君にだけ、見せるよ




ボクは、生まれたときからエクソシストだった。
ううん正確には物心ついたときから、かもしれない。
気付けば黒の教団にいて、気付けば既にエクソシスト。
小さいときから悪魔を破壊し続けてきた。
そんなボクはいつしか女であることが嫌になった。
女であるが故に守られるなんて、そんなこと二度とあって堪るものか。
ボクは対等になりたかった。
守られるだけなんてもう絶対に嫌だ。
そしてその思いは、好きな人が出来てますます強くなった。





、まだ本読んでる・・・。そろそろ俺の相手して欲しいさぁ」
ボクのベッドの端で恨めしそうな声が立ち上った。
「貴方が気付いてないだけでボクはもう3冊読み終わったんだけど、ラビ」
「うぇっ!?マジ!?」
何時の間に!?なんて言ってボクの読んでる本の表紙を確認して。
タイトルが変わってる事を見て取ってあからさまに落胆の色を浮かべてベッドに突っ伏す。
「本はもう止めて俺と遊ぼ?」
「やだ。これ1年ぶりに出た新刊だもん。後でな」
そして視線を本に移した瞬間。
ボクの手に本は無くて、ただ自分の両手が広がっているだけだった。
「・・・ラビ」
「嫌さ。折角時間が合ったのに、の本読んでる姿を見てるだけなんて」
仕方の無い男だ。
呆れた表情を返すけど、それがラビに効いたことなんて一度も有りはしない。
本をベッドサイドのテーブルに置く。
栞も挟んでいないのになんてことするんだ。
ラビは少し苦笑を浮かべてボクの唇に触れた。
「怒った?でもが悪いんさ」
「大人気なく本を取り上げてしまうことは悪いことじゃないんだ?」
「俺と遊んでくれたら本はちゃぁんと返してやるよ」
な?
なんて言って、宥めるようにボクの頬にキスをする。
優しい手付きでボクの肩に手を置いて・・・体重をかけてきて。
そんないつもの始まり。
、何日会わなかったっけ」
「さぁ、忘れた」
「冷たいさー・・・。10日も会ってないんだぜ?俺達」
じゃあ10日前にしたってことだ。
ラビの唇がゆっくりとボクの唇を塞いだ。
ちゅ、と小さく唾液の絡む音が狭い部屋に響く。
「ん、む・・・」
優しく唇の隙間からラビが入り込んでくる。
絡め取られてボクの口の中にラビの味が広がった。
何度も角度を変えながらたっぷりとボクの唇を味わって、しばしの後離れる。
惜しむかのように銀の糸が唇を弱々しく繋いでいたけれど。
「・・・っ、は・・・しつこい」
「10日分さぁ」
口許を拭って睨みつけようと、ラビはこたえた様子も無い。
それどころか嬉々としてボクの服の釦を外し出す始末。
もう慣れたことだけど。
丁寧に一つずつぷちんぷちんと外されてものの30秒でボクのシャツは床に放り投げられた。
「っ・・・・・・、何でシャツの下何も着けてないんさ」
すぐ下に現れたボクの素肌を見て驚いたような表情を見せてくれるラビ。
だけど好色な視線が下心を隠しきれていない。
「別に・・・着替える間もなくラビが来たから、昨日寝たときのままだっただけだけど」
「なんでこんな無防備な格好で寝てるんさ!!俺と寝るときはいっつもいっつも完全防備の癖して・・・!」
「だって、わざわざ襲われるような格好する馬鹿いないだろ?」
「そんな闇雲に襲ったりしないさー!!」
おおよそ嘘になるだろう言葉を吐いてラビはボクの体の上に馬乗りになった。
顔を近付けてボクの耳に唇で軽く触れる。
「っン・・・嘘ばっかり」
体を押し付けられて、ボクの裸の胸にラビの服の感触とそれ越しに感じるラビの体温。
そして体を撫でる好色な手。
「はっ・・・ラビ・・・っ」
くすぐったいような手付きにボクが身じろぐと、嬉しそうに耳元で呟くんだ。
「可愛いさ、
耳に直接吹き込むような甘い声。
ぞわりと肌が粟立った。
「あ、あ・・・っ」
素手でボクの胸を覆う。
やんわりと形を変えるように揉みほぐされて体に力が篭った。
ああ、ボクはセックスが嫌いだ。
温かくて気持ちよくて幸せだけれど、嫌いだ。
ボクはいつまで経っても受身なんだ。
対等とは程遠い。
女になる瞬間に思い出してしまう、あの日。
「ラビ・・・嫌だ・・・っ」
あの日の今日。
ボクは。
「・・・あのなぁ、は気にしすぎさ」
「え・・・」
「今日だろ、分かってる。でも気にしすぎさ。確かに神田はお前を守ったけど、あれは別にが女だからって訳じゃねぇ」
思わず見上げた。
ラビは真剣な表情をしている。
「あん時まだも神田も幾つだったよ?神田の方が強かったんだ、守って当然さ。どうせ今なら本当に危なくなるまで守りやしない」
経験上で言ってるんだぜ!?とボクに念を押す。
「結局神田もも生きてるし気にすることないんさ。でもあの日からだろ?が助けも拒んで髪も切って。そんな風になったのは」
「・・・でも神田は痛かった。ボクが弱かったから」
「誰でも失敗の一つや二つしてるさ。そこまで完璧にならなくってもいいんだぜ?」
ラビの真剣な表情が和らいだ。
ふわっと笑って見せるその表情。
「そろそろ許してやれば?」
「・・・」
ここでうんと言えるのが可愛い女なのだろうか。
ラビもそういう女が好きだろうか。
だけどボクは首を横に振った。
もう許す許さないの問題じゃない。
・・・」
「違う。もうボクの中で許すとかそういう問題じゃないんだ。ある意味でボクの生きる道になってる。ボクはもうこのやり方を変えることなんて出来ない」
ボクの代わりに誰かが傷ついたことも忘れない。
もしこの生き方を変えて誰かに代わりに傷ついてもらうような道を選んでいくなら。
それこそボクはボク自身を許せない。
「だから、こうしよう?」
「え」
ボクはゆっくりラビに腕を伸ばして抱きついた。
しっかりと離れないように強く強く。
「え、えぇっ?!?」
「この時だけ、ボクは女の子に戻るよ。ラビとこうする時だけ。それくらいなら、ボクも許せると思うんだ」
照れ隠しに少しだけ笑ってボクはラビに軽く口づけた。
驚いた表情で一瞬固またラビだけど、すぐに気を取り直してボクを見た。
「そりゃ、イイ考えさ。わざわざ他の奴等にの可愛さアピールしなくてもいいしな」
にやっと笑って改めてボクを抱きしめてくれる腕。
一生受け入れられないものかと思っていたけど、こんなにも居心地がいいとは思わなかった。
ゆっくりとラビの唇が重なる。
胸が痛いくらいに鼓動が早い。
こんなにもボクの女の部分がラビを欲しがってるんだ。
本当は気付きたくなくていつでも押し殺していたけど、今日限りそれはお終いにしてしまおうと思う。
「っラビ・・・」
ラビの手がそっとボクの胸を覆った。
「っ・・・」
思わず声を上げそうになって息を飲む。
だけどラビの手は止まらない。
体重をかけられてシーツの中に沈められた。
覆いかぶさってくるラビはボクの首許に顔を埋めて唇で首筋を辿る。
「ン・・・!」
くすぐったいなと思っていたら軽く肩口を甘噛みされた。
僅かな痛みが軽い刺激になってボクの体を抜けていく。
そのまま唇を辿らせてラビはボクの胸に顔を埋めた。
「んぅ・・・っ」
ラビの唇がゆっくりとボクの胸を辿っていく。
そしてぷくりと尖り始めた頂点で止まると、舌先でそこを軽く突付いた。
「はぅ・・・っ、ラビ・・・あン・・・っ」
温かく濡れた感触がねとりとボクの胸の上を這い回って。
敏感なソコを執拗に舐めれて堪らずボクの体が跳ね上がる。
軽く歯を立てられ、ボクの腰に甘い痺れが走った。
「あっ・・・はぁっはぁっ・・・ラビ、やぁ・・・ダメ・・・」
「嘘はダメさ。気持ちイイんじゃん?」
にやりと笑ってラビの手がボクの膝を撫でた。
ああ、嘘だろう。
何時の間にかボクは膝を立ててラビの腰にしっかりと縋っていたなんて。
強請ってるようだ。
ボクの頬がぶわっと熱くなった。
「ん?どした?」
真っ赤になったボクの頬にラビの指が添えられる。
ヒヤリとした感触でボクの頬を撫でている。
「今更照れなくてもいいさぁ」
「違っ・・・照れてなんか!」
ただ自分の切り替えの速さにはしたなさを感じてしまっただけだ。
・・・それを照れるというのかもしれないけれど。
するりとラビの手がボクの太股を撫でた。
そして片手で器用にボクのホットパンツのトップボタンを外してしまう。
「あっ・・・!」
気付いたときには既に下着ごとホットパンツを下ろされてた。
「ちょっ・・・ラビ・・・!!」
「だって今日の可愛すぎて俺も我慢出来ないんさ・・・」
ぐいってボクの足を押しのけて押さえつけるラビ。
ボクの目の前で思わせぶりに指先を舐めて、そっとボクの足の間に触れてきた。
「ひゃぁっ・・・!」
少し無遠慮にボクの溝を押し分けてぐじゅりと指先を埋め込んでくる。
思わず逃げ腰になったけどラビに押さえつけられて逃げることは出来なかった。
「やっは・・・ぁあ・・・っン、あっあっ・・・ああ・・・っ」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立ててボクの中を探るようにラビが指を動かしている。
も何だかんだ言って期待してンじゃん。これならすぐにでも大丈夫さぁ」
ずるりとボクの中から指を引き抜いてねっとりと濡れたそれを舐め取りながらラビが笑った。
ごそごそとラビも服を寛げてるかと思ったら。
「んじゃ、いくよ?」
すぐにボクの下腹部に熱い塊が押し付けられて・・・。
「んうっ・・・!」
一呼吸の後に鈍い圧迫感が。
だけどしっかり準備の出来ていたボクの体はそれをいとも簡単に飲み込んでしまう。
「はっ・・・っラビ・・・あっあはぁ・・・っ」
「うぅ・・・、くぅ・・・最高・・・っ」
少し苦しそうな顔でラビはボクに思い切り腰を進めてきた。
ずぅんとボクの中に深く深く。
「はぁっはぁっ・・・ラビ、ダメ・・・そんな激しっ・・・!」
「ごめん・・・でも、止まんないさ・・・っ」
ぎしぎしと盛大にベッドを響かせてラビは乱暴に的確にボクの中を擦るから。
行為の足跡を辿るかのようにボクは声をあげて。
「はぁっ、ダメ・・・っ、イ・・・イっちゃ・・・あっ、あぁぁっ・・・!!」
いつもよりも随分と早い絶頂の波に飲まれるまで時間は掛からなかった。


「・・・えーもう服着ちゃうんかー・・・?」
「さっきも言ったけどわざわざ襲われる格好する馬鹿はいないだろ」
床に放り投げられた服を拾い上げボクはきちんと着込んで行く。
勿論下着もちゃんと着けて、シャツを着た後はネクタイも締めて。
「俺は別にになら襲われてもいいもんねー」
だからもう一回しない?とへらりと笑う。
ああ、ほんと馬鹿だなぁ。
ボクはベッドの脇に置かれた本を取り上げて、ベッドの端に座った。
「・・・読み終わったらもっかい付き合ってやってもいいけど、邪魔したら出てく」
そういって本の文字を辿りだす。
横ではラビが暇そうにベッドに伏すのが見えた。














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作り置きで・・・すいません・・・。