舌先の球体
「人間って変わってンなぁ」
「いいからっ、早く・・・早くぅぅぅっ!!」
怯えたようにぎゅっと目を瞑って早く早くと急かす少女を見下ろし溜め息を吐いた。
「・・・お前痛いのが怖ェんなら止めとけよ」
「いいの!、早くしてっ!!」
さっき開けたばかりの片方が痛いのか、それとも恐怖のためか目に涙を溜めて訴えてくる。
もうきっと止めるなんて言わないのだろう。
「・・・仕方ねぇな・・・いくぜ?」
「うっ・・・早く・・・っっ」
―――ガチン。
「〜〜〜っ、・・・はぅぅ・・・」
声にならない悲鳴と共にびくりと跳ね上がる体。
あ、今セックスの最後みてぇ・・・などと不謹慎な事を考えながら顔を顰めて言葉を失くしているを覗き込んだ。
「痛ぇか?」
「・・・さっきより・・・痛くなかった」
「なら良かったんじゃねぇの?」
やれやれとはピアッサーを机に置き顔を上げさせ刺さった耳朶を見る。
「暫らくして安定したら終わりだぜ。清潔に保てよ」
「はぁ・・・物凄いドキドキした・・・」
まだ顔を蒼白にしたまま呆然としている。
本当に人間と言うのは良く分からない。
怖がるくらいなら止めておけばいいのに。
「分かんねー、そんなにビビるくらいなら止めとけよ」
「う・・・、でも・・・ほら、これでお揃い、ね?」
の耳を指して微笑んだ。
その微笑みになんだか耳元の赤いラインストーンはそぐわない気もする。
「・・・どこがお揃いだ。俺のは右に5つ左に4つ、お前は両耳で一つずつ。全然違うじゃねェか」
「そう言わないでよ〜・・・5つもいきなり無理だもん」
ぷぅっと頬を膨らませての膝の上に乗ってくる。
の胸に頬を押し付け抱きついてくるが、はふとの言葉に違和感を覚えた。
「・・・お前それじゃあとでまだ開ける様な言い方じゃねぇか」
「え?だって開けるもん。その時はまた宜しく」
「・・・」
二の句が告げないほどに呆れてしまった。
痛い痛いと言いながら何故そこまでしたがるのか。
「・・・もう止めとけ」
はの真っ黒な長い髪を掴んで口許に持っていった。
結局今開けたばかりのピアスはそれに隠れて目立ちはしない。
それを無意味だと思うし、それに・・・。
「俺ァもう手伝うのは御免だ」
「何でー」
「・・・なんかお前傷つけてるみたいで嫌だ」
「!」
ぶすっとしながらは視線を逸らす。
のこういうことを素直に話してくれるところが、は凄く好きだった。
思わず頬が赤くなる。
「・・・じゃあこれっきりに・・・しようかな」
「おう、そうしろ」
絶え間なく髪を撫でながらは憮然と言い放った。
はそっと手を伸ばしての唇に触れる。
そこにも一つ、輪っかがついていた。
「・・・も、格好いいとは思うけどこれ以上増やしちゃダメだよ」
唇の輪っかをなぞりながらは言った。
「・・・いや、もう遅ェ」
「え・・・?」
にやりと笑んだが唇に触れているの指先をちろりと舐めた。
慣れた感触に異質な硬さを感じる。
「まさか・・・」
「へっ、昨日増やしたとこなんだぜ」
べろっと舌を出してみせる。
そこには銀色の丸い玉が刺さっているのが見えた。
まだ刺されて日が経っていない事を示すように、玉の周りが微妙に充血している。
「信じらんない・・・いつの間に・・・」
「昨日の夜だな。がピアス開けたいって言い出したからよォ、なんとなく俺も開けてみた」
「・・・なんか見てるこっちが痛い・・・」
「だろ?だからお前は止めとけ」
それはどういう理屈だ、とは言い返そうとしたが敵わなかった。
反論する前にに唇を塞がれてしまったからである。
「・・・っ」
唇を吸われ、そっと差し込まれた舌の感触がいつもと違った。
絡めあう舌が硬質な刺激を伴っている。
「ん、・・・は・・・」
硬い銀の玉が口腔をなぞる感触にぞくりとした。
これでいつものように体中を舐められたらどうなるんだろう。
「・・・ん、ン・・・ぅ」
そんな想像だけでは体が熱くなった。
はしたないとは思うものの、によってそうされた体はキスだけですら従順に反応してしまう。
「っは・・・、こんな昼間から・・・」
「いいじゃん。お前もコレで舐められてみてぇって思っただろ?」
にやっと笑って舌を出すの言葉にドキンとした。
そんなに顔に出ているのだろうか。
「お、思ってないし」
「嘘吐け」
慌てて否定した言葉を否定されてぐっと言葉に詰まる。
「う・・・嘘じゃないもん」
精一杯否定したが、は意地悪い笑いを浮かべたまま、もう一度顔を近付けてきた。
一瞬拒否しようか迷って、迷っているうちに奪われた。
唾液の絡む音がする。
条件反射で舌を差し込まれれば応えてしまうし、応えればは優しく更に求めてくれる。
「んっ、ん・・・」
お互いに絡ませあって、交換された唾液を飲み込んで。
「ん、く・・・ぅ・・・」
思わず抱きしめあった体に他の入り込む余地なんて何も無い。
ただただ無心に貪りつくして、ゆっくり離れたとき視線が交わった。
「・・・まだ否定すっか?」
「・・・・・・意地悪」
赤い視線に射抜かれればもう否定なんて出来るはずも無く、昼の日差しが差し込むソファに沈み込む。
明るいところでするのは初めてではないけれど、慣れない。
横たわるの体を、の手が弄った。
「や・・・っ、ん・・・」
ふにふにと軽く胸に触れられて身じろぎする。
くすぐったいような感覚。
だけどあの舌に触れられたらどんな感触がするのだろう。
ぐい、と無遠慮にシャツを捲り上げられた。
「・・・おい、ちょっと体浮かせろ」
「・・・」
下着を外したいのは分かるけれど、もう少し言葉があるだろうと思った。
だけど素直に従う。
だっての視線が少し獣になっているから。
続いてぷつんと胸が軽くなる感じ。
「ていうか俺といるときはこんなもんしちゃいけないんだぜ?」
の腕からシャツと下着を取り払いながら言う。
ぽいっと床に放り投げて、もの上に覆いかぶさってきた。
ちゅ、と軽く唇を押し付けてから胸を手で覆う。
「は・・・ン、しなかったら、いつ襲われるかわかんないじゃん」
「お前はいつでも何処でも俺に襲われていいんだよ。俺だけなら」
「・・・どういう理屈・・・っあァ・・・ん」
きゅっと胸をきつく掴まれて悲鳴のような声が上がる。
非難を込めた目ではを睨みつけるが全くこたえた様子が無い。
「なんだよ、俺のこと見つめてよォ。催促しなくてもすぐに良くしてやるって」
それどころかそんな都合のいい解釈。
自信たっぷりに笑い、はそっとの耳を舐めた。
「んっ・・・!」
まだ穴を開けられたばかりのそこに触れる温い刺激。
敏感になっているようでいつもよりもの舌を感じてしまう。
「痛ェか?」
「・・・痛くは・・・ないけど」
ふるりと長い睫毛を震わせているをは僅かに心配そうに見上げた。
そうかと小さく呟き唇で無防備な首筋を辿る。
「んン・・・っ、・・・っ」
の唇から熱い息が漏れた。
そっと鎖骨を甘噛みして、小さく跡をつける。
「あっ・・・ちょっと・・・」
「見えねぇから大丈夫だろ?」
は全く気にした様子は無くそう言い放った。
確かにそれはそうなのだけど、今晩にでも一緒に風呂に入った時にきっと自分のつけた跡に興奮してセックスをせがむに違いないことが経験上良く分かっているは全然大丈夫ではなかった。
けれど言っても無駄だと言うことも経験上良く分かっている。
「・・・ほどほどにして」
諦めにも似た言葉と共に小さく溜め息。
仕方ない、今晩もう一戦・・・頑張ろう。
「・・・ん・・・っ」
ぞろりとの舌が跡をつけたところを舐める。
吸われて敏感になった肌にざらりとピアスのついた舌が這って、思わずはの腕を掴んでいた手に力を込めた。
ちゅ、ちゅ、と移動しながら胸元にキスを繰り返す。
胸を掴んだ手を緩く動かしながら核心には触れず、乳房に軽く噛み付いた。
「はぅ・・・っん」
ぴくりとの体が反応する。
舌先が円を描くよう動かしていちいち反応を伺ってみた。
「はっ・・・ァ」
少しずつ円の半径を小さくしていくものの、まだ核心には触れない。
途中で舌を離してまた乳房に噛み付いて。
「んっ・・・・・・っ」
焦れったくされる愛撫には不満そうに顔を顰めた。
もう痛いほど屹立した突起に触れて欲しい。
「ぅん・・・っ、焦らさないでよ・・・ぅ」
の髪に指を通しながらは催促する。
しかしそれに気付かない振りでは胸元や乳房を舐めるばかり。
「・・・っ、もう・・・、意地悪しないで・・・」
とうとうはそっと自らの胸に手を添えた。
人差し指と中指の間にぷくりと尖った乳首を挟み込むようにしてみせる。
「・・・お願い、ここも・・・して」
上目遣いに強請るににんまりと笑う。
「ここ?ここか?」
舌先でつんと突付く。
その瞬間甘い刺激がの腰を這い上がった。
「あっ、そこ・・・っ、はぁ・・・んっ・・・」
恥ずかしそうに頬を染め、うっとりと目を閉じてもっと味わおうとする様が非常に可愛らしい。
もっとその様が見たくて、はの乳房を掴み固くなった乳首を口に含んだ。
「はぁあっ・・・はぁっ・・・あン・・・っふ、ピアス・・・が、あぁ・・・」
ねっとりとの舌先が舐め上げる度にピアスがぐりっと乳首を刺激する。
その感触が堪らない。
はもっとと強請るように背をしならせては胸を押し付けた。
ぷちゅ、といやらしげな水音を立てながらそれに応えてやる。
「あっ、ン・・・っイイ・・・っ、・・・・・・はぁ・・・あっ」
ぴくんぴくんと触れるたびに跳ねる腰を撫で、ゆっくりと手を下にやる。
太股を撫でたら、既に誘うように立てられたの膝がぐっとの腰を挟み込むようにして力が篭る。
構わず撫でつつスカートの中に手を入れた。
滑らかな柔らかい肌。
そして焦らされて熱く濡らしいるであろうその奥。
想像するだけで股間が膨らんでしまう。
「あっ・・・やぁんっ・・・何か、当たって・・・」
思わず膨らんだ股間をの足の間に思い切り押し付けた。
硬くなったのモノを感じては頬を赤くする。
それに構わずは腰を揺すってますます密着させてくるのだ。
「あんっ、やっ・・・ダメ・・・っあっあっ・・・!」
湿った下着が擦れてはびくんびくんと体を震わせた。
時折芯に触れる固い感触だけでどうにかなってしまいそうな程。
「はぁっ・・・・・・」
荒い息ではの下着を下ろす。
ねとりと糸を引くほどに濡れたそこに思わず喉がなった。
下着をフローリングの床に落とし、の足を抱え上げ背中とソファの間には膝を差し入れた。
そしてゆっくりとを折りたたむ。
「やっ・・・ちょ、待っ・・・っ」
「待てるか」
目の前での足を割り、普段は隠れたそこにそっと舌を這わせる。
「あっあぁぁっ・・・!」
舌先が溝の中に潜り込んできては声を上げる。
ダイレクトに伝えられる快感から逃げる術はない。
「ひゃぁっ!それ、や・・・ぁぁンっ、ダメ、ダメぇぇぇ・・・っあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
胸を愛撫したように、ピアスのついた舌先が濡れた女芯をねっとりと舐める。
普段とは違う硬質な玉の感触には悲鳴にも似た声を上げて直ぐに達してしまった。
「はぁっはぁっ・・・ダメって・・・言ったのにぃ・・・」
散々焦らされ濡らされた上にいつもと違う感触を伴う愛撫。
ぴくぴくと痙攣を繰り返しながらは溢れる愛液を舐め取るを見て、涙を浮かべた。
「、・・・ねぇあたしもう・・・っ」
「もう一回イかせてやるよ。俺のでな」
「やっ、無理ぃっ・・・!」
苦しそうには顔を顰めるがは聞き入れない。
の片足をソファの背もたれにかけさせ、もう片方は抱えた。
そしてズボンの前を開けて硬く反り返ったモノを取り出すとぐっとの口に押し当てた。
――ずぶっ。
「はっ・・・うぅ・・・っ」
十分に濡れたの口はずぶりと差し込まれたモノを簡単に飲み込んでいく。
しっかりとの腰を掴み、ぐいぐいと侵入を果たす。
「はぁっ、クソ・・・締まる、最高だ・・・」
気持ち良さそうに呟いてに体を押し付けて。
不覚にもそんな言葉に感じてしまい、は更にを締め付けてしまう。
「くぅ・・・っあんま締めんなよ・・・堪ンねぇ・・・」
嬉しそうに顔を顰めるがの胸を掴んだ。
「あっ、やぁ・・・っあン・・・っ」
「はぁっ・・・直ぐにイかせてやるからな・・・っ」
言うなりの胸に噛み付いた。
「きゃんっ!」
緩く噛まれて舌先がまた乳首を捏ね回す。
そしてそのままは腰を動かし始めた。
「はぁっ、や、あっあぁンっ・・・!!」
上も下も責められて思わずが悲鳴を上げる。
「あっあぁぁっ・・・はぁっはぁっ、ン、あっ・・・あぁっ」
ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てながらは夢中で腰を振った。
乱暴だが、しかし的確にの好いところを打つ。
その度には足を震わせて背をしならせた。
「はぁはぁっ、また・・・ダメ、またイく・・・っ」
焦点の合わない目を伏せ、無意識にも腰を揺らす。
打ちつけられるたびに絶頂の予感が色濃く染まって。
「ダメ、あンっ、あ、あぁっ、イく、イっちゃうぅぅぅっ!!!」
早すぎるくらいの二度目の絶頂。
がくがくと足を震わせ断続的にのモノを締め付けながら。
「ぅく・・・っ俺も・・・っ」
ぶるりと身を震わせて、もの最奥に熱い熱をぶちまける。
そのまま崩れるように二人でソファに沈み込んだ。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
荒い呼吸を繰り返しながら、どちらからとも無く視線を交わして。
キスをして。
「・・・ん、ふ」
「・・・・・・は、どーだ、俺の舌最高だろ?」
にたりと舌を出してみせる。
「・・・まあ、悪くないけど」
その舌の上の玉に指先で軽く触れる。
「でも、これっきりにしなよ。そうじゃないとあたしも舌に開けるからね」
それでのをしゃぶったら、どんな反応を示すのだろうと考えながら。
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と、言うわけで。
拍手リクエストのヘルガーです。
これでヘルガー3作目だね。好きポケモンだから結構書けるな。
悪タイプは本当に書きやすいです。口の悪い意地悪兄さんがすごく書きやすいので・・・。
名前の漢字凄く迷って悪の華です。そうですBUCK-TICKです。大好きです。