神戸を歩いて宗教・世界を体感  教会長
  

   10月21日、「宗教文化士の集い」が神戸で開催され、参加させていただきました。(宗教文化士については、9月号をご参照ください)
 今回は、神戸北野地区にある、宗教施設の見学(フィールドワーク)と、文化士の交流会が主なプログラムでした。
 神戸聖ハリストス正教会(ロシア正教)に始まり、カトリック神戸中央教会→ジャイナ教寺院(インドの少数派宗教)→神戸シナゴーグ(ユダヤ教寺院)→神戸モスク(イスラム教寺院)→日本聖公会神戸教会(イギリス国教会)とめぐり歩き、それぞれの施設を見学し、説明を受けました。
 ハリストス(キリスト)正教会は、全国各地にあるものの、日本のキリスト教では少数派です。十字架に特徴がありカトリックにもプロテスタントにも属しません。
 ジャイナ教は、仏教と並ぶインド発祥の伝統宗教です。信徒は少数で、不殺生の戒律が厳しいのが有名です。
日本国内にあるジャイナ教の寺院は神戸だけで、貿易や商売のためにインドから来日した信者たちのために設けられています。特定の日や礼拝時を除いて、見学できます。

 神戸シナゴーグは、ユダヤ教の礼拝施設です。訪問当日(土曜日)は、ユダヤ教の安息日にあたりました。シナゴーグ内では、数十人のユダヤ人のみなさんが、ランチをいただいておられました。ユダヤ教では、「コシェル」と呼ばれる、食べ物の厳しい戒律があります。キリスト教よりはるかに古い歴史をもつだけに、礼拝施設では独特の風格を感じました。

 神戸モスク(イスラム教寺院)では、パキスタン人とマレーシア人、そして日本人の信者さんからお話を伺いました。おおらかで明るいお話ぶりから、信仰を持っている人は、宗派や民族にこだわることなく、目指すべきものは一緒なんだということを学びました。

 今回の研修で驚いたことは、たった4時間でこれだけの施設を歩いて回れたことです。明治維新と同時に、国際都市として開けた神戸は、同時に世界宗教共存都市でもありました。多くの国の人々が行き交う中、考え方の違う宗教がこれだけ近接して共栄している。それを受け入れている日本のふところの深さに感動しました。そして改めて、教祖様のみ教え「人のことをそしる者がある。神道はどう、仏教がこうなどと、そしったりする。他人をそしるのは、神の心にかなわない。釈迦(しゃか)もキリストもどの宗祖も、みな神のいとし子である。」が、私の心に響きました。

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