その後、保護センターでは、中国から贈られたトキを育てて、ヒナを誕生させることに成功しました。
研究者たちの長年の努力が実り、ヒナは40羽を超えるまで育っています。

でも、私たちは、あの日、抱きかかえるようにして、トキをつかまえた金太郎じいさんの気持ちや、おばあさんと二人で、キンちゃんの無事を祈りつづけた、とうとい願いを、決して忘れることはできません。

トキが、たくさんいるときは、みんなで殺しておいて、少なくなったから、さあ守れというのは、あまりにも、人間が勝手すぎます。

みなさん、これからは、自然を守り、山や森にいる、たくさんの生き物のことを大切に考える、そんな社会にしていかなければなりませんね。

そうすれば、トキが、自由に大空を飛べる日が、きっとやって来ることでしょう。

              おしまい。