聞こえや難聴について
人は年を重ねると聴力が低下していきます。これは誰にでも起こりうる現象で、自然な事です。一般的に40才頃から徐々に聴力が低下しはじめると言われています。
聞こえに影響を及ぼし、難聴の原因となる可能性のある要因は様々です。
- ◎長時間の騒音 ◎遺伝 ◎疾患 ◎投薬治療での副作用 ◎けが ◎耳あか ◎加齢 など
一口に難聴といっても原因や種類、症状などは様々です。まずはご自身の聴こえの状態を理解する事が重要となってきます。
また難聴には「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」の3つのタイプがあります。
伝音性難聴とは
外耳または中耳の障害により、音波が効率的に内耳に伝わらないために起こります。
一時的なものであれば、外科手術や投薬により治療できるケースも多くあります。
伝音性難聴の一般的な原因は以下の通りです。
- ◎外耳自体の損傷 ◎耳あかなどの小さい異物が外耳道に詰まっている
- ◎外耳または内耳の感染症 ◎鼓膜穿孔 ◎先天的奇形 など
感音性難聴とは
感音性難聴は最も一般的なタイプの難聴です。内耳または聴覚神経に原因があります。
内耳(蝸牛)の有毛細胞が損傷しているために、脳に伝達できないというのが一般的なケースです。
感音性難聴には、出生時にすでに発生している先天的なものと、出生後に発症する後天的なものがあります。
一般的な先天的原因として、以下のものがあります。
- ◎遺伝要因 ◎ウイルス感染 ◎未熟児 ◎低酸素症などの出産時外傷 など
後天的原因として、以下のものがあります。
- ◎加齢 ◎長時間の騒音 ◎耳感染 ◎頭部外傷 ◎髄膜炎 ◎脳炎 など
混合性難聴とは
伝音性難聴と感音性難聴が同時に発生した場合、混合性難聴といいます。
(気導と骨伝導の測定値が20dB HLを超えており、これらの差が15dB以上ある場合を、混合性難聴と言います。)
混合性難聴は、程度、解剖学的構造、その他の影響要因によって治療が行われます。
難聴の程度
以下は、障害の程度に応じて難聴の程度を分類したものです。難聴の程度 | 聴力(dB) | 言葉を聞き取る能力 |
---|---|---|
健聴 | 0 - 25 dB | 支障を感じない。 |
軽度 | 26 - 40 dB | 比較的騒音の大きい場所では小声での会話を聞き取るのが難しい。 静かな環境での会話は理解することができる。 |
中度 | 41 - 55 dB | 周りに騒音がある場合、会話を理解するのが難しい。 テレビやラジオを聞く際に音量を上げる必要がある。 |
中〜高度 | 56 - 70 dB | 通常よりも大きな声で会話をする必要があり、 グループでの会話が困難になる。 |
高度 | 71 - 90 dB | 通常の会話が聞き取れない。 大きな声での会話であっても難しい。 |
重度 | 91+ dB | 会話を増幅しても理解が難しい、または聞き取れない。 |
こんな事はありませんか?
□家族にテレビの音が大きいと言われる □人との会話が聞き取りづらく、聞き返す事がある □車の中での会話が聞き取りにくい |
□電話やチャイムの音に気付かないことがある □電話の声が聞き取りにくい □聞き間違いをよくする |
補聴器の種類
補聴器にはさまざまなタイプがあります。聴こえのレベルやお好みに合わせてお選び頂けます。耳かけ型補聴器 | 耳あな型補聴器 |
○機能が豊富 ○レシーバーやイヤチップの種類が多い ○色が豊富でスタイリッシュ ○小型で耳の後ろにフィットするので目立たない |
○一人ひとりに合わせてオーダーメイド ○耳に入れるだけなので装用が楽 ○メガネや帽子と一緒に使える ○耳あなに挿入するのでズレにくい |
補聴器購入の流れ
1.ご来店・ご相談・問診 |
専門のスタッフがお客様の聴こえの状況や要望、 不安に思っている事など、様々な疑問にお答えいたします。 |
2.医師への相談 |
難聴の原因・種類によっては治療可能な場合もありますので、 状況によっては耳鼻科で受診されることをお勧めします。 |
3.聴力測定 |
お客様の現状の聴力を測定します。 どの程度の難聴なのか、どういった調整が必要なのかをチェックします。 |
4.語音明瞭度測定 |
お客様の言葉の聞き取り能力の測定を行います。 どの程度聞く力が残っているかによって補聴効果に違いが出ます。 |
5.補聴器の選択・調整 |
聴力測定の結果を元に、補聴器を選定・ご提案させていただきます。 現状の聴力・生活スタイル・ご予算・ご希望に合わせて、 適切な補聴器選びのお手伝いをいたします。 |
6.補聴器の試聴 |
補聴器を実際に試聴していただきます。 聴こえ方をご確認いただきながら調整などを行います。 |
7.補聴器の購入 |
試聴器でのお聴こえに満足いただけましたら、 ご家族の方と相談いただいた上でご購入いただきます。 |
8.練習(リハビリ)・調整 |
お客様の生活環境・静かな場所・騒がしい場所など 様々な環境下で快適に利用出来るよう、調整を行います。 最初の3ヶ月間は練習期間とお考えください。 |
9.アフターフォロー | 補聴器の定期的なお手入れ、聴こえや使用状況(環境)の変化に 合わせた調整が必要です。(何度でも無料) より快適にご利用いただけるように調整・お手入れをさせていただきます。 |
聞こえのこと、補聴器のこと、いつでもお気軽にご相談ください。 |
補聴器について
補聴器は聞こえを補う道具です。「補う」ということは、現在の能力を補って、若い頃に近づけるということです。※補聴器を装用すれば今すぐ以前のように聞こえるようになるわけではありません。
慣れるには約3ヶ月〜半年位必要となるケースが殆どです。(個人差があります)
高齢になればなるほど、聞こえと補聴器を馴染ませるのに時間が必要となります。
補聴効果に関しては、人により(お聴こえの状態により)大きく異なります。
一番大事なことは、ご自身が聞こうとする前向きな姿勢です。補聴器を装用し、様々な音を聞く事を楽しんでください。
そうする事でより良い聞こえになっていく事が期待出来ます。
また、お聞こえや生活環境に合わせて、定期的に補聴器を調整する事も非常に大切です。
補聴器のキホンは両耳装用
両耳装用者の方が満足度が高いという研究結果があります。1. 音の方向感や距離感を得やすい
片耳装用の場合、聞こえの範囲は装用側中心となります。補聴器をつけていない耳は、聞こえが悪く方向感もつかみにくくなります。対して両耳装用では、音源の方向が捉えやすくなり、日常生活に潜む危険を回避しやすくなります。
※片耳装用の方は両耳装用の方と比べると転倒事故のリスクが3倍に跳ね上がるとう研究結果もあります。
2.騒がしい中でも聞き取りやすい
騒がしい所では、様々な音が様々な方向から聞こえてきます。左右の補聴器が、左右それぞれの耳の聴力に合った働きをすることで、脳が騒音を排除し、言葉を聞く能力を最大限発揮します。そのため、騒がしい中でも言葉が聞き取りやすくなったり、音を聞き分けやすくなったりします。
3.疲れにくい
両耳装用にすると、片耳装用よりも小さな音で聞き取りやすくなります。そのため、片耳装用時ほど音量を上げなくて良いため、耳への負担が少なく、疲れにくくなるのです。
4.自然な音を聞くことが出来る
人は本来、両耳で音を聞いています。両耳から音を聞くことで、聞き取る力は最大限発揮されると言えます。両耳装用によって、左右の耳から音が入り、バランスの良い、より自然な音を聞くことができます。
5.補聴器をしていない耳の聞き取り能力の衰えを予防
片耳のみの装用では、補聴器をつけていない耳への刺激が少なくなり、その結果聞き取り能力が衰えてしまう場合があります。 両耳装用する事で能力低下のリスクを減らすことができるのです。
※補聴器は調整により効果が発揮されます。また、装用者の聞こえの状態により効果が異なります。