6月20日発行
        

 

 

 

 
 動物の子の本当の姿を理解しないことには、人間同士の考えや、人間からみた動物観だけでは真実はつかめません。

 動物の子は、育ての親の行動を通して、自分が何に属しているかを認識していくものなのですが、人間の手で育てられた子は、人間と自分とを同一化してみるようになっていくのです。
 ウシ科の動物の社会相互行動を観察しますと、仲間同士がツノを突き合って力競べをし、社会的地位の確認をします。最初は遊びであっても、やがて青年期になるとそれが熱をおびてきて、人間を同一化して見るために、つまり仲間の一頭と思っているから、人間に力一杯挑戦してくるのです。
<中略>
 ここに人と動物のすれ違いが生じ、人がケガをするわけで、異種間の動物との対話は、とてもメルヘンのようにはうまくいかないのです。

 このことをハッキリと認識することが、本当に動物とつき合っていく出発点になると思います。小さい時から人間と自然との共存についての教育があってほしいですね。

ーーー【動物日記】 増井光子著より


奥飛騨、天生湿原から籾糠山(1774m)の山旅で
出会われた『カツラの古木』
今号の表紙写真は、ごんべ絵さんに提供して戴きました。
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