夜遅くまで楽しく語り合いました。今年、特に印象深かったのは、初めて本部へ来た教員が半数いたことです。十六名のうち、信奉者は指揮者の佐藤正俊先生、金光八尾の引率の工藤先生と私(この両名だけが金光教教師です)のたった三人。金光藤蔭で今年から吹奏楽部顧問になり、指揮を担当した佐藤和宏先生は、本部の威容に感銘を受けるだけでなく、金光教の教えのおおらかさと、素朴さに惹かれておられた様子でした。特に「教主と誰でも身近にお会いできて、お話ができる」システムに、いたく感動されていました。未信奉者の引率教員は異口同音に、金光教の素晴らしさを私たちに語ってくれ、私はとても晴れやかな気持ちにならせてもらいました。

 その4 「先生、みんなに『食前訓』教えたって」
 金光藤蔭吹奏楽部では出発の前々日、広前での参拝作法の指導を行いました。拝礼動作、拝詞のあげ方、心中祈念の心得などなど。そして、代表で部長が金光様へお届けする作法を、細かく指導しました。その前日、部員の中で唯一信奉者子弟のYさんが、「先生、神人の栄光の歌詞、みんなに教えたって。合同演奏しやへん子らに、歌ってもらいたいねん。それと、控え室で金光八尾の生徒は食事の時、『食前訓』してるねんやん。うちの部員も言えるように、教えたって。」と申し出てきたのです。私はなんとも言えないありがたい気持ちになり、「よっしゃ、わかった。歌詞と食前訓、コピーしてきたるわ。ほんで、みんなで歌い、言えるように練習しよな。」と彼女に言いました。
 当日、控え室で副部長が先唱して、全員で四拍手をし、食前訓を唱えている姿を見て、「この御用にお使い頂いて、本当にありがたいなあ」としみじみ感じ、心から神様にお礼を申しあげました。

(「音で伝える金光教1」は、『巻頭言・バックナンバー』平成17年7月号をご参照下さい。)

                              「和らぎ」バックナンバーへ