クマの事典

ツキノワグマ(作:カミサン)
ツキノワグマは、森の王者
本州に生息し、野生鳥獣の頂点に位置する動物です
 ・クマは優しい力持ち
 ・他の動物に危害を加えたりしない
 ・生きるわきまえを持つ、謙虚な動物
を・ん
● 穴入り ● 穴換え ● 穴狩り(猟)
・クマが寝穴に入ること ・クマが地穴に寝ていて、春に雪解け水が流れ込んでくる場合、クマが穴を換えることをいう ・冬眠中のクマを捕る猟法
● 赤をひく ● あたり ● 穴熊
・クマやイノシシが手負いの血を流して逃げること ・クマが冬眠場所を求める辺りに、牙で木に傷をつけることを言う

・縄張りを示すためのものと言われる
・冬眠中のクマのこと
● 穴熊狩り ● 穴熊猟 ● 穴捕り
・冬眠中のクマを捕ること ・穴熊狩りに同じ ・穴熊狩りに同じ
● 脂 ● あり ● アルビノ
・熊肉には脂が多く含まれている

・この脂はヒビ、アカギレや、火傷の薬として利用される
・冬眠場から出たクマは、手足の掌面にタコに相当する凸部が一面についている、これをいう ・生まれつき体の色素がなくて白く見える動物

・白子のこと
 胆(い) ● いちご離し(いちご落し) ● 犬熊
・熊胆のこと。胆(い)と呼ぶが、実際は胆のうである ・母グマが子別れをするとき、イチゴのたくさん生えている場所に連れて行き、子が夢中になって食べているうちに捨て去ること ・【月の輪】の模様のないクマ
● 忌詞 ●  ● 
・忌みつつしんで代用していう言葉

・クマには、【タイショウ】【ヌシ】【オヤジ】【オッサマ】などの忌詞がある
● 撃場(うちば) ● うと ● うとっぽ
・春、クマを勢子で追い、逃げるクマを撃つために、猟師が待ち伏せする場所 ・木にできた穴

・クマが冬眠するように、昔の人は手斧で細工した
・クマの冬眠穴の一つ

・木の上部に穴の開いているもの
● 産毛(初毛) ● 産み子(うみご) ● 
・産み落とされたばかりのクマの子は、毛は薄く、白っぽい産毛を持っている ・今年、冬眠中に生まれた子
 え ● 円座 ● 
・熊胆のこと ・クマが冬眠中に体を干すために作った寝床

・【熊棚】と混同している人もいる
● 追い子 ● 押せ ● 押機
・クマの巻き狩りの勢子のこと ・クマの押せ猟に使われる、あがり板と、その上に乗った石 ・押せ猟に使う装置
● 押せ猟 ● オッサマ ● オヤジ
・丸太を藤蔓などでしばり、縦3.5m横1mくらいに組み合わせた枠を作り、その上に百貫以上もある大石をいくつも乗せ、これをクマやイノシシの通り道に仕掛ける

・押せには餌がつないであり、これに触れると押せが落下して、押しつぶすように作られている
・クマのこと、忌詞 ・クマのこと、忌詞
● おり猟 ●  ● 
・ミツバチを餌に、おり罠で捕らえる猟法

 害獣 ● 害獣駆除 ● かかり
・人間や農作物などに害を与えるような獣 ・狩猟鳥獣を含め、農林水産物などに害を与える鳥獣は、有害鳥獣駆除の許可を得て捕獲することができる

・クマは県事務所を通じて都道府県知事の許可を得て駆除することができる
・クマが木に登った爪の跡
● かかり場 ● かぎ爪 ● かた
・巻きどりの時クマが逃げて行くところは、山の地形や林相でほぼ分かる

・この逃げるクマを銃でしとめる場所
・クマの手足には五本の指があり、先にはかぎ状の爪を持っている ・クマの巻き狩りのとき、クマが撃場へ真直ぐに向かうように、両側で脅す役割の者が居る場所
● カモシカ道 ● 狩り元 ● 皮はぎ(皮剥ぎ)
・けもの道の一種で、カモシカの通り道 ・遠征して狩りをするときに、露営する場所を言う ・スギ・ヒノキ等の針葉樹の樹皮をクマが剥ぐ行為を言う
● かんこ木 ● 肝臓 ● 
・穴熊狩りのとき、クマが穴から飛出さないように出入口に組む、二股になった枝木 ・クマの肝臓は食用にもされるが、血圧、貧血、食欲不振などに薬用としても利用される
 牙 ● 肝(きも) ● 求愛行動
・クマの牙は魔除けなどに利用される ・クマの胆のう

・万病に効くとして重宝されている
・異性を求めるときにだけ見られる行動

・野生グマについての求愛行動は、まだ詳しい報告がない
● 切れ待ち ●  ● 
・巻き狩りのとき、【本待ち】以外のクマの逃げる通路
 食いあたり ● 食い荒らし ● 食いだし
・クマが冬眠前に樹皮につけた噛跡 ・食いあたりに同じ ・母グマは2冬を子と共に過ごし、3年目の秋には食いだしといって、噛みつくなどして子と別れる
● 食いだめ ● 熊荒れ ● 熊荒れ七日
・冬眠前の時期、クマは冬眠中に必要なエネルギーを蓄えるために、夢中になって色々なものを食べる ・クマを捕ると山の天気が荒れると言うもの ・クマを捕ると七日間天気が荒れるという
● 熊押せ猟 ● 熊おり ● 熊鈴
・クマの通り道に熊押せ(罠)を設置して、クマを捕る猟法 ・中にミツバチの巣箱を入れ、クマが巣箱に触れると鉄おりの戸が下りるようになっている

・おり猟に使われる
・クマの被害に合わないように、ザックなどに付ける被害防止用の鈴

・クマ除けの鈴
● 熊棚 ● 熊の大糞 ● 熊の帯
・ナラ、ミズナラ、クリなどの実を、枝ごと折り取り食べ、そして尻の下に敷いていった結果、木の上に棚状のものができる、それを言う ・身からしと言って、冬眠前に体内の汚物をすべて排出する、このときのことを言う ・帯とは、盲腸の近くにある幅5cm、長さ30〜40cm、厚さ2cmほどの、ビールビン色をしたもの

・これを干した物を、妊婦が腹帯に入れておくと安産だという
● 熊のほそぐり ● 熊剥ぎ ● 熊祭り
・熊胆のこと ・クマの皮はぎのこと ・希にしか捕れない動物なので、山の神に感謝して行なった

・五平餅を作り、クマの肉ですき焼きをして祭った
● 熊道 ● 熊飯 ● 熊槍
・けもの道の一種で、クマの通り道 ・熊肉のまぜご飯 ・昔は、鉄砲の性能が悪かったのでつかった

・猟師のどの家にもあるが、今は使わない
● 熊わな ● くら ● 黒焼き
・【ひこくり】とも言う

・大木をたわめ、クマの通路にワイヤー罠を仕掛け、踏み落しにより大木をはねあげる
・険しい山腹のこと

・ヒノキなどが群生し雪のつかない急斜面には、冬眠明けのクマがやってくる
・クマの骨もサルと同じようにして黒焼きを作る

・血圧、肝臓病に効くという
 毛皮 ● けもの道 ● 
・雌は安いという

・クマの皮は冷えるので夏の敷物だという
・山の中をクマやシカが通ってできる、かすかな細い道
 交尾(期) ● 越し場 ● 粉糠めくり
・クマの交尾期は6〜7月ころである
・尾根を越えて隣の谷へ入るけもの道

・イノシシの越し場は地形的に良い場所にあるが、クマは爪があるので、ゾレ場やガンベ(岩壁)でも越す
・口の周辺が茶色のクマで、粉糠めくりは小形だという
● 痕跡調査 ●  ● 
・クマを直接観察調査することは難しいので、クマの生活痕から色々な調査をするものである

 採食 ● 猿道 ● 産子数
・クマは肉食類に分類されているが、実際には雑食性で、主に植物を食べている
・けもの道の一種で、サルの通る道 ・生まれる子の和

・クマの場合は二頭のことが多い
 地穴 ● 子宮 ● 地熊
・クマの冬眠場所の一つで、木の根元などの凹地をいう
・クマの卵子は、受精してもしばらくは子宮に着床せず、遅延着床という現象がみられる ・地元に何時もいるクマのこと

・太っていて毛並も美しいと言う
● シシ犬 ● シシ槍 ● 若齢化
・イノシシ量に使う犬
・明治初期まではシシ槍で狩りをしたという

・熊槍に同じ
・捕れるクマが小形化してきている

・狩猟圧が高いため長生きできないのではないかと懸念される
● 十二ヒロ ● 腫脹 ● 出産
・クマの小腸を宮川村(岐阜県)ではこのように呼ぶ

・百尋と同じく安産のお守りにする
・クマの雌は交尾期を迎えると、生殖器が充血し腫れてくるが、この現象をいう ・クマは冬眠中に、多くは二頭出産する
● 狩猟圧 ● 小腸 ● 食痕法
・クマの捕獲頭数が年々減少している

・環境にも原因があるが、一番の原因は狩猟である
・クマの小腸を乾燥したものを百尋と呼び、安産のお守りにする ・クマの食べ物の跡から、クマの生態を研究する方法
● 食性 ● 触毛 ● 新生子
・クマは動物も食べるが、主に植物を食べている
・夜行性の動物は触毛(髭)を持ち、狭いところを通り抜けたりするが、クマにはこの触毛がない ・新しく生まれた子

・母グマは2年間、子を連れて歩く
● 心臓 ●  ● 
・クマの内臓の中では、心臓、肝臓が食べられているが、他の多くは捨てられることが多い
 スイ臓 ●  ● 
・クマを捕ったとき、山の神に感謝して、スイ臓を木の先にささげる
 性差 ● 精巣 ● 勢子
・クマには、外形的にはっきり分かるような雌雄の差はないようだ
・雄が性的に成熟するのは4歳以上だと言われる ・巻き狩りのとき、クマを追い立てる役
● 背身 ● センビキ(ひ臓) ● 
・クマの背中の肉をこのように呼ぶ
・ひ臓のこと

・クマを捕ったとき、山で解体してセンビキを近くの木に掛け、山の神にささげてくる(岐阜県・白川村)


 胎児 ● タイショウ ● 大猟師(たいりょうし)
・クマの子がうまれてくるときは、約300gと非常に小さい
・クマのこと、忌詞 ・大型動物を狩猟対象とする猟師をいう
● たかす ● 岳熊(だけぐま) ● タチ
・クマの冬眠穴の内、樹木の高いところにある穴
・赤くて白毛があるクマで、郡上(岐阜県)のクマがそうだ

・岐阜県では、福井県の方から来るといわれている
・クマを捕ったとき、舌(タチと呼ぶ)先を切り取り、山の神にささげてくる

・タチは、元はスイ臓だったという
● 棚 ● 棚かく ● 胆汁
・熊棚のこと
・熊棚を作ること ・熊胆は胆汁を乾燥させ固めたものである

・大きな熊胆を得るには、食べ物を食べていない冬眠中のものが良いのだという
● 胆のう ●  ● 
・肝臓で作られた胆汁を蓄える袋

・熊猟の目的の多くは、この熊胆(胆のう)を得ることにある
 遅延着床 ● 着床 ● 着床遅延
・クマの受精卵は一時発生を止めて、子宮に着床するのが遅れる
・受精卵が子宮壁の内膜に進入し、受精卵と子宮との間に連絡が生じる現象 ・遅延着床に同じ

・ヒトでは二日間くらいで着床するが、クマは2〜3ヶ月間も着床しないようである
● 直接観察法 ●  ● 
・クマの観察調査の方法で、直接観察する方法であるが、実際はなかなか難しい
● 月の輪 ● 着き場 ● ツブラ
・クマの胸にある白色〜黄色の三日月形の模様

・昔の猟師は、月の輪を霊力あるクマの象徴と見ていた
・秋、クマが餌を食べる場所

・その場所はだいたい決まっている
・円座に同じ

・古川町(岐阜県)では、クマが身干しをするときに作る円座が、赤ん坊を寝かせるツブラに似ていることから、このように呼んだ
 定点観察法 ● 手負い ● 出熊(猟)
・直接観察法のひとつ

・クマの姿が見られそうな場所の尾根に定点を作り観察する方法
・銃弾が体に入っているクマ

・痩せて大きくならず、気が荒くなっている
・冬眠から目覚め穴から出てきたクマ

・穴から出てきて物を食べると胆の質が落ちるので、猟師は、できるだけ早く捕えることが必要になる

・木には葉がなく、山には雪があるので、クマは見つけ易く猟はやりよい
● 鉄おり ● 鉄砲穴 ● 出ぼこり
・クマを捕獲するための鉄製の檻
・クマの冬眠穴の一つ

・立ち木にできた穴で、真っ直ぐに天を向いているものを言う
・三月末ころに、冬眠から覚めたクマがアタリをつけて徘徊すること
● テレメトリー(調査) ●  ● 
・クマに電波発信機(テレメトリー)を付けて離し、クマの生態を研究する調査法
● 冬眠 ● 冬眠明け ● 冬眠穴
・クマの冬眠は、体温がある程度低下し、呼吸数も少なくなるが刺激を与えると、ほとんど即座に活動が開始できる

・カエル、ヘビの冬眠とは違うようである

・飼育されているクマは冬眠をしないと言われている
・冬眠から覚めること

・冬眠から覚めても3〜4日は、穴から出たり入ったりして、近くで過ごすようだ
・クマは、木穴、石穴、木の根元などの土穴・・・等、色々の穴で冬眠をするようだ
● と食い ● とりねこねぶり ● 
・越冬穴の入り口付近には、かならずといってよいほ噛跡があり、この噛跡をいう

・留食い、あるいは戸食いの意か

・100mくらいの間隔ををおいて、一口ずつ噛んだ跡が連続して見られ、と食いの終ったところに、越冬穴がある
・クマの下顎の白いものをいう

・【とりねこ】とは、ネコのようなという意味であり、【ねぶる】は、なめることを意味する


● 夏毛 ● 縄張り ● 
・獣の毛皮は冬毛のものが良い

・クマも同じであるが、200kgを越すようなものは夏毛でも価値があるといわれる
・成獣で3000〜4000haの行動圏が必要と言われており、大きな縄張りがいるようだ
● 妊娠 ●  ● 
・クマは交尾し卵子が受精しても、着床し妊娠するまでに時間がある

・着床遅延と呼ばれる現象である
● ヌシ ●  ● 
・クマのこと、忌詞
● 寝あたり ● 寝穴 ● ネイ
・クマが冬眠穴を探し、その穴の近くの木に牙や爪で傷を付けて目印としたもの

・縄張りの印といわれている
・クマの冬眠穴のことで、地穴、岩穴、根穴、木のウロ(空)などがある ・熊胆は、普通2〜3日で乾燥させるが、一週間もかかったものは腐った胆(ネイ)と言い、品質も悪く、夏にカビの生えることもあるという
● 寝熊 ● 寝熊猟 ● 寝干し
・冬眠中のクマ
・イヌを使い、2〜3人で冬眠中のクマを捕える猟法 ・冬眠の前にクマは木を集めて敷き、その上に登って1〜2週間くらい寝て体を干すことをいう
● のたれ ● のたれ熊 ● 
・クマが、初雪のくるころ、まだ出没すること
・冬眠していないといけない時期に、まだ穴の外に居るクマ


● 排出(排せつ) ● 箔が付く ● 箱わな猟
・冬眠穴に入る前には、身干しと言って体内のものをすべて排出する

・また、冬眠明けには、前年食べたものを一度下痢をし排出してから食べ始めるという
・冬眠前のクマを冬眠するまで待って、胆を大きくしてから捕ること

・猟師に箔が付くという
・熊おり(鉄おり)にミツバチの巣箱を仕掛けてクマを捕る猟法
● 発情 ● 食み場 ● ばら
・発情期は5〜6月で、動物園では、雌の生殖器が腫脹し始めると、雄が雌を追い回すという行動が見られるようになる
・クマは、ナラ林を餌場(食み場)にしている
・クマの胴の肉
● 春熊 ● 食ん場 ● 
・冬眠穴から出たばかりのクマ

・【春熊は遠のしせん】という(岐阜県・根尾村)
・動物たちの餌場
● ヒグマ ● 飛騨熊 ● 一夜寝
・昭和20年ころまで、岐阜県・小坂町の御料林内にいたともいわれる

・福井県のものと同じで、約160kgもあり、大きくて茶色ぽく、月の輪模様も淡く小さい
・ツキノワグマに2種類いるといわれる

・飛騨熊は胆も肉も良く、手足が短く、真っ黒で、毛も良い
・スギ、ヒノキの皮を集めて、丸めて床を作り、一晩ごと寝る場所を移動して行く
● 百尋(ヒャクヒロ) ●  ● 
・クマの小腸を干したもの

・安産のお守りにする

● ふくびき ● 冬ごもり ● 古子
・クマを丸ごと売ること

・胆の大きさが分からず、当たり外れがあるので、このように言う
・冬眠に同じ
・クマの子で、生後一年を経たもの(約20kg)
● 古子の古子 ● ふるへ ● 糞分析法
・生後二年を経た子(約30kg)
・洞窟のことで、クマがこもっている洞窟をいう
・クマの糞を分析することにより、クマの生態を解明する方法
 ヘイジク ● べんだ穴 ● 
・クマザサを寄せて丸め、座り良くしたもので、冬眠前に身干しをするために4〜5個作る
・立木の又のところに開いている穴

・雄グマが入っていると言う
● 方向あたり ● ぼうのう ● 干す
・地上50〜100cmくらいの高さに見られる、クマの噛み跡

・冬眠穴の方向を示すという
・勢子のこと
・クマが冬眠穴から出るとき、ヒノキの皮などを剥いで、それを敷き体を干す
● 本撃(ほんうつ) ● 本待ち ● 
・撃(うつ)の中でも、特に重要な待ち場をいう
・巻き狩りは、勢子がクマを追立てて、クマの逃げて来る所に射手が待っている

・クマが逃げて来るはずの通路の待ち場


● マーキング ● 前がた ● 巻き狩り
・動物が縄張りを示すために、尿や臭腺からでる分泌物をこすり付ける

・臭い付けともいう
・クマの前足の肉
・冬眠より目覚めたクマを、尾根で待つ猟師の方へ勢子を使ってゆっくり追立てて捕る方法
● 巻き捕り ● マタギ ● 待ち
・巻き狩りに同じ
・東北地方の猟師で、集団で猟をする人たちのこと
・クマ狩りのとき、クマの移動先の尾根の【待ち】に、銃猟者が位置につく
● 待ち場 ● 待ち猟 ● 
・巻き狩りのとき勢子がクマを、この【待ち場(かかり場)】へ追い上げて、銃で仕留める
・熊猟のうちで、秋に餌場に付いたクマを迎え撃つ猟

・日頃は用心深いクマも、秋には食べることに夢中で撃たれてしまう
● 身からし ● 見切り ● 水胆(みずい
・冬眠前に、クマが体内の汚物を全て排出すること

・見た人によれば、脱糞量は大きな洗面器に約二杯分、きれいな円錐形に積み上げていたと言う
・山に雪が降ると、尾根を歩き、クマの足跡から尾根をどちら側へ移動しているかを知り、だいたいどの辺りに冬眠しているかを知ること

・輪切りに同じ
・冬眠前の食欲旺盛な時期のクマの胆には、胆汁が少ない、この胆のことを言う
● 三つ熊(みつぐま) ● みなぐろ ● 身干し
・親と子二匹、合計三匹で行動しているクマ
・月の輪模様のないクマ
・冬眠前に、身からした後、体を干すこと
● モチツキ ● ものめ ● モミグルミ
・立木に作られた縦の熊穴から、冬眠しているクマを追い出す方法

・ロープの先に木片を結び付けたものを、穴に出し入れして、クマに木片をぶつけて誘い出す
・獣のこと、四足の動物の総称
・身干しの最後には、スギの皮を手でもむようにして、細かく裂いて、尻に敷くものを作り座る

・その後、冬眠穴に入るといわれる

・円座の一種
● もも ● もやを切る ● 
・クマの後足のこと
・冬眠穴を探すには、広葉樹に付けられた噛跡の方向を参考にする

・その一つに、穴の近くになるとモヤ(径2〜3cmほどの雑木)を食い切ってある


● 山の神 ● 有害獣 ● 有害(鳥獣)駆除
・熊猟を行なう猟師の中に、熊祭りをする、タチ(舌)をささげる、センビキ(ひ臓)をささげる、鼻先をそいでささげる等の、山の神信仰にかかわる民俗が残っている
・クマ、シカ、イノシシのように、ヒトや農作物等に害を与える動物
・有害鳥獣については、県事務所を通じて都道府県知事あるいは環境庁長官に有害駆除の許可申請をし、許可を得て行なう
● ゆずみ ● 離乳(期) ● 輪切り
・毛干しの形がゆずみ(いずみの音韻変化したもの)に似ているので、このように呼ぶ、円座に同じ
・クマは、歯が生え始めるころに離乳期を迎えるという
・晩秋、初雪のあったころ、尾根を歩き、けもの道のクマの足跡から、どの洞へ入り冬眠したかを確認する作業で、見切りに同じ
● 渡り熊 ● 輪をかける ● 
・地元に居付いているクマではなく、他所から移動して来るクマ

・痩せているため、手足が長く見え、毛並も悪い
・あたりを手掛かりとして、寝穴の見当をつけて近付くこと
【ツキノワグマ】  編・著 岐阜県哺乳動物調査研究会より抜粋