世界が閉じる
風を受けてたなびく貴方の銀の髪が好き。
それに触れると少し困ったような表情で笑う貴方の顔が好き。
困ったように私の手をやんわりと解いていく優しい貴方が好き。
そしてその手にキスを落としてくれる貴方の愛を感じるとき。
私は私自身に誓うのだ。
貴方を誰にも、壊させやしない。
深い夜がじっとりと満ちた。
もぞっとシーツが動く。
「・・・、起きて・・・。夜になったわ」
ゆさゆさと隣に眠る男を軽く揺すり、少女はベッドを滑り降りた。
色の白い裸体を晒しながら部屋に放り出された服を拾い集める。
今日はちょっと激しかったな、なんて思って少し頬が熱くなった。
「?早く起きて・・・夜は短いでしょ」
下着を足に通しながら少女はベッドの上の膨らみの上に乗っかった。
「ったら・・・!起きないとボールにいれるわよ」
すると、その一言で少女の下の膨らみがもぞっと蠢いた。
ずるりとシーツの中から顔を出す、銀髪の男――。
「ボールは困る」
「でしょ?早く支度して・・・。この街、少し長く居座りすぎたわ」
「・・・ああ、そうだな」
少女の言葉に素直に頷いても服に腕を通した。
この街に辿り着いてもう1週間になる。
大きな街だから姿を隠すことは容易かったのでついつい居ついてしまったが、そろそろ誰かに顔を覚えられてしまうかもしれない。
殆どこの安宿に篭りきりではあったけれども、誰の記憶にも残っていないという保証などないのだから。
「」
「・・・なぁに」
の手がすっと伸びてきて少女――の頬をさらりと撫でる。
「お前、良く眠れたか?」
「心配性ね。そう思うならもっと優しくしてくれても良かったんじゃない」
の言葉には苦笑する。
今晩この街を発とうと決めたのは昨日の夜だった。
また暫らく落ち着いて愛を語らえなくなるのだと思うとなんだか名残惜しくて。
今日はをいつもよりも求めてしまった。
自覚があるだけにの言葉が耳に痛い。
「悪かった。・・・次は優しくする」
そう言っての機嫌を取るように優しくの髪にキスをした。
そしてを後ろから抱きしめ、たった今身に付けたばかりのの服の中に手を入れる。
「ちょっ・・・、ふざけてないで・・・」
「ふざけてないぞ」
やわやわとの掌がの胸を覆う。
「もう一回だけ、な?約束どおり優しくするから」
そういって首元に優しく唇を押し付けた。
「ダメ・・・あっ、コラ・・・・・・っ」
すっかり体は冷め切っていたはずなのに、先刻の余韻なんて何も無いはずなのに。
に触れられたところから熱を帯びてしまうのは何故だろう。
「、こっちを向いてくれ」
「・・・」
少し遠慮がちに頼まれてしまい、どうにも無視できなくて振り向いたら振り向きざまに唇を奪われた。
「ん、ふ・・・っ」
下唇を優しく吸われ、何度も角度を変えながら深く侵入されて。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて唾液が絡む。
「は、ぅ・・・ん・・・」
「・・・」
ゆっくりがを抱き上げてベッドに戻す。
その上からが覆いかぶさったら小さいベッドが軋んで悲鳴を上げた。
捲り上げられる服を見て。
「あーぁ・・・折角着たのに」
「後で着せてやればいいだろ」
「もう・・・」
しかしもうも止めない。
服を脱がされた後、の手がの胸に覆いかぶさった。
同時にの唇がの唇を奪う。
「っぅ・・・ン」
僅かに身じろぐの体をベッドに押し付けながらの柔らかい唇を堪能する。
軽く下唇を吸い、溢れる唾液を飲み込んで。
仄かに甘いような気がするの味がは好きだった。
ねっとりと絡めた舌をゆっくりと離すと、少し苦しげなの表情が目に入る。
何時見ても初めてキスしたときと変わらない。
恥ずかしそうな目をするが可愛すぎる。
「・・・」
「あ、あっ・・・」
緩く胸を揉みしだいての表情を伺う。
「やっ・・・見ちゃいや・・・」
射抜くような視線には両腕で顔を隠してしまう。
「何故だ。見せてくれ、」
「やだっ、恥ずかしい!!」
「・・・仕方ないな。じゃあこうしよう」
言うなりの胸に指とは違う柔らかな感触がした。
それがの唇だとすぐに気付いて、は体をぴくりと震わせる。
「んっ・・・あ、ふァ・・・」
舌先でちろちろと尖り始めた乳首を愛撫されて思わず顔を隠していた手をの肩にかけてしまう。
ぐっと力が篭るその手。
求められている様でもあり、また拒まれている様でもある。
勿論前者と解釈しは軽く乳房を甘噛みして胸元に小さく跡をつけた。
「あっ・・・やンっ、ダメ・・・」
「これくらいいいだろ。見えないんだから」
「・・・お風呂はいるとき恥ずかしいもん・・・」
「エッチな想像をしてしまうからか?」
「ばか・・・っ」
しかししっかり否定をしないがまた可愛らしい。
の唇がまたの乳首に触れる。
ちゅ、と小さく音を立てて軽く吸い唇で緩く摘み上げる。
「んっ、あ・・・あぁ・・・」
もっとしてというように肩にあったはずのの手がの頭を抱く。
そして疼くのだろう、腰をの腰に押し付け始めた。
「・・・・・・っ」
足を立てて女の隠れた場所を少しずつ開いていく。
は空いた手で太股を撫でている。
そして太股の裏側を持ちぐっと足を開かせての下着に手を掛けた。
少しだけ下着を脱がせ、熱を持ったその場所にそっと手を伸ばす。
「っはァ・・・っ、やンっ、あぁっ・・・・・・っ」
「ふ・・・ぐちゃぐちゃだ」
ねとりと糸を引くほど濡れた指先をに見せ、目の前で口に含んでみせる。
途端にの顔が赤く染まる。
「やだっ、もうばか!」
「口の悪い子だな、は。お前も味わってみるか?」
そういっては自分の唾液に濡れた指先をの小さな口に押し込んだ。
「んっ・・・はふ・・・」
押し込まれた指先を条件反射のように舐めてしまう。
既にの愛液はの舌で舐めとられていたようで、の味しかしなかった。
「は、ぅ・・・ん、ん・・・」
ちゅぷちゅぷと粘質な音を立てながら指先を舐める。
時折見える赤い舌が何とも言えない。
堪らずはの口から指を引き抜いた。
「・・・あ」
「そんな残念そうな声を出さなくてもすぐ代わりをやる」
そう言うとはを抱き上げて自分の上に跨るように言った。
すぐに意図を理解したは文句を言うことなくの頭を跨いで膝をついた。
そして既に十分勃起しているのモノに手を伸ばす。
「・・・ん・・・っ」
迷わず口に含んだら、僅かにが反応した気がして嬉しかった。
舌先でぺろぺろと舐め、先端だけを口に含む。
「ふぅ・・・っ、ん・・・ん・・・んんっ」
びくりとが腰を跳ねさせた。
の指先が中に入ってきたからだ。
「はぅ・・・っ、・・・あは・・・」
「もうちょっと腰を落としてみろ」
「・・・え・・・あっ、あぁぁン・・・っ」
の舌が秘部を這うのが分かった。
ぞわりと肌が粟立つ感覚。
「口がお留守だぞ?」
「あっ・・・ン、だって・・・あっ、は・・・ぅん・・・」
急かされもう一度のものを含むが集中できない。
しかし一生懸命しゃぶった。
「んっぅ・・・は、はぅ・・・んく・・・」
ぴちゃぴちゃと自分の下腹部を舐める音が聞こえて恥ずかしい。
それなのに羞恥を感じるたびに溢れさせてしまっている自分がいる。
そして全部に筒抜けなのだと思うとまた濡らしてしまう。
「ふふ・・・のここは後から後から溢れてくるな。いやらしい子だ」
「んっ、違・・・っ」
「こんなを見せられたら俺も堪らないな。・・・おいで」
体を起こしたが、もう一度を抱き上げて今度は自分の腰の上に向かい合わせに座らせた。
「あっ・・・」
ぐっと熱い塊がのソコに押し付けられたかと思うと続いて襲って来る圧迫感。
ぐじゅ、と濡れた音を響かせ飲み込んでいく。
「はぁっはぁっ・・・・・・ああ・・・っ」
「うぅ・・・はぁ、・・・締まる・・・」
嬉しそうなの声に感じてしまい、僅かにを締め付けた。
は顔を顰めるが気持ち良さそうだったので気にしないことにする。
「あっあっ・・・・・・」
腰を使ってを全部飲み込んだ。
自分の体重がかかる分いつもより奥まで入っている気がする。
「っは、・・・あっ・・・ン・・・」
疼く腰を揺らめかせながらはに抱きついて軽くキスをする。
「お願い・・・焦らさないでぇ・・・」
はそのお強請りに頷くと、軽くの腰を掴んで突き上げた。
「あっ、はァ・・・ん・・・っ」
ベッドがぎしりと軋んだ。
「あっあっ・・・はぁぁ・・・っ・・・っ」
下からズンズンと突き上げられはの肩に縋りつく。
「・・・・・・っ」
「あっダメ・・・あァ、あ、はぁはぁ・・・っ」
だんだんとの体がをベッドの方に倒し始める。
何時の間にかはベッドに押し付けられて、に足を抱えられていた。
「やァ・・・っ、ソコだめ・・・だめェ・・・っ」
知り尽くされた体の脆いこと。
に打ち込まれる楔は無駄なくを絶頂へと導く。
「はぁっ、あっあっ・・・イく・・・イっちゃうぅぅっ」
絶頂の予感に逃げるように身を捩らせた。
しかしはそれを許さず、逃がすまいと腰を掴み最奥を突き上げた。
「あぁぁぁぁぁぁぁっっ・・・!!!」
その瞬間ガクガクと体を震えさせは絶頂を迎える。
ほぼ同時にきつく締まるの中でも果てた。
「・・・一眠りしたら今度こそ出発するからね」
「分かってる」
事を終えたあと、は怒っていた。
の所為で出発できなかったことにも、流された自分にも。
そろそろ追っ手に追いつかれるかもしれない。
は特殊なポケモンだった。
恐らくは世界にたった一種の。
そんなモンスターは少ないが実在している。
そしてそんな特殊なモンスターを調べてみたい連中がいるのだ。
は偶然からと出会い、と行動を共にしていたが、いつしかそういう人物に追われるようになっていた。
単にを所有しているからという理由で、理不尽なまでの逃亡生活。
しかしはが好きで、大好きで離れたくなかった。
はで、何度もに申し訳ないと思ったはから離れようとしたが結局離れられなくて。
今に至る。
もう絶対に互いに互いをを手放せない。
出会いを悔いても遅いわけで、それなら最期まで二人きりでいたい。
世界が狭くなろうとも互いに互いがいれば幸せだった。
逃亡の果てに何が待っていようとも。
はしばらくの寝入ってしまった顔を見ていた。
しかしその表情がふと険しくなる。
「・・・チッ・・・が寝付いたところだというのに・・・」
おもむろに部屋の電気を消した。
そしての体を揺する。
「・・・、起きろ。外に誰かいる」
の言葉には飛び起きる。
一度や二度のことではないからもう慣れっこだった。
真っ暗な部屋ではあったが手探りで殆ど無い荷物を手にする。
「・・・逃げるぞ」
そう言っての腰を抱き、窓から外へ飛び出すを見上げる。
月の光を浴びての髪が光っているのが見えた。
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と、言うわけで。
奈々様拍手リクエストのルギア夢です。
ルギアっつったら銀色でしょうってことで髪の毛の色とかは銀色にしちゃったけど。銀の髪ってぶっちゃけ白髪になっちゃいますよね。
ところで名前を「ギン/吟」にしてしまいましたが。・・・やっぱり某漫画を髣髴とさせますよね・・・。見逃してください;;
ホウオウは絶対「オウ/謳」にしようと思ってどっちも歌っぽくしたかったんです;
今回のテーマが「希少種と、それを捕まえようとする研究者の追いかけっこ」なのですが、これって長編向けなテーマなんですよね。
だから内容は何処かオチてないような感じではありますが、この後のことは皆様でご想像ください。