温泉へ行こう☆











「はぁ・・・寒くなってきたねぇ・・・」
季節はもう年末に差し掛かり始めた頃。
夏のギラギラとした日差しが緩んで漸く過ごしやすくなり始めたと思ったばかりだったのに、もう朝晩は震えるほどに冷え込むようになった。
「さっき小さいヒノアラシ抱っこしてる人温かそうだったね」
「・・・・・・・・・・そんなあてつけがましい目で見るなよ。どうせ俺は小さくもないし温かくもないけどよ」
「別にのこと言ってんじゃないわよ?」
にこりと笑って言うが、しっかりとコートを着込み手袋まではめた手はに触れようともしない。
夏場であった2、3ヶ月前なら頼みもしないのに抱きついてきたりしていたというのに。
「あ、そうだ!この際さ、しばらくトレーナー業休業して温泉とか行こうよ!!」
「・・・・・・お前いつもいきなりだよな・・・」
「やだな、そんなに褒めないでよ。じゃあ決まりね!今からフエンタウン行こっか」
「・・・褒めたわけじゃないけど」
諦めたように呟くを尻目にはごそごそと財布を漁った。
丁度ジムを突破したところでお金には余裕があるし、少しゆっくりするのも悪くない。
「ま・・・最近はずっと休んでなかったからいいんじゃねぇ?」
「でしょ?さ、行くわよ!!」
はぽんとボールから飛行タイプのモンスターを出し、その背に乗る。
空を飛ぶための秘伝マシンを手に入れてからと言うもの、の出番は減った。
だって空を飛べばモンスターに出会うことも無く一瞬で街へ移動できる。
海を渡るよりも便利で早い。
都合よく便利に使われたいとかそういうわけじゃないけれど。
やっぱりお株を奪われるのはあんまり嬉しい状況でもないわけで。
「ほら、行くよ。早く入って」
のボールを差し出しては急かした。
一瞬の間を置き、は黙ってボールに入る。
そして暫らくして外に出された時には既に温泉のある宿の部屋であった。
今まで泊まってきたホテルとは全く違う、和風の部屋だった。
「・・・なんか・・・俺が想像してたのと違うな。・・・これ、何処で寝るんだ」
見回してもベッドが無い。
それどころかソファすらない。
はなにやら小さな分厚い敷物の上に座っているし、そういえば床は絨毯なんかじゃないし。
「そっか、畳は初めてだっけ。うちの家もベッドとソファだったもんねぇ」
所在なさげに突っ立っているに笑みを零しては座布団から立った。
「ま、畳はそのうち慣れるわよ。床に座るのもね。それより温泉行こ。ポケモンも一緒に入っていいところがあるんだって」
そう、当初の目的は温泉。
意気揚々との手を握りは部屋を飛び出した。




と入れるなんて、やっぱ一番大きな旅館にして良かった♪」
渋い顔をしているの隣ではブラウスの前を開く。
それを見たは慌ててそれを押さえて。
「待て!・・・やっぱあっち行こうぜ、一緒に入れなくてもいいから」
「何でよ。今日は温泉入るために来たんでしょうが」
「混浴なんて聞いてない!!お前な、他にも客がいたらどうするんだ」
「大丈夫よ。どうせおじーちゃんとかおばーちゃんばっかりだって。こんなとこ若者の来るところじゃないもん」
けらけらと明るく笑うがが心配しているのはそんなことではない。
確かに普通に人間だけが入っている温泉ならばそうとも言えよう。
しかしここはポケモンとも入れる温泉である。
入っている人間が老人であったとして、その者達が持っているモンスターは果たして老人ばかりであろうか?
・・・そんなはずが無い。
元々ポケモンは一定年齢になれば外見が変わらなくなる。
その後進化等で外見の変わるものもいるが肉体的には死ぬまで殆どの変化は無い。
それは恐らく何処までも戦うために生まれた特性なのだろう。
だから、今此処で温泉に誰かがポケモンと入っていたら?
はそれが嫌なのだ。
百歩譲って雌なら良い。
だけど雄がいるのは絶対嫌だ。
「・・・」
「・・・・・・もう・・・分かったわよ。がそこまで言うなら・・・」
「え・・・」
ブラウスを掴むの手をそっと外しては服を着たまま温泉へと続くドアを開けた。
の目の前に広がるのは広い露天風呂。
だけどがらんとしていて人気は無く、何となく寂しい感じもする。
「ほら、。見てみなよ、誰もいないよ?これならいいでしょ。で、誰かが入ってきたらすぐにあがればいいじゃん。ね?」
「・・・」
、いいでしょう?」
まだ釈然とはしないものの、喧嘩になるのも嫌なのでは小さく頷いた。
それには折角楽しみにしていたのだし、自分の為にわざわざポケモンと入っても大丈夫な温泉を探してくれたのだから。
「よし、じゃあ誰か来ないうちに早く入ろ♪」
にっこりと笑っては今度こそ、服を脱ぎ始めた。
観念したも上着を脱ぎ捨てる。
誰が入ってくるかも分からない脱衣所でこうも無遠慮にぽんぽん服を脱げるものなのかと、多少閉口しながらもの体にきつくバスタオルを巻いてやった。
「取るなよ。絶対取るなよ」
「やぁね、心配しすぎよ。それに誰もいないんだから」
そう言って意気揚々と浴場へと向かうドアを開け放った。
やはり貸し切り状態の露天風呂は少し寂しいような気がする。
誰もいない岩だらけの湯船に近づき手桶に湯を掬った。
「うぅ、あっつぅ・・・」
外気で冷えた体に沁みるような熱い湯を被ってそろりと足を湯の中に沈める。
に習って湯に体を沈めた。
「熱いな」
「うん、でもそれがいいの」
「・・・広いな」
、波乗りしちゃダメだよ」
広すぎる露天風呂に二人きり。
のことだからもしかしたら波乗りをしろと言うのではないかと思っていたが少し驚いた表情をする。
「何よ、その顔。あたしだってやって良いことと悪いことの区別くらいつくよ」
心外だと言う風に頬を膨らませはそっぽを向いた。
「悪ィ、怒るなよ」
「別に怒ってないもん。・・・でもキスしてくれたらもっと機嫌よくなると思うけどな」
少し笑って言うは確かに怒ってはいないようである。
はわざと真剣な表情を作り、の肩を掴んだ。
ちゃんと湯に肩まで浸けていなかった為かひやりとしている肩。
「・・・っ」
肩を掴んだ手に力を込め、ゆっくりと顔を近付けて唇に触れる。
しっとりとした柔らかな感触。
小さく音を立てて何度も啄ばむようにその感触を確かめてから深く奪った。
「んっ・・・う」
優しく唇を押し開いてそっと舌が滑り込んでくる。
柔らかくて温かい味には少しだけ眉根を寄せた。
何時の間にか肩にかかっていた手はの腰に回され、しっかりと抱きしめられていた。
「は、ァ・・・ふぅ、ン・・・っ」
ゆっくりと混ざる舌先を味わいながら唾液を垂下し、何度も角度を変えて求め合う。
「ん、ン・・・っは」
思いの他本気のキスをされ、は少し抵抗するようにを押し返した。
、ちょっと・・・誰か来たらどうするつもりなのよ」
「はは、さっきと言ってることが違うぜ、
「・・・っ・・・だって」
意地悪く吊り上げられたの唇を睨み、はそっぽを向く。
自分から言い出したことだけにちょっと悔しくて。
「感じちまった?」
「ばっ・・・!そ、そんな訳ないでしょ!」
顔を赤くして視線を逸らすがにはちゃんと分かっている。
だって散々を抱いているのだ。
どうすればその気になるかだなんて恐らく本人よりも知り尽くしているのだから。
は気まずそうに視線を泳がせるの肩に腕を回した。
「後で幾らでも温泉入れるんだろ?部屋戻ろうぜ」
「・・・」
は返事をしなかったが、は勝手にの体を抱きあげた。
そして自身、それを拒むことは無かったのである。





「・・・戻ってきたのはいいけど・・・」
服を着るのももどかしく、簡単に浴衣を羽織っただけの姿で二人は部屋に戻ってきた・・・までは良かったのだけれど。
はすっかり失念していた。
ベッドが無い。
ソファも無い。
何処で抱けばいいのだ、何処で。
「仕方ねぇなー」
止む無くは座布団の上にを下ろした。
そしてその上に被さってもう一度唇を押し付ける。
「はぅ、んっ」
小さく呻いてが目を閉じた。
湿った音を立てて舌を絡ませあう。
「んっんっ・・・」
が鼻に掛かった甘い息を吐く合間に唇を舐めた。
柔らかくて、何故だか仄甘くて。
何度も角度を変えながら啄ばむようにしたり、深く口づけてみたり。
「んっ、は・・・ァ、・・・」
の手が既に着崩れてしまっている浴衣の前を開ける。
先ほどまで熱い温泉に浸かっていたその肌はピンク色をしており、温かい。
そっと下着を押し上げて温もりの残る胸に唇を押し当てた。
「あっ・・・」
ヒヤリとした唇の感触にピクンと体を反応させ小さな声を上げた。
舌先が滑るように胸をなぞっている。
――ちゅ、ちゅぅ・・・っ
「あ、はァ・・・ん・・・っ」
乳首をきつく吸い上げられて思わず声が漏れた。
恥ずかしいのにの頭を抱きしめるようにして求めるように背を浮かしてしまう。
・・・っ、あン・・・っはぁ・・・ぁ・・・」
押し付けられた胸に顔を埋め、に体を押し付けた。
夢中での胸を揉みしだき舌を這わせる。
髪を畳に散らし悶える
・・・可愛いぜ。お前のその顔堪ンねぇ」
荒い息では呟いて僅かにの肩に引っ掛かっていた浴衣を引き下ろし、緩く脇腹を撫でた。
「あっン・・・!」
くすぐったいようなぞわりとした感覚。
それと同時にの唇が乳首から離れてそっと腹を伝う。
髪が胸をくすぐる感触に震えながらちゅ、ちゅ、と体の上に優しくキスを落とすの唇を味わった。
「んん・・・っ・・・」
丁寧に臍を舐められて、下腹を撫でられて。
肌蹴た浴衣の合わせ目から立てられた膝が艶かしくの体を挟み込む。
そして催促するようにの膝はの腰を擦った。
「・・・なんだよ、もう我慢出来ないのかよ」
浴衣の合わせ目に手を入れてすりすりとの太股を撫でながらは笑う。
はただ恥ずかしそうに黙って視線を逸らすだけ。
太股を撫でていた手をすっとずらしての中心に指を伸ばした。
しっとりと湿った下着の間から指を入れれば、そこはもう期待に蜜をたっぷりと垂らしている。
「あっ・・・ンんっ・・・!」
無遠慮にずぶりと差し込まれてくるの指先。
「はぁはぁ・・・っ、・・・はぁっ、イイ・・・っ」
素直にの口から快感を訴える言葉が漏れた。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら指先を内部でかき回すように動かしてみる。
「やぁぁ・・・っはぁ、はぁ・・・っダメ、ぇ・・・はァ・・・っん!」
ぴくんぴくんとの膝が反応しては跳ね、その表情は苦しそう。
しかしは手を休めない。
「どうだ?イイか?」
「んんぅっ・・・イイ、いいのぉ・・・あはァ・・・もっと、もっと奥・・・ぅ」
良い所に当たるようで当たらない、そのもどかしさには腰を揺らした。
その様相には小さく息を飲んで体を屈め、の耳元に唇を寄せる。
「俺の、欲しい?奥まで・・・欲しいか?」
「・・・欲しい・・・の・・・欲しいの。お願い、入れて・・・入れてェ・・・」
首を縦に振りながら懇願する様子に満足げに笑みを漏らし、はゆっくりとの中から指を抜いた。
そしてそっと自らの浴衣の合わせ目を捲り上げる。
既に膨れあがっているソレをに見せ付けるようにして取り出し、何度か軽く扱き上げた。
「・・・じゃ、入れるぜ・・・?」
反るほどに勃起したそれをの足の間に押し当てて、笑いながらを見た。
早くしてくれと言わんばかりの様相のの頭の横に腕をつく。
そしてぐっと腰を進めた。
「・・・んうぅっ・・・!」
一気に打ち込まれる圧迫感には顔を顰める。
ねろりと絡みつく内壁には小さく息を吐いた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・、ん、あ・・・はぁっはぁっ・・・」
腰を掴んで思い切り突き上げる。
いつもならここでベッドが悲鳴を上げるところだけれど、生憎と今日は畳の上。
変わりにの荒くも甘い息遣いが耳につく。
「あぁっ、・・・すご、い・・・はぁっはぁはぁっ・・・イイ・・・!」
体を押し付けるようにしてより深く繋がろうと激しく腰を動かした。
その度にの内部はをきつく締め付ける。
込み上げてくる射精感を堪えて、知らず表情が険しくなった。
「はぁっ・・・、ぅう・・・俺もイイ、ぜ・・・はぁっはぁっ・・・最高だ・・・」
これ以上ないほど体を絡め合い快感を追う二人。
止められない腰を擦り合わせ卑猥な音を立てながら少しでも深く繋がろうと求める。
・・・っ、あたし・・・もうっ・・・!」
「俺も・・・出ちまいそうだ・・・っ」
荒い吐息を混じらせの最奥を突き上げた。
その瞬間の下腹がびくりと波打ち内壁を収縮させて硬直する。
「―――――っ!!!」
声にならない声をあげ、の背が仰け反る。
白い喉を無防備に震わせてきつくを締め付けた。
「・・・うっく・・・っ」
その刺激でもどくりと熱い体液をの中で放つ。
ふるりと体を震わせそれを全て受け止め、は少しずつ体の力を抜いていった。
「・・・はぁっはぁっ・・・もう一回・・・温泉入らなきゃね・・・」
呆然と笑みながらに言ったのだった。




「・・・地面で寝るのか」
あの後、もう一度温泉に入りなおしご馳走を頂いた後で仲居が敷いた布団を見てが呟いた言葉である。
の「ここで寝るんだよ」と言う言葉に呆然としながら。
「ベッドは・・・?」
「だから、これがベッドの代わりだってば。極東の文化だよ」
「・・・」
もそもそとが布団に潜り込むのを見て、それに倣ってみる。
だけど床が近くてなんだか落ち着かない。
「・・・なんか変な感じ・・・っていうかベッドより遠いし」
いつもならダブルベッドに二人で寝ているのだから。
「なぁ、一緒に寝ようぜ」
「えぇー・・・狭いよ」
「昼とおんなじだと思えば良いんだよ。来いって」
やや強引気味にを隣の布団から引っ張り出して腕の中に抱き込んだ。
成る程狭いけれどそのおかげでいつもよりもが近い。

「・・・ま、偶には温泉も悪くないな。朝もう一回ヤって温泉入ってから帰ろうぜ」











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と、言うわけで。
リクエストのラプラスです。
ちょっと軽い感じになっちゃいましたねー。ただのラブラブエッチが書きたかったんでこんな風になったのですが。
本当は水タイプってクールビューティーさんが多いと思ってます。
ラプラスなんかもうモロにそれなんですけど、クールビューティーさんは書きにくいんで敢えて今回のような感じにしました。
ぶっちゃけ意地悪兄さんが一番書きやすいんで・・・。水タイプは難しいです。
ところで寿命の話をこんな風に勝手に作ってしまいましたが・・・全部架基の作ったことなんで本気になさらないでくださいませ;;
でも架基のサイトではこういう設定で行きたいと思います(笑)