あたしの太陽の化身様。
世界を照らす伝説の召喚獣。
結局あたしの世界に現れた不思議な来訪者達は、あたし達に全てを残してくれた。
愛も思い出も関係も、全て二人の間に残してくれた。
まさかそんなことってと思ったけど、あれだけ頑張った(といっても一日半くらいの話なんだけど)あたし達への御褒美かなって受け取っておくことにした。




世界から愛を乗せて





「見ろよ、
の緩やかな声には眩しそうに目を細めた。
「眩しいよ、
全ての律が違う世界で、の神託の力はだんだんと失われていたのだった。
新しい世界に驚き戸惑いそして笑う。
自身、神託召喚士としての力を元々必要としていなかった事もあり、この世界でのファイヤー・・・との生活を楽しんでいた。
眼前に広がる夕焼けの景色。
馬が引かない鉄の馬車が夕日を照り返して考えられなかったくらいの大きな塔があちこちにそびえ立っている、街。
その塔の一つ一つの窓がまた強く光を照り返していて、の頬がの翼と同じ色に染まる。
「・・・ねぇ、良かったの?」
「何が」
「兄様達と別れて・・・」
少しだけ言い辛そうには視線を下に移しながら聞いた。
「いいんだよ」
「でも・・・」
「別に憎くて別れたんじゃねぇし」
そう、ついさっきがたはフリーザーやサンダーと決別を決めた。
それは単にの為などと言う訳ではない。
寧ろ、自分の為だ。
というのも、が可愛い弟分の恋人と言うことで二匹の過保護振りが凄まじく(特にフリーザーの)有体に言えばは鬱陶しくなってしまったのだ。
「最初殺そうとしたとは思えねぇ程お前のこと可愛がってたろ」
「・・・嫉妬?」
それならちょっと嬉しいの言葉を、
「ちげーよ」
の一言では一蹴する。
「・・・人間に見つかるとめんどくせーしこの辺で降りるか」
そこは街外れの住宅密集地に程近い空き地のようだった。
夕暮れの住宅街の外れは寂しいくらい人の姿が無い。
森が近いせいもあるだろう。
今日はこの辺で野宿でもするつもりなのだろうか。
は空中で人型になりを抱えたままふわりと着地する。
はこの優雅な着陸が何時見ても好きだった。
流石飛行タイプの身のこなしだな、と何となく覚え始めたこの世界の律を思う。
魔法という概念のないこの世界は、代わりに科学という概念で成り立っているそうだ。
と、いってもを始め、フリーザーもサンダーも然程人間の世界に明るい訳ではなかったので、あまり詳しくは知らないけれど。
ただ、お金というものの概念は全く同じであったので、こんな程度の共通点でもを非常に助けたのは言うまでも無い。
「ねぇ、・・・これからどうするの?」
「どうもこうも。この世界でお前に再会した時世界を教えてやるって言ったじゃねぇか」
「言ったね。だから?」
「だから、世界中旅行しようぜ。お前の世界じゃそーいうの常識なんだろ?」
この世界では兎角人間たちは一つの土地に縛られがちだ。
中にはポケモントレーナーになる等の理由で家を飛び出したり、定住を嫌う人間もいるようではあるが。
「・・・
『お前の世界では常識なんだろ?』この台詞がなんだか無性に嬉しくては目を細めた。
この世界の常識に縛られる事は無いといわれている気がした。
向こうに残してきた兄とその友人のことを忘れる日は来ないだろう。
中途半端な立ち位置にいるを、は全て受け入れていてくれるのだと思った。
「ありがと・・・」
思わずにぎゅっと抱きつく。
目の前の炎の目をした男が愛しくてたまらない。
それは同時に相手も同じだったようで、そっと顎を掴まれてやや強引に深くキスをされた。
「・・・っ」
柔らかな唇が触れ合う瞬間に、はなかなか慣れることが出来ない。
ちゅ、ちゅっと濡れた音がする度に頬が熱くなるのを感じる。
「っ・・・もう、こんな、・・・人が来たらどうするの」
僅かの後に解放されて、赤い顔でを睨みつけた。
「気にしなきゃいい。さてと、適当に寝るトコ探すか」
「!」
そういえば。
さっさと先を行こうとするの背を慌てて追いかけながらはますます顔を赤くした。
今夜はとたった二人じゃないか。
実はこの世界に来てからというもの、なんだかんだと二人きりには殆どなれなかった。
でも・・・今晩からは二人きり。
恋人同士が二人きりで一夜を過ごして何も無いなんてあるわけないじゃないか。
「ちょっちょっ、ま、待って!」
「ンだよ、変な声出して」
「ね、寝るトコって・・・寝るトコって・・・、あ、あたしたち・・・二人だよ!?」
「何意味のわかんねーこと言ってンだよ。ちゃんと分かるように言えよ」
不機嫌そうに振り返ったは口をパクパクとさせる。
「だ、だから・・・その、今晩からあたし達二人・・・じゃん?」
「おう」
「いや、だからあの、その・・・い、一緒に・・・寝るの?」
これ以上無いくらい赤い顔を俯けては消え入りそうな声でに問うた。
そんなを見た
何を心配しているのか合点がいって、意地悪そうな笑みを口許に浮かべる。
「・・・当たり前だろ。ここじゃ言えないくらいエロいこといっぱいしてやるよ」
の耳元に唇を近付けると、少しだけ下心が見え隠れするような掠れた声で囁いた。
「ひゃぁっ!へ、変な声で変な事言わないで!!」
そして、驚いて飛び上がるを素早く引き寄せて強く抱きしめる。
「お前もシたいだろ?」
「し、し、したいって!?」
きつく抱きしめられて逃げられないの胸の上にの好色な手が重ねられる。
ぎくりをして身を引こうとしても体は一向に動かない。
いやらしいタッチでの手がの胸の膨らみを確かめるように撫でた。
「こーいうこと、シたいだろ?」
「そ、そっそんなこと・・・!」
無いわけではないが有るわけでもない。
返事を出来ないでいると、の手が更に好色さを増しながら、緩やかに揉みしだいてくる。
「あっ・・・や、ンン・・・っ」
人影はないけれど、往来でこんなことをされて、変な気分になる。
「やだ、こんな、トコで・・・っ」
「・・・ヤベ、俺もう止まンねー・・・、ちょっとこっち来い」
「えっ、きゃぁっ!」
勢いよく草むらに引っ張り込まれた。
柔らかい葉が体に触れる。
時折硬い葉もあるらしく、ちょっとだけチクチクするときもあった。
覆いかぶさってくるに僅かながらの恐怖を覚えては逃げるかのように後ずざろうとする。
しかしその手をが強く掴んでおり、結局は殆ど動けてはいなかったのだが。
「ちょ、やだ、・・・止めて・・・!」
「どんだけ我慢したと思ってンだよ。止まンねーって」
荒い息での手がの服を下着ごと捲り上げる。
「きゃぁっ!ちょ、っやァ・・・っ」
「・・・可愛いぜ、
拒絶の言葉が出る前にはその唇を優しく塞いでしまった。
「ン・・・っ!」
クチュクチュと口の中をの舌が撫で回す。
嗚呼、どうしよう。
キスって気持ちイイ。
キスの合間に体を弄られるのは恥ずかしかったけれど、男性に体を触られているという事実は処女のにとっては興奮材料であった。
「あ、は・・・ァ・・・っ、、やだっ・・・!」
「何が嫌なんだよ」
言葉とは裏腹にの体が熱を帯び始めたのを見抜いて、は意地悪く笑った。
「気持ちイイ、の間違いだろ?」
そっと顔を上げて、衣服の乱れたを見下ろす。
羞恥で染まった頬、白い首筋、肌蹴た胸元。
「美味そうだ」
舌なめずりでの胸に顔を埋める。
荒い呼吸で浅く上下しているそこに、そっと唇で噛み付いた。
「ンっ・・・!」
痛くはないけれど、痺れるような甘い刺激に堪らずぎゅっと目を瞑る。
甘噛みを繰り返しながら、はそっと膨らみをなぞっていった。
滑らかな肌が触れてとても気持ちが良かった。
「ここ、スゲェ硬くなってンのな」
ぷちゅ、と唾液を含ませた唇で乳首に触れる。
「あァンっ!!」
敏感になっているところを刺激されては腰をしならせた。
ぬるぬると柔らかな舌が乳首をこね回す。
「やっ、あっ、やァンっ・・・」
断続的に下半身に甘い痺れが走っては腰を浮かせながら喘いだ。
初めての感覚だが、何だかアソコがじんじんする。
「はぁっはぁっ・・・、も、もう・・・」
「止めねぇぞ。気持ちイイだろ?」
「やっ・・・!」
乳首を口に含みながらスカートの中に手が入ってくる。
指先が、自分でも触れたことの無いようなところに触れた。
「やだ、・・・そんな、トコ・・・」
気遣うように、優しく指が上下する。
くすぐったい様な感触には身を捩った。
「いつもドコ触って気持ち良くなるんだ?」
「えっ、な・・・っ」
暗に自慰を示唆されての頬は真っ赤に染まる。
「あ、あたしそんなことしない!」
「したことねぇのか?じゃあ俺が教えてやるよ」
スゲェイイぜ、なんていやらしい表情で言う。
「ほら、ここだ」
「あっ!」
下着越しにある部分を捏ねるように触られてはビクンと震える。
「いきなり触ったら痛ェかもしれねぇからな・・・」
微妙な力加減でくにくにと指を動かされて。
「あっ・・・あぁ・・・っ」
「どうだ?イイだろ?」
「分かんない・・・っ」
苦しいのと痺れるのとが同時に襲ってくるようだ。
は荒い息で何度も腰をしならせている。
ひとしきりを喘がせた後、体を起こすと、の脚の間に体を移動させた。
「もっと良くしてやるぜ」
言いながらの下穿きを脱がせて、両足を肩に乗せてしまった。
「きゃぁっ!ちょ、ちょっと・・・!」
そんなことをされたらの大事な部分はに丸見えだ。
あまりの羞恥に頭が白くなるが、なんとかスカートを押さえて見られないようにしようという考えだけは働いた。
「こら、隠すなよ」
「かっ隠すわよ!!!」
自分でも見たことなんか、無いのに。
しかしは無情にそしていとも簡単にの手を取り払ってしまう。
抵抗はしたけど、どうにもならない。
スカートを捲り上げられてしまうのを諦めるしかなかった。
「スゲェ濡れてンな」
嬉しそうな声に、は両手で顔を覆った。
嗚呼セックスとはかくも恥ずかしい行為だったのだ、と。
しかしに休息は無い。
「!」
ゾロリと濡れた感触に、弾かれたように頭を上げる。
「あっ・・・!」
ぺちゃぺちゃと音を立てて、が舌を這わせ出したのだ。
「やっ、やだ・・・!汚いよ・・・!」
「お前に汚いトコなんてねぇよ」
「何、言って・・・あっ・・・あぁぁ・・・、あは、ァ・・・っ」
指で触られた時よりもぞくぞくと快感が駆け上る。
滑る舌先が丁寧にそして的確に愛撫しているこの感触。
「やっ、ダメ・・・っあっあっ・・・あああっ!!」
の体がぶるっと震えて硬直し、すぐに弛緩する。
鳥肌が立つような感覚だった。
「・・・もうイっちまったのか」
「イく?・・・これが、イくってこと、なの・・・?」
はぁはぁと荒い息でしどけなく四肢を投げ出していた。
体から力が抜ける、そして熱いものが溢れてくる。
「・・・こんだけ濡れてりゃ大丈夫だろ」
「え・・・?」
も荒い息でズボンの前を寛げ始めた。
あ、と思ったときにはの太く反り返ったそれが目に触れており・・・。
は青くなる。
「や、それ、無理でしょ・・・」
思わず快感の余韻も冷める気がした。
しかしは逃げ腰になるの腰を掴むと・・・、
「無理でも何でも俺もう我慢出来ねェし」
ケダモノの表情で、そう言った。
ぐっと腰を押し付けられて、先端が埋まる。
「ひっ・・・!」
の体が強張った。
「いいい・・・っつう・・・」
は腰を使って浅く出し入れしながらも進んでくる。
ぬぶぬぶと何かが埋まる感覚。
痛みで逃げようとする体をきつく抱きしめて、は深くと繋がろうと。
「うううっ、痛いぃぃ・・・」
「悪ィ・・・でも、もう・・・ちょっと・・・」
内壁とが擦れあって肉が引き攣るような。
「はぁっはぁっ・・・ああぁ・・・」
「入った、ぜ?」
「・・・」
の言葉に視線を下の方に移動した。
広げた自分の脚の間にの体があって・・・なんて卑猥な光景だ。
「う、あんま締めンなよ」
どうやらこの光景に反応してしまったらしいの体。
は苦笑している。
「もっと堪能させろよな」
「なっ・・・」
「とはいえお前キツそうだし・・・早めに済ませるか」
言うなり、の体をぐっと地面に押し付けた。
少し背中が痛い。
「動くぜ」
「え・・・あっ、あうぅ・・・っ」
ずるりと、体の中を移動する感触。
引き抜かれたかと思うと、深く埋まる。
入ったときほどの痛みはないけれど、同じところを擦られるのは少し痛い。
「んっ、うっ・・・ふうぅ・・・っ」
眉根を寄せて苦しそうな表情を浮かべる
「・・・う、ぁ・・・っあ、ふ、あ・・・っ」
ずんずんとお腹の奥を突付かれているようだと思った。
だけど、暫らくすると、何となく・・・。
「あっ、う・・・あぁっ・・・」
挿入の瞬間が何だか気持ちイイ・・・気がする。
「あっ、・・・やっ、あっ・・う、あ・・・っ」
僅かに滲む快感の色。
苦しそうな声の中に時折混じる甘い喘ぎ。
今回はこんなものかとは少し笑みを浮かべてスピードを上げる。
「はぁっ、・・・愛してるぜ」
「はっ、ぁ・・・あっ、あたし、もっ・・・ああっ・・・」
「く、ぅ・・・出す・・・ぞ」
壊れるんじゃないかと思うくらい何度も深く突き上げて、の中で達した。
どぷっと何かが溢れてくる。
は深く深く息を吐いた。
お腹の奥が熱く、体はぴくぴくと震えている。
気持ちイイというよりは痛かったし苦しかった。
でも・・・。
何だか満ち足りている。
は呆然と空を見上げた。
こんな外で、ケダモノのように愛し合ったと知ったらあの兄はなんて思うかな。
いや、この世界の兄達だって。
見下ろしてくるを見上げて微笑むと、そっとキスが降って来た。
柔らかな唇が触れる瞬間に幸せを感じる。

あたしは幸せです。



世界から愛を乗せて、この幸せが兄達に伝わる事を祈りつつ。









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色々と書きたい事はありましたが、とりあえず二人の初夜(?)が書けたので肩の荷がおりた気分であります。