「彼女」は屋根裏部屋の売春女。
あの日「彼女」に与えられて屋根裏に暮らす一匹のアブソル。
開かれていたのか
そこには元々3人の女がいた。
どれもこれも売春婦で若くて綺麗だったが、何処か憐れっぽかった。
その中の一人が俺の飼い主。
飼い主も不幸な身の上だったが俺もかなり不幸だった。
トレーナーに恵まれなかったばかりに俺はここ5年以上、まともにバトルをしたことがない。
ただただ飼い主に甘やかされ続ける日々。
あまりにも不幸すぎる。
救いは女が優しかったことと食い物に不自由しなかったことか。
俺は今晩も小さな火の無い暖炉の前に背中を丸めて座り込む。
隣の部屋では飼い主の女が男を咥え込んで鳴いているのが聞こえる。
聞きたいわけではない。
だけどモンスター故の聴力の良さがそれを許さない。
暖炉の前で俺は唇を噛み締めて、女の声を無視しようとしていた。
『あっ・・・はぁ・・・、あン・・・あぁぁ・・・』
聞こえない聞こえない。
こんな声は聞こえてないはずなんだ。
「っく・・・・・・はぁっはぁっ・・・」
なのに如何して。
俺はこんな事をしているんだ。
にちゃにちゃと耳を塞ぎたくなるような音を立てながら、こんな行為に没頭しているんだ。
『あっあっ・・・はぁ、ン、ひァ・・・っあっ・・・あぁ・・・』
「ダメだ、・・・俺、俺・・・」
飼い主の女――の鳴き声に合わせて必死で手を上下に動かす。
これがの手だったらどんなにいいだろうと思ってしまう。
既に頭の中はの感じている表情でいっぱいだ。
うっとりと俺のモノを握りこんで、嬉しそうに俺のモノをしゃぶって。
そして俺は彼女の中で。
「っうぁ・・・・っ!!」
そんな想像だけで反るほどに勃起した俺の先端から、白い体液が吐き出される。
びゅくびゅくと断続的に吐き出され続けるそれを呆然と見ていると猛烈に後悔するんだ。
「・・・また・・・やっちまった・・・・・・・・・・」
毎晩射精を終えるたびに罪悪感と後悔が俺の体を突き抜けていく。
そしてまた無意味に俺は心に決める。
明日こそはで抜いたりしない、絶対に・・・と。
だけど明日もに客が来れば嫌でも声を聞かされる。
俺は我慢できないだろう。
惚れた女の喘ぎ声が聞こえれば嫌でも想像してしまうし、嫌でも勃起してしまうに決まってる。
床に飛び散った精液の後始末をしながら俺は惨めな気分でいっぱいだった。
程なくしての客が出て行った音が聞こえた。
そしても服装を整えて俺のいる住まいに戻って来る。
「・・・あら。まだ起きてたの、コトハ」
少し乱れた長い金髪を掻き上げて微笑みながら現れた、飼い主。
「あたしお風呂入ってから寝るわね。アンタは先に寝てていいわよ」
「・・・何で。別に・・・待ってるぜ?のこと」
だってもっと一緒にいたい。
眠ってしまったら明日まで会えなくなるじゃないか。
「いいから。もう夜遅いし・・・ね?言うこと聞いて」
「・・・」
困ったような表情で俺に言う。
困らせているのは俺。
仕方が無いから渋々了承した。
まあいい。
ベッドで眠らずに待っていればいいんだ。
眠れなかったと言えばだって納得してくれる。
ごそごそとの寝台に潜り込み、俺はが風呂から上がるのを待つことにした。
・・・しかし。
待てども待てどもは帰ってこない。
不審に思いながらも俺は結局眠ってしまった。
きつい太陽の日差しが瞼を射ったのを感じて目が覚めた。
もそりと体を起こす。
隣には小さな寝息を立てるの姿があった。
何時の間に俺の隣に入ってきたんだろう。
起こさずに俺はの寝顔を眺める。
本当は早く起きて欲しい。
声を聞きたい。
でも、仕事が夜遅いを起こすのは忍びなくて。
穴が開くんじゃないかと思うほど見つめていたらが静かに寝返りをうった。
「・・・!」
思わず声を上げそうになって俺は咄嗟に口を押さえる。
「なっ・・・んで」
寝返りをうって俺に背を向けた。
その背が滑らかな肌を曝け出している。
何も着ていないんだ。
俺はまじまじとそれを見つめてしまった。
無意識に喉がなる。
触りたい欲求が湧いてくるもののそれをぐっと抑える。
だけど殆ど裸のがそこに横たわっているわけじゃないか。
思わず俺は股間を押さえた。
「やべ・・・」
朝だから、とか思わず心の中で言い訳する。
そんなことして何にもならないわけだが。
間抜けなことに俺は手を出すことも出来ず、半勃ちのままの裸の背を見つめ続けたんだ。
そしたら。
「・・・ぅ」
が身じろいで俺は思い切りビビった。
流石に半勃ちの間抜けな姿を見られるのは絶対嫌だ。
寝たふりをしようかと一瞬身構えたが、幸いは目を覚ますことは無かった。
その代わり。
「ゲ・・・っ」
がまたこっちに寝返りをうったんだ。
俺の方に向き直った形だ。
「・・・!!!」
俺はまた口を押さえる羽目になた。
だってこっちに向いたってことは裸の胸とかが全部見えちまうってことで。
ふるりと揺れるの形の良い胸だとかピンク色の乳首だとかが全部俺の目の前に晒されるってことで。
股間を押さえる手に力が篭った。
「マジで・・・やばいって・・・」
もう隠せないほどに勃起してしまっている。
焦がれ続けた女の体が目の前にあるんだ。
どくりどくりと鼓動が早くなる。
寝巻きの上から押さえた股間は張り詰めすぎて痛いほどだ。
無意識にズボンの中に手を入れてしまう。
いけない、よくない、ダメだ・・・と思うのに手を止めることが出来ない。
窮屈になったズボンから俺はモノを取り出して上下に扱く。
「っ・・・・・・」
畜生、オスってのはこんなもんだ。
大好きで大好きで大切にしたい女なのに、ただ素肌を見ただけでこうなっちまう。
初めて目にする大好きな女の体で抜くってのは如何なんだ。
だけど毎晩声を聞きながらそれを想像してオナニーしてる時よりも断然気持ちいいし、いつもよりでかくなってるし。
「ぅう・・・っ」
にちゅにちゅと音が立つのも気に掛けることが出来ないほど夢中で扱いた。
興奮しすぎておかしくなりそうだ。
息が荒くなって、ますます手の動きが早くなって。
ああ、もう少しだなんて。
そんな風に思っていたら。
「・・・コトハ?」
俺周辺の空気が凍る。
「あらあら、コトハったら。もうそんな年頃なの?」
「っ・・・・・・!!!!」
慌てて俺は後ろを向いた。
と、同時に顔が熱くなるのを感じる。
見られた。
嫌がられた?
軽蔑された?
猛烈な自己嫌悪感と後悔が沸き起こってくるが時は既に遅すぎる。
「っ・・・悪ィ・・・っ、でも、でも俺・・・っ」
が好きなんだって言いたかった。
だけど声が続かない。
何故かと言えばふわりと柔らかな何かが俺の背に抱きついてきたから。
言わずもがな、だ。
「いいよ、言わなくても」
優しい声で俺を後ろから抱く。
腹に回された手から温かなの体温が伝わってきてどきりとした。
「可愛いコトハ。あたしもアンタが大好きよ」
そう言って、の手が俺の股間をズボン越しに撫でた。
さっきので萎えかけていたモノにまた血が集まってくるのを感じる。
「いい子だからこっちを向いて?アンタにキスしたい」
そう言われても振り向けない。
今俺の顔はきっと真っ赤だ。
そしたらの手が俺の頬に当てられて、首をぐるんと回された。
「っ・・・」
見ないでくれと抗議しようとしたけど素早くの唇が当てられて声は無理矢理飲み込まされた。
ちゅ、と小さく音を立てての舌が俺のものに絡められる。
いいのだろうかと一瞬躊躇ったけど、徐々に深くなるキスに俺も応えようと必死での唇を吸った。
「んっ、んん・・・ふ」
何度も角度を変えてたっぷり味わって。
の唇が離れるころには俺の下半身はすっかり元通りだった。
それをの手がズボン越しに握りこんでくる。
「キスだけでおっきくしちゃって・・・可愛い」
「ぅあ・・・っ」
ちょっと待ってくれ心の準備とかそういうのが全く出来てねぇのに嗚呼畜生気持ちいい。
夜の専門家なは童貞の俺なんか男のうちにも入らないんだろう。
「あっ、ちょ・・・・・・っダメだ・・・俺・・・っ」
「ああ、凄く可愛い・・・いいのよコトハ。一回出しなさい」
何時の間にかの手が俺のモノを直に扱きあげていた。
好きな女に巧みに弄られて、見る間に射精感が高まっていく。
「うぅっ・・・・・・っ!」
いとも簡単に俺はイかされてしまった。
どろりと俺の精液で汚れた手を、は舐めている。
「ふふ、毎晩出してるのに濃いわね。楽しみ甲斐があるってものだわ」
見せ付けるように舐め取りながら俺の足の上に乗ってきた。
ぎしりとベッドがしなって、が俺に体を預けてくる。
「愛してあげるわ、コトハ。そして思う存分愛し合ったら・・・この屋根裏からあたしをさらって行ってね」
にこりと綺麗な笑みを向けて。
は俺に唇を押し付けながら抱きついてくる。
その体をしっかりと抱きとめた。
の言葉が夢ではないことを確かめるように。
「そうか。もうこの屋根裏の扉は開かれていたのか」
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と、言うわけで。
拍手リクエストのアブソルです。
今回アブソルの名前を考えるのに1時間程費やしてしまいました。
まったく、ポケモンの名前を考えるのは大変です。
ツバキはもう娼婦を書くならこの名前しかねぇなと思っておりましたが。
大分ヘタレっ子アブソルですいません。アブソルってどっちかていうとクールビューティーなイメージありますよね。
でも娼婦に飼われているネタを思いついてからはもうこんな風にしか見えません。