ツキノワグマ有害駆除・・・聞き取り調査 2002.1.21 |
【日 時】 2002.1.21(月) 午後1:30〜2:30 【目的地】 三重県、嬉野町、役場 【メンバー】 嬉野町、農林課 主幹兼振興係長:小出 智巳 さん くまだなの会:カミサン、ご隠居 【目 的】 1998年と1999年に嬉野町で1頭づつ、ツキノワグマが有害駆除されている。 三重県内では最も新しい駆除の状況であったので、聞き取り調査を行った。 |
【調査結果】
2頭とも、狩猟期間に仕掛けられた、イノシシのククリ罠にかかっていた。 すでに手負いの状態だったので、銃器により駆除。 1998年か、その前年に、嬉の町内のゴルフ場のバンカーで、2頭の大型野生獣の足跡が 発見された。(足跡から推測すると、親子のクマのようであった) 過去、数十年以上、クマが出没したニュースは聞いていなかったので、その時は、まさかと思っていた。 (小出さんが、子どものころ、町内でクマを狩猟していた記憶がある・・・それくらいめずらしい) はじめに1頭クマが罠にかかったので、やはりクマだったのかと思った。 もう1頭いるぞと思った。そして、明くる年に、2頭目が罠にかかった。 (親子のクマで、母親が殺されたあと、子グマは山に逃げず、付近いたものと思われる) 2)嬉野町の森林、林業の状況 90%が針葉樹林の植樹林である。地権者は町外の人が多い。 製材業を営む人が多く、皆伐したのちは、再びスギやヒノキの苗を植える。 嬉野町では、林道整備が充実していないので、山奥には放置された山地もある。 嬉野町には町有林がない。 3)他、獣害の発生状況は? 皮剥ぎなどクマの被害は全く無いが、シカ、サル、イノシシなどによる農作物への被害が発生している。 4)広葉樹の森造りは? 嬉野町では、今のところ行っていない。 |
大型獣の足跡をみつけたとき、鳥獣保護員らに連絡すれば、足跡の主がツキノワグマということは判別できたと思う。 そして、県の自然・野生生物グループに連絡し、しかるべき手を打てば、2頭のクマは生き延びられたと思う。 今、紀伊半島では野生のツキノワグマは絶滅寸前まで追い込まれている。 貴重な動物を保護する機会が失われてしまった。 それにつけても、ククリ罠の使用は許せない! 無差別に野生生物を捕獲するククリ罠は、地雷と同じだ。 【えころぶ北海道】第8号に、「1993年、ククリ罠によるヒグマ狩猟禁止」の記事があった。 『ワイヤーを引きちぎって逃げた後に衰弱死したクマが発見されたり、ワイヤーによって足首から先がちぎれたと思われるクマが捕獲された事例がある。つまり、ワナによって傷ついたヒグマを作り無責任に山に放していることになる。手負い状態になったヒグマによる人間への被害が心配される』 |
![]() ![]() 健全な野生動物を、 無差別に捕獲、傷付けるククリ罠 |