テレビを知らない男の子


アフリカの奥地では、気象や事件、その他大切なことを伝達する方法として、タイコをたたいて人を集め伝えています。フフは、この奥地で生まれ育った10歳の心やさしい少年です。

ある日、フフの両親が一つ山を越えた村に用事で出かけました。フフはお婆さんと留守番です。お婆さんの年はいくつか分からないけど、かなり年を取っています。でもこの村ではとても物知りで通っています。


「お婆さーん、雨だよ、洗濯物は?」 
「フフ、取り入れのを手伝っておくれよ。」
フフは洗濯物を取り込みながら、「お母さんたちも雨にあっているかなー」
「お天気はね、ひと山越えたら変わるんだよ。3つも越えたもんなら、雪になっているかもしれないよ。」
「そんなすごい事、どうして知ってるの?」

お婆さんは笑みを浮かべながら得意そうに、「ここから山を三つ、川を一つ越えたところに、テレビという物を持っている人がいてね、それは箱の形をしていて、はなれた遠い所の天気を知らせたり、大事件や、歌や踊りも写すんだよ。わたしゃ、ずーと前に一度だけ見せてもらったけど、そりゃ、キレイだったよ。」


この話にフフは目を丸くし、気絶しそうだった。深呼吸をしたら、今度はそれが見たくて仕方ありません。
「お婆さん、ぼく、その箱、ううーん、テレビが見てみたい。ねえ、それって、箱なのにどうして天気も事件も歌も踊りも写すの?テレビって生きているの?見て話して僕の言うことも理解するの?」

「何でも、電気という物が線を伝って箱の中に入り、物を写すんだそうだよ。でも、こちらからの話には返事をしなくて、向こうから話したり、歌ったりしていたよ。」

フフは、いつか山を三つ越え、川を一つ超えてテレビを絶対見ると決めた。でも、テレビは僕の言うことを聞いてくれそうにないので僕の名前はフフです。」と紙に書いて行こうと思った。

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