「あっちゃぁ・・・恋次の奴〜〜〜・・・」
箪笥の奥とか、蒲団の下とか
「前々から、汚いと思ってたのよねぇ」
改めては部屋の中を見渡した。
ほぼ同棲状態になってから結構経つが、未だには宿舎に自分の部屋を持っている。
と、言うのも恋次の部屋が大分散らかっているからだ。
私物を持ち込もうにもそれを許さない散らかり具合。
はどちらかというと適当な方ではあったので今までは気にせずにいたのだけれども。
では何故今になって気にしだしたのか?
それは同期で四番隊に所属している友達が、この度四番隊宿舎にある自分の部屋を引き払ったと聞いたからだ。
幸せそうに「彼氏と同棲することにしたの」という彼女がなんだか羨ましくて。
確かにもう殆ど同棲状態ではあるし、私物だって増えてきてはいる。
だけど!
だけどまだは「自分の部屋」も持っているのだ。
どうも同期の友達に先を越された気がしてならないし、とても羨ましくなって。
この際非番の日に恋次の部屋をいっさいがっさい綺麗に片付けて部屋を引き払ってやろうと勝手に目論んだ。
丁度本日非番のため、部屋の主に断りも無く部屋を片付けようとしていたのだった。
「っていっても・・・ホント何処から手をつけようかな・・・」
とりあえず、は手近なところに落ちていた恋次の夜着やら私服やら、替えの死覇装やらをたたみ始める。
いつもは干したら干しっぱなしで、適当にが取り込んでたたみもせず一箇所に固めておく。
そうすると恋次がそこから新しい服を取って、汚れ物をが洗い・・・みたいな循環。
流石に結婚くらいにまで行き着けばもちゃんとしようとは思っている。
どうせ寿退職するつもりだ。
だけど今は恋次と一緒に十一番隊で楽しく虚退治をし、時には剣八やら一角やらに挑まれて。
毎日へろへろになるほど動いている。
その上夜には恋次に何度も挑まれる始末。
これじゃあ洗濯物がこんな扱いでも仕方の無いことと言えよう。
ぱさぱさと手際よく服をたたんで、ついでに汚れ物を洗濯機に放り込んだ。
「・・・あ、そうだ。洗い物しなきゃ」
昨日の夜と、今朝の分の食器が流しの中に溜まっている。
洗濯の間に片付けることにした。
ざかざか適当に洗って上げておく。
本当はふきん等で拭いて食器棚に入れておくのがいいのだろうが、そのまま自然乾燥してもらうことにした。
どうせ昼には一度、食事の為に恋次が帰ってくることが分かっている。
また使うのだからそのままにしておいて、乾いてなければ昼に拭けばいい。
「・・・ちょっと大雑把すぎかな」
女とはいえ十一番隊に所属しているような。
一般の女の子よりはやはり何処か適当で。
別に然程気にしているわけでもないけれど、それで振られたりしたら嫌だなと少し思った。
食器を洗い終わったは洗濯物を取り出して、干し始める。
「あは。恋次の死覇装、こうやってみるとやっぱおっきいな」
自分の死覇装と恋次の死覇装を隣同士に干してみる。
何処の新婚家庭だよ、とか自分で突っ込んで自分で照れてみたりして。
僅かに頬が熱くなったのを払うように慌てて残りの洗濯物も干す。
机の上を綺麗に整頓しようと引き出しを開けて見れば、引き出しの中の方が汚かったりして苦笑。
仕方ないので中も整頓してやってから机の上に放置されたものを入れる。
置きっぱなしで積み上げられていた本も本棚へ。
なまじ寝に帰るだけの様な部屋なのだが、出したら出しっぱなしが基本なので散らかるのだ。
ぐいぐい本棚へ本を押し込みながら時計を見上げた。
結構朝早くから掃除を始めたつもりだったが、もう昼になろうかと言うところ。
「・・・やば、そろそろ恋次帰ってくるかも」
残りの本をちょっと強引に詰め込んでは昼ご飯の支度にかかる。
魚を焼いたり味噌汁を作ったり、少し遅めに支度を始めたものの出来上がっても恋次は帰ってこなかった。
「おっそいな。現世でも行ってんのかなぁ」
しばらく待っては見たけれど一向に恋次の霊圧を感じることは無かった。
「仕方ない、掃除の続きでもして待ってるか」
は台所を立つと先程たたんでおいた服の前に来る。
「とりあえずコレだけでもしまっとこっと」
がたっと箪笥を開けては固まった。
「・・・何コレ・・・信じらんない」
恋次の箪笥の中。
そこには冬物だろうが夏物だろうがとにかく申し訳程度にたたまれて詰め込まれている衣服達の姿があった。
流石にこれは適当に詰め込んで済ませられない。
いくら適当なとは言え、せめて夏物と冬物くらい分けておきたいと思う。
「ったく恋次の奴・・・大雑把なんだからぁ・・・」
はぁ・・・と溜め息をついては恋次の服を箪笥から引っ張り出し始めた。
あらかた放り出しただろうか。
はふと恋次の服の間から何か服とは別のもがはみ出ているのを見つける。
「・・・ぅん?」
ずるっと引っ張り出して、溜め息が出た。
「あっちゃぁ・・・恋次の奴〜〜〜・・・」
見つけてはいけないものを見つけてしまった。
そんな風に箪笥や引き出しの奥などにしまわれ隠されるソレ。
そう・・・いわずもがなな春本である。
思わずはもう一度盛大な溜め息をついて。
「・・・・・・まだあるかな」
今しがた引っ張り出した春本を机の上に放り出し、何処か楽しそうに恋次の服を引っ張り出すの姿があった。
「やべー・・・遅くなった遅くなった」
ばたばたと焦ったように走っているのは恋次だった。
強力でデカイ虚が出たからと一角、弓親と共に現世に送り出されていたため遅くなってしまった。
いつもならとっくに自分の部屋に帰ってと食事をしている時間だった。
きっと自分が帰るのを待っているだろう恋人の元へ、必死で走る恋次。
宿舎の廊下もどたどたと足音高らかに走り、ぱぁんと自室の扉を開ける。
「!今帰ったぜ!!」
息を荒げながら大声で言った。
しかし返事は返ってこない。
「・・・??」
きょろきょろしながら部屋に入る。
台所を覗いたがの姿は無い。
しかし一応食事の用意は二人分されているのが目に入る。
「・・・まだあいつも食ってねぇってことは・・・待ちくたびれて昼寝でもしてンのか?」
ラップがされた魚や、伏せられた茶碗など。
用意だけはされているが、用意をした当の本人の姿が見えない。
「ー・・・?」
台所から呼んで見る。
すると、少し間が開いた後。
「・・・・・・・・・あ、恋次ー?おかえりー」
と、部屋の方から声がした。
なんだ、いるじゃねえか。
ちょっとほっとして恋次が台所を出、部屋へ続く襖を開ける。
「おう、何やってん・・・だ・・・?」
襖を開けた先。
何故だか服が散乱しており、恋次に背を向けたまま何かを読んでいるらしいの姿。
「お前、何やってんだよ・・・俺の部屋あんまり散らかすなよな」
呆れたようにいいながら恋次がを覗き込んだ。
そうすれば必然的にが一心不乱に読みふけっているものも何か分かるわけで。
「・・・!!!!!!!」
「散らかすななんて恋次に言われたくないよ〜・・・」
思い切り驚いている恋次には普通の返事を返した。
しかしそんなの言葉には耳もくれず、ばっと恋次の手がの持っている本を取り上げる。
「おっおまっ、なななな何見てんだよ!!!!!!!」
「・・・何って・・・・エロ本?」
「エロ本言うな!!!!!!!!」
真っ赤になって口をぱくぱくさせる恋次を見ては声を上げて笑う。
「あははは!!何よー、別に恋次は男なんだし一冊や二冊怒んないわよ?」
「っ・・・」
「さてと、ご飯にしよっか」
言葉の出ない恋次にはにっこりと笑いかけると台所の方へ向かった。
それに遅れて恋次もついていこうと、本を机の上に置こうとしてまた固まる。
そこには数冊の本が積まれていたからだ。
「・・・・・・・・・全部見つけられてるし」
泣きそうになって呟いて。
その上にもう一冊本を重ねる。
「・・・最低だ・・・」
あからさまに落ち込んだような恋次の姿。
しかしは手を緩めたりしなかった。
いつもより会話が異常に少なくなっている食卓で。
恋次が味噌汁に手をかけたのを見計らいこう切り出してみた。
「あーいうことしてみたいの?」
ぶほっと恋次が噴出す。
それを見た、またまた大笑いをして・・・むせる恋次にトドメの一言を放った。
「あーもう恋次可愛くて堪んない!!あたしもう昼ご飯いらないや!」
そう言うなりは席を立ち、机の下に潜り込んだ。
「は?ちょ、おい?」
突然妙な行動を取るに恋次は怪訝そうな顔をする。
そして胡坐をかいた足下を見た。
「えへっ」
ずるっとが恋次の足下から体を出してくる。
そのまま恋次の死覇装の帯を引っ張った。
「お腹空いてたらあたしのことは無視してお昼食べてくれていいからね」
「はァ!?」
無遠慮に帯を解き、袴をひっぱる。
「うわっ!!!阿呆か!なに考えて・・・っ!」
「え?エッチなこと」
「・・・っ!?」
素直なの返事に恋次は絶句した。
そんな恋次に構わずの手は恋次の下腹部を弄っている。
止めさせようと恋次の手がの手を掴んだのと、の手が恋次のモノを握りこんだのはほぼ同時だった。
「う、わっ」
握られた恋次の手から力が抜ける。
「うふ、抵抗しちゃ嫌っ」
上目遣いで可愛く言ってみたりして。
そうすれば恋次は何でも許してくれることをは知っていた。
確信犯的なの笑みにちっと舌打ちした恋次。
しかしの思惑に打ち勝つことは出来ず・・・。
「・・・ああ、畜生っ!好きにしろっ!!」
と投げやりに言い放つ。
はにんまりと笑った。
「恋次、大好き!」
そういって恋次の死覇装を更に脱がせる。
そして少し反応しかけた恋次のものを緩く上下に扱いた。
「っ・・・」
息を飲み顔を顰める恋次。
その表情にの体も熱くなる。
セックスの最中、よく恋次はに「エロい顔をしている」と言う気持ちが分かった気がした。
快感に耐えている恋次の表情は堪らなく色っぽい。
「恋次、可愛い・・・」
ぼそっと声に出して呟くと、は恋次のモノの先端に軽く口付けた。
「お、おい・・・」
「いいから恋次は黙ってて」
戸惑ったように投げかれられる言葉を遮って口付けたそれを軽く一舐めしてみる。
「うっ」
小さく恋次が呻き、ソレが質量を増した。
堪らず先端を軽く口に含んでみる。
ぺろぺろと舌先で鈴口を撫で、くびれを唇で緩く刺激した。
―――くちゅ、れろ・・・。
淫猥な音がいやに部屋に響く。
ちろりと見上げれば少し苦しそうな顔の恋次と目が合った。
「・・・そんな目で見んな・・・我慢できなくなっちまう」
ぼそっと恋次が呟いた。
我慢なんか、しなくてもいいのに。
は思ったが恋次を咥えているので喋るのは止めておいた。
その代わりにもっと深く咥え込んで恋次を責め立てた。
裏筋をなぞり、軽く吸い上げて先端に歯を立てる。
そうすると恋次のものはとろとろと涙を流して悦んだ。
「っは・・・・・・っ」
気持ち良さそうな恋次の声がをも気持ちよくさせる。
「イイ?恋次・・・」
「・・・あー、スッゲェイイ」
「あたしも・・・気持ちイイよ・・・」
拙い愛撫をイイと言ってくれるのが嬉しくて。
「ね、さっきの本で見たことしてあげる」
そう言っては浴衣の合わせ部分を広げた。
ふるっと震える胸が恋次の目の前に晒される。
そして豊満なそれで恋次のモノを挟み込んだ。
柔らかい乳房で上下に扱かれると、唇とは違う快感が恋次の腰を襲う。
「んっ・・・どう、かな。イイ?」
扱き上げながら先端の汁を何度も唇で吸い取った。
くちゅくちゅいやらしい音を立てながらは必死で恋次に奉仕する。
「うぁ、イイぜ・・・、すげーイイ・・・」
何時の間にか恋次の手がの肩をきつく掴んでいた。
そして心なしか恋次の腰が振れていることに気付く。
その動きが凄く卑猥なものに感じられて、は頬を赤くした。
恋次があたしの胸を使ってるんだ。
そう思うと堪らない気分になって、下着を濡らしてしまうのを感じる。
「恋次ィ・・・っあん、っあ・・・」
「うぅっ・・・も、ダメだっ・・・出ちまう、・・・・っ・・・!!」
胸の間の恋次のモノがどくりと脈打つのが感じられた瞬間。
「きゃっ・・・」
どぷっと先端から白濁した粘液が吐き出された。
それはどくっどくっと断続的に放出されて、の鎖骨や首、そして頬までもを汚していくのだった。
それから。
一発出した余韻に浸る間もなく、時計を見上げた恋次が慌てて新しい死覇装を引っ掴んだ。
「やっべ!昼休み終わっちまうし!!!」
先の射精で汚してしまった死覇装を脱ぎ捨て新しいのに袖を通す。
「あー・・・あたしも掃除の続きしなきゃ・・・」
どこかぼんやりとしながらも呟く。
イったわけではないので何処か疼いてしまう腰が重い。
だけど恋次に仕事をサボらせるわけにもいかないので何も言わず送り出すことにした。
「あ、恋次ー。昼ご飯中断させちゃったからさ、棚にお団子入ってるの持ってきなよ。詰所ででも食べてー」
力なくそれだけ伝える。
「おう!て言うかそのまま寝るなよ!!とりあえず服片付けとけよな!!」
「分かってるよ・・・」
どうせあれを片付けなければ今晩布団を敷けないのだから。
恋次は今すっきりしただろうがはそんなことはないので。
今晩しっかり求めるつもりだった。
「じゃあ行ってくっからな!!」
「はーい、いってらっしゃーい・・・」
ひらひらと手を振って恋次を送り出した。
嗚呼、服を片付けなくちゃ。
嗚呼、夜が待ち遠しいな。
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新婚みたいなノリで(死)
死神さんの宿舎ってどうなっているのでしょう。
うちは和風な部屋で、1DKか2Kくらいの間取りじゃないのかなぁと思っているのですが・・・。
因みに今回のは1DKのつもりで・・・。ダイニングテーブルはおこたみたいな、直に畳に座るタイプのつもりですが。