「はー・・・暇」
まだ旗揚げして間もない救助隊など、世間にとって見ればいないも同然。
やることも無くて家でごろごろしてるしかないなんて不毛だ。
「ねー広場にでも行こうよ」
「ヤダ。俺はお前と二人で居たい」
「・・・」
5日前に知り合って、4日前に救助隊を旗揚げして、つい昨日コイル達を助けた後に、突然告白された。
曖昧な返事しか返さなかったからか、相方も良く分からない態度である。
だけど今のような言葉を返してくる辺り実は相思相愛と思っちゃっているんだろうか。
「アタシさ、まだあんたのこと良くわかんないんだけど」
「別にそれでいいさ。じっくり俺のこと好きになってくれればな」
「・・・そんなの、わかんないじゃん」
助けてくれたことに恩は感じるし、一番最初に知り合った奴だから一番親近感も感じてはいる。
ただそれが恋かと問われれば、返答できない。
「でもなー・・・お前は俺のことが好きだと思う」
「何でそんなに自信満々なの」
「だって昨日俺が泊まっても文句言わなかっただろ?」
告白されて。
多少の混乱に乗じて相方は友達エリアに帰らなくて。
「あんなことがあって普通そんな奴泊めないぜ?」
「や、それは・・・別に・・・他意はないんだけど」
それに何も無かったし。
夜中に何度か目が覚めたけど、相方は少しだけ距離をとったところでずっと眠っていたから。
「真夜中どれだけ俺が葛藤したかも分かってないのか」
「え・・・」
ふっと目の前が薄暗くなった。
それが相方の体によって出来た影だと気付くのに少し時間を要する。
「お前昨日から無防備すぎ。何時襲われても構いません、みたいな?やっぱ俺のこと好きなんだろ?そうじゃなきゃそんな風に出来ないだろ」
そうなのかな。
考えようと一瞬視線を逸らした。
その瞬間に。
唇を奪われた。
不思議と嫌悪感は無くて、案外すんなり受け入れてる自分に寧ろ驚く。
そして僅かな時間で唇を離した相方は、見下ろしながら。
「な?認めろよ」
と、笑った。