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![]() ● 【熊棚・くまだなの会】のはじまり
嵐山の一件から、せっせと動物保護団体にアプローチを始めました。NACS−Jに入会し熊保護を訴えたり、野生動物保護の心情を新聞に投書したり、NHKにもクマ保護番組の放送を迫ってみたりしましたが、芳しい反応はありません。 『とうちゃん、自分たちでやるしかないよ。一緒にやって!』 否応なく、私に矛先が向けられました(笑) ● 山の記憶 全ての野生生物には、山の記憶があります。それは彼らが生き抜くための、採食の記憶です。 野生生物の生涯は、子孫繁栄と、ほとんどが餌を食べること。例えば、ツキノワグマの場合、2歳半ころまで母グマに付いて、山中を歩き回り、いつの季節に、どの場所に行けば、何を食べることができるのかを、母グマから教わります。それが山の記憶として、子熊に植え付けられるのです。 ところが、私たち人間が彼らの生活圏に深く入り込み、山を開発し荒れ放題にしている結果、山の記憶が途切れたり、あるいは幼くして母グマを密猟で殺され、山の記憶を満足に受け継ぐことすらできなかった熊たちが、餌を求めて里に降りて来ると、熊は人間にとって危険な動物だからと、次々と殺され続けています。 熊だけでなく色々な生き物が被害に遭っています。こんな理不尽なことはありませんね。 ● 【熊棚・くまだなの会】の活動 全ての野生生物の、失われてしまった山の記憶を甦らすために! ★紀伊半島の高山帯に、全ての野生生物が安心して棲める、 実のなる広葉樹の森を造ります。 ★木々が育つまで、町の公園などで拾ったドングリを、 高山帯に設けた餌台に運びます。 ★子どもたち誰もが持っている、自分より弱い立場のものを思いやる心持ちが、 いま以上にスクスク育つよう、自然保護・野生生物保護啓蒙を行います。 昨年4月から、【熊棚・くまだなの会】は、紀伊半島NPN(自然保護ネットワーク)に加わりました。紀伊半島のフィールドで、想いを同じくする皆さんとともに、特に絶滅に瀕しているツキノワグマ保護を活動の象徴に位置づけ、紀伊半島の美しい自然を、子や孫たちに残すべく活動を続けます。 ● ますます活動の輪を広げて行こう 【熊棚・くまだなの会】が発足して1年半が経過しました。この間、全国の皆さまから多大なご支援を賜り、昨年は650Kgを超える量のドングリを餌台に運ぶことが叶いました。 また、福島県郡山市の天性寺をはじめ、三重県主催・子どもメッセinみえ、三重県上野市立西小学校、名張育成園、奈良県山添村・勝原地区を訪ね、子ども自然教室を開催することができました。 私どもの、これからの活動のよりどころになることを願って、会報を作りました。題して『森の落書き帖』、皆さんの自然や野生生物に対するお気持ちを、落書き感覚で、どうぞご自由に書き込んでください。 エッセイ、詩歌、絵、写真、版画、どんな形式でも構いません。ドングリ拾いのスナップ写真も大歓迎です。編集子まで、どしどし送ってください、お待ちしています。 日本は資源の乏しい国とよくいわれますが、私は決してそう考えてはいません。確かに石油や鉱物資源は乏しい国ですが、一億二千万余の素晴らしい人々と、美しい緑の山々と、なによりもこれほど水の恵み豊かな大地は、世界中を見渡しても何処にもありません。 自然破壊、地球温暖化、異常気象、相変わらず世界各地でくり返される紛争の数々・・・。そんな時代にあって、地球で生きる一員として、私たちひとり一人が、地球のため、自然のため、野生生物のために、日本の自然を守り、後の世代に受け渡すことはとても大切ことです。それは、とりもなおさず、より大きな幸せとなり私たちに還ってくるのですから。 保護だけを、駆除だけを、互いが声高に言い合うのではなく、人間と野生生物が共存共栄できる道を、今、私たちは拓いてゆかなければならないと思います。 |
![]() 山のエサ台は、もう一つの、 新しい森造りです |
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【森の仲間たち】(株)どうぶつ出版 写真:目黒誠一、西村豊ほかより |
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![]() 森林が完全にバランスが取れた状態に向かっていくと、針葉樹と広葉樹が混じり合った針広混交林へとなっていく。これを極盛相の森という。 自然のなかでここまでなるには、三百年から五百年の歳月がかかると言われています。 |
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![]() やっと、会報を発行することができました。3月に発行する予定が一ヶ月のびてしまい、申し訳ありませんでした。季刊を目指しますので、応援、よろしく、お願い致します。楽しい落書き帖にしていきたいと思います。それには、皆さんが参加してくださることが一番です。ご意見、ご感想など、お気軽に、お寄せください。 インターネットに接続されている皆さんには、『森の落書き帖』のURLをメールにてお知らせします。そうでない方々には、コピーを郵送します。 (誠に恐縮とは存じますが、Eメールアドレスをお持ちの方は、HP【熊棚・くまだな】から、会報購読を、お申し込みください。次号からはEメールにて配信させて戴きます。財政ひっ迫(笑)のため、ITを最大限利用したいと思います) 4月13日、今年の春の植樹会も無事に終わりました。詳細報告はHPでご覧ください。 そろそろ、夏のべんきょう会の準備に入ります。今年は【トキ・朱鷺】をテーマに取り上げ、コウノトリの野生復帰と合わせて、子どもたちへのメッセージにしようと考えています。 【世の風を太く呑みほす鯉幟】ーーーーー百画(旧作です) 春から初夏にかけて、最も心持の良い時候ですね。思いっきり自然と遊びましょう。皆さんのお便りを、お待ちしています。 |
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