※闇遊戯の名前表記がユウギになっております。





拝啓、全世界の恋人同士の皆様





拝啓全世界の恋人同士の皆様。
貴方達は週末を如何過ごすのですか。





あたし達は色気もへったくれもない週末を過ごしております・・・。



「休みの日までゲーセンこなくてもいいんじゃない・・・?」
ていうかデートのはずなのに何時の間にか城之内がいるってどいうことかしら。
どっから嗅ぎ付けてくるの、このユウギの犬!!!
だけどそんなあたしに二人は気付きもしなくってクレーンゲームやってるし。
しかもユウギ上手いし。
「ほら、。やるよ」
ぽいっと放られた黄色いネズミのぬいぐるみとオレンジの鳥のぬいぐるみ。
・・・別に欲しかったわけじゃないけど、ユウギがくれるものなら結局どんなものでも嬉しいのよね。
嗚呼あたしってばなんて健気!
「ねぇ、ユウギ。どうせならあれ取ってよ、あれ」
あたしはおかしがくるくる回ってる台を指差した。
山積みになったガムやらチョコレートやらが危なっかしく淵のところで落とされるのを待ってるやつ。
「はは。らしいな。いいぜ、とってやる」
「また太るな、!」
「あたし太ってなんか無いわよ!!もう城之内にはあげないからね!!」
城之内とぎゃんぎゃん喋っている横でユウギはゆうゆうとそれをざらざら落としていった。
すごいすごい〜!!
「取れたぜ。とりあえずその袋の中にいれとけよ」
「うん」
さっき買い物しといて良かった。
お菓子をざらざらその袋に入れて、その中からあんまり好きじゃないお菓子を2種類6つ選んで城之内に放った。
「あげる」
「おっ、マジで?なんだかんだ言って優しいじゃん!サンキューな!」
あたしが適当に投げた6つのお菓子を全部ちゃんとキャッチして礼を言う。
でもあたしそんなに優しくないから。
優しいのはユウギにだけだから。
それすら気付かないのよね、このユウギの犬は。
その後もしばらくゲーセンうろついて、帰りに杏子のいるハンバーガーショップに行って夕ご飯食べながら杏子冷やかして帰るって言ういつもとホント全く同じな週末。
今日本当に土曜だっけって思っちゃう。
制服着てないのが唯一それを証明してるみたい。
「ねぇ、この後どうするの?」
ぶらぶらと、でも確実にユウギの家に向かっている3人の足。
「遊戯の家行こうぜ!いいよな?」
「ああ、全然構わないぜ!」
「・・・(やっぱり)」
拙い・・・。
このまま行けば城之内まで遊戯の家についてくることになって、またしても邪魔されちゃう。
仕方ないな。
あたしは何とか二人っきりで過ごすために強力な助っ人を使うことにした。
さっと携帯をとりだしてメールをうつ。
誰にって?
ふふ、あの子よ。
城之内の弱点といえばもうあの子しかいないでしょ。
メールを打って程なくしたら城之内の携帯に電話がかかってきた。
「お、悪ィ。・・・どうしたんだよ、静香」
あたしはこっそりとほくそ笑んでその様子を見守る。
しばらく静香ちゃんと話してた城之内は電話を切った後あたしたちにこういった。
「悪ィ!俺帰るわ。なんか静香の奴具合悪いらしくてよー」
城之内の奴は踵を返すと「じゃあなー」と言って走っていった。
そんなに心配なのか、このシスコンめ。
まあ今までの静香ちゃんの状態考えれば過保護にもなるか・・・。
ふふ、でもこれで邪魔者は撃退したわ。
埋め合わせのハーゲンダッツだって安い安い。
トリプルだって奢っちゃうってモンよ!
「大丈夫なのかなー、静香ちゃん」
「心配なら明日見舞いにいったらいいんじゃないか?」
「う、うん。そうだね」
適当に笑っておいた。
そのまま歩いていると、急にユウギが方向を変える。
あれ?そっちは遊戯の家じゃないよ。
「どしたの、ユウギ?」
「・・・送る」
「え?」
ちょっと待ってよ。
送るってどういうことよ。
何の為にあたしが犬を撃退したと思ってるの。
「なんで?遊戯の家に行くんでしょ?」
あたしが言ったらユウギはちょっと困った顔をした。
何で何で?訳分かんない。
「城之内君も帰っただろ?だから今日はこれで・・・」
「ちょっと待って」
あたしはユウギの言葉を無理矢理遮った。
ていうかまた「城之内君」なわけ?
あの犬も何処まであたしの邪魔すれば気が済むのよ。
「なんでそこで城之内が出てくるの?ユウギはあたしと同時に城之内とも付き合ってるって訳?」
「・・・なんでそうなるんだ」
あ、ユウギ呆れた顔。
あたしも自分で言ってて想像しちゃった。
気分悪い。
だけど口が止まらない。
「だってそうでしょ。二言目には城之内君、城之内君って。今日だって誘ってくれたから嬉しかったのに、何時の間にか城之内いるし・・・っ、寧ろあたしが二人の邪魔してるみたいだし!」
・・・。
言っちゃった・・・みたいな?
あたしの言葉にユウギは固まってるし、あたしはあたしでどうしていいかわかんないし。
しばらく気まずい沈黙が流れた後、それを先に破ったのはユウギだった。
「・・・
「何よ」
可愛くない返事をしたあたしの腕をぐっと掴んで、思い切り引っ張られた。
「きゃ・・・っ」
転びそうになりながら何とか体勢を保ってユウギに追いすがる。
「ちょ、ちょっと、ユウギ・・・っ!?」
「いいから、黙ってついて来い」
う。
怒らせちゃったかな。
ううんでもあたしの気持ちに気付かないユウギも悪いの!
あたしはユウギにずるずると手を引かれ、遊戯のお家まで連れて行かれた。
もうお店は閉店してて、いつも店先に座っているおじーちゃんもいない。
暗い店内を抜けて階段を上がった先にある遊戯とユウギの部屋へ連れ込まれて、ユウギはあたしに背を向けたまま静かに部屋の扉を閉めた。
「・・・、教えてやろうか。何故今日城之内君を誘ったか」
背は向けたままで、ユウギはさっきよりちょっと穏やかになった声音であたしに言う。
「・・・うん」
教えてくれるなら教えて欲しい。
でも二人きりになりたくなかったからとか言われたらショックだな。
少し間をおいてユウギがくるりとあたしの方を振り返った。
・・・ん?
なんか、顔赤いよ?
「・・・二人でいて・・・手を出さない自信がなかったんだよ」
「ほぇっ?」
「なのにお前があんな可愛いこと言うし・・・嗚呼、クソ、言わすなよなっ、こんなこと・・・!」
照れたように顔をそらすユウギ。
「あ・・・あはは、そう、だったの・・・なぁんだ・・・!あはははっ。照れてるの?ユウギ可愛いっ」
「うるさい!」
あぁそういうことか!
愛されてないわけじゃなかったのね。
如何しよう凄く嬉しいかも。
あたしはちらりとユウギの部屋の時計を見た。
まだ9時を回ったところか・・・、よし。
「ねーユウギ。あたし今日ユウギん家泊まるから!」
「はぁ!?なっ・・・お前何言って・・・」
「ちょっと黙って。家に電話するから!友達の家って言うから静かにしててね。・・・えーっと・・・・・・・・あ、もしもしお母さん?」
素早く電話したあたしの勝ちよね。
策士のユウギが何かを言う前に行動しなくちゃ。
あは、男の子の家に泊まるのなんて生まれて初めてだわ。
ぴっ、と電話を切ったあたしになにか凄く言いたそうなユウギ。
「何?何か文句ある?」
「・・・俺は責任取らないからな」
ちっと苦い顔で舌打ちして、ユウギはあたしの体を抱き寄せた。
勿論これから起こることだってちゃんと理解してる。
それでも全然いいの。
ユウギといちゃいちゃ出来るなら、処女でも何でもあげちゃうわ。
ちゅっと、唇を押し付けられた。
嗚呼キスくらい何度もしたことはあるけど、こんなに変な気分になるのは初めてかも・・・。
何ていうか・・・足が震える。
「んっ・・・ふ、ユウ・・・ギ」
頬が熱い。
ユウギを見たらにやっと笑ってベッドを指差された。
大人しくその淵に腰を下ろす。
軋むベッドの音がやたら大きく聞こえてどきりとした。
初めてだからどうしていいか良くわかんない。
とりあえず上に乗ってきたユウギに任せることにする。
「ひゃっ・・・」
ふわっとユウギの手が服の上からあたしの胸に触れてる。
「やぁンっ・・・」
直に触られてるわけじゃないけどやっぱちょっと恥ずかしいかな・・・。
ちゅ、ちゅっと頬や首許にキスされてちょっと照れるし。
、好きだぜ」
小さな声で囁かれて、また深くキスされる。
くちゅ、と唾液の混じる音がしてユウギの舌があたしの舌を絡め取る。
「ふっ、う・・・ぅ・・・」
何度も角度を変えて求められて。
少し息苦しかったけどそれ以上に気持ちいい。
ぼーっとしちゃう。
そうやって呆けてたからユウギの手があたしのキャミの中に入ってきたことに気付くのにさえ数秒かかって。
ずるりと下着をずり上げられてようやく気付いた。
「あっあっ・・・やっ・・・ン!」
ユウギの手があたしの胸を優しく揉みしだく。
あぁっ・・・は、恥ずかしい・・・っ。
体を捩って逃れようとするけど、ユウギは許してくれない。
更に指先で乳首を捏ねられて、あたしはもう息も絶え絶え・・・。
「はっあっ、あァ・・・っ」
まともに声なんか出ない。
荒い息を繰り返すだけで。
そしたらユウギの手が今度はあたしのキャミを捲り上げちゃう。
「やっ、ちょ・・・あっァ、あぁぁぁ・・・っ」
「ふっ・・・可愛いな、。気持ちいいだろ?」
えーん、恥ずかしくてそれどころじゃないし。
確かにユウギにされてると、こう・・・下半身がきゅんきゅんしちゃって疼くんだけど。
それだけでイけちゃいそうだったりなんかはするんだけど・・・!
「や、恥ずかし・・・っ、見な、いでぇ・・・っ」
「それは無理な相談だな」
腕でとりあえず顔を隠してみたりなんかして、でもユウギの手は止まらない。
それどころか唇が胸の上辺りに感じられるんですけど・・・あぁん、待って待って!
ちゅ、と小さく音を立てて鎖骨よりも少し下の方をきつく吸われた。
それを何度か繰り替えされて気付く。
「ン、ちょっと・・・跡・・・つけたでしょ」
「見えないから平気だろ?」
「もうっ・・・体育までに消えなかったらどうしてくれるのよお・・・っ」
「責任は取らないっていったはずだぜ?」
馬鹿馬鹿ぁ。
それはそうだけど、もっとやりかたってものが・・・。
「あっあはァ・・・っン」
抗議するより早く、ユウギの舌があたしのあちこちに触るから喘ぎで声が掻き消されてしまう。
ズルイんだから。
小さく音を立ててユウギの唇があたしの乳首に触れた。
ぺろぺろと撫でられると恥ずかしいくらいに感じちゃう。
胸、弱いのかな。
「あっあぁっ・・・スゴ、イイ・・・っ・・・イイっ・・・!」
舌先で撫でられたり、捏ねられたり。
おかしくなっちゃいそう。
そんなあたしにお構い無しでユウギの手がミニスカートの中に入ってくる。
「あっ、ちょ・・・っ」
するりと下着の中にユウギの手が入ってくる。
自分でも殆ど触ったことのないような場所を触られてあたしの頬は一気に熱くなった。
「やぁんっ、待って・・・!!」
「無理だ。待てないな」
耳元で囁かれるその非情宣言は、だけどユウギの声もなんだか凄くエッチな声。
あたしに対してそうなってくれてるんだと思った瞬間、また下半身がきゅうんとする。
「ユウ、ギ・・・?・・・っ!あっやっ、あぁぁぁンっ・・・!」
なんの前触れも無くユウギの指があたしの何かに触れた瞬間。
物凄い衝撃って言うか電気みたいな物が腰を突き抜けて行って。
軽くあたしの体が痙攣したかと思うと、そのままブラックアウト。



「えへ、ゴメンネ。ユウギ」
初めて絶頂を感じたあたしはあのまま2時間ほど気を失っちゃって、ユウギに思い切りお預けを食らわしてしまった。
でもほら、今日は土曜日。
まだ週末は始まろうとしているところ!
まだまだ時間はあるでしょう?





拝啓全世界の恋人同士の皆様。
貴方達は週末を如何過ごすのですか。

あたし達はラブラブいちゃいちゃで過ごしたいと思います!














============
と、言うわけで。
拍手リクエストの闇遊戯夢ですが闇遊戯別人です、そっくりさんです(ぇ。
気に入っていただけるのか微妙なヒロインになってしまいました;;
決して私自身が城之内を嫌ってるわけではないのですが。
時期はまあ静香がいるので、バトルシティ(だっけか?)が終わってからですね、多分。
エロでも大丈夫と言っていただきましたですよ。ありがたいです。プラトニックの方が苦手だし。
・・・とかいいながら寸止め見たいな感じですが。すいません、もう処女書くのは飽きました。処女無理だ。
でも闇遊戯意外に難しくて、これ実は3チャレンジ目です。
後の2作はちゃんと仕上げてまた今度アップします。
ところで気付いた人はいるでしょうか。序盤でユウギが取ったぬいぐるみがピカチュウとアチャモだということを・・・(笑)