「お前ぼんやりし過ぎだろ!何やってんだよ!!!」





溶けたアイス、ボタリ








暑い暑い、夏の日。
だらけきった十一番隊の面々。
いつもなら部屋に居るはずの無い隊員が、珍しく現世に出向くもの以外は隊の詰所に集まっていた。
外はうだるような暑さ。
皆、丁度良く空調の効いている詰所から出たくないのであろう。
しかし中に居ても別段やることも無く。
無いわけでもないが、そんなことやる気も出ず。
だらだらとした午後を過ごしていた。
阿散井恋次もその中の一人。
斑目一角や綾瀬川弓親と話すでもなく話しているだけ。
十一番隊の鬼隊長は出払っていない。
副隊長も隊長について行ってしまった今、この十一番隊を働かせる者など誰も居なかった。
そんな中。
ばたばたと騒々しい足音が聞こえて。
「ただいまっ!!」
薄っすらと額に汗を浮かべた女が詰所の扉を乱暴に開けた。
「・・・おぅ、か」
「おかえり、ちゃん」
一角と弓親が顔を上げる。
「遅かったな、何してたんだよ」
そして少し遅れて恋次も声を掛けた。
「えへへ。じゃぁん!!こんなものをお土産に買ってきてみました!!!」
得意げにが掲げて見せたもの。
それは。
「お、アイスじゃねぇか。全員分あるのかよ」
「勿論!!さ、皆食べて食べてー」
大声で声を掛ければ我も我もと集まる隊員たち。
非番の者の分まではなかったけれども、結構な量だ。
恋次が怪訝そうにを見る。
「・・・お前これほんとに買ってきたのか・・・?」
「あは。やっぱバレるか。実はコレ、五番隊で余ったからって雛森ちゃんに貰ったんだぁ」
「・・・余ったって・・・コレだけの数がか?」
「なんか良くわかんないんだけどね。雛森ちゃんが持って行っていいって言うから遠慮なく貰ってみたの」
言いながらはバニラアイスを手に取った。
恋次と弓親はイチゴアイスで、一角もバニラアイス。
「あー暑い中必死で持って帰ってきたからねぇ〜・・・生き返るぅ」
溶かしてしまっては元も子もないのでかなり走った。
五番隊と十一番隊はそんなに近くないので。
それでも少し溶けかけているそれをは美味しそうに口に入れた。
「ところで現世はどうだったよ。今回の虚は?」
「うーん・・・席官でもないあたしが無傷で帰ってこれるくらいだったかな」
「全く手ごたえ無かったわけだ」
「うん。つまんなかったわ」
本当につまらなそうに言い捨てアイスを舐める。
喋りながら食べた所為だろうか。
溶けたアイスを舐めきれずぼたりと落としてしまった。
「あ、やだ。零しちゃった」
胸元に垂れたアイスの雫を見て顔を顰める。
「ねー恋次、拭くものとってー」
「ったく・・・気ィつけろよな」
「ごめーん」
アイスを口に咥えながらそう恋次に謝った。
その時。
とろりと溶けたアイスがの顎を伝った。
「「「っ!?」」」
それを見た恋次、一角、弓親が固まる。
「あっと、また零しちゃった」
そっと顎を伝った白いアイスを指先で拭い舐め取る。
唇と、唇からほんの少し覗いた赤い舌でぺろりと。
思わず一角は顔を僅かに赤らめ、弓親は面白そうに恋次を見た。
そして恋次は・・・。
「お前ぼんやりし過ぎだろ!何やってんだよ!!!」
詰所内に響き渡る声でそう怒鳴っていた。
「・・・え」
ただアイスを舐めただけなのにどうして怒鳴られるのかには分からない。
突然の言葉に驚いているの手からアイスをひったくると恋次はぱくっとそれを食べてしまった。
「え・・・ちょ、あたしのアイス・・・」
「・・・アイスが食いたきゃ後で買ってやる!!今は食うんじゃねぇ!!」
「・・・・・・はい・・・」
あまりの剣幕に素直には頷いた。
弓親はにやにや笑いながら恋次に言う。
「恋次、独占欲は醜いよ?」
「・・・うっせぇ!」
二人の言葉の意味が分からずはただただ首を傾げるだけだった。





「・・・訳分かんない」
結局仕事が終わった後、さっきの約束どおり恋次にアイスクリームを買ってもらった
それを食べながら恋次の部屋に上がりこんだ。
二人は十一番隊公認の恋人で。
もう殆ど同棲状態。
いつもは恋次の部屋から出勤し、恋次の部屋へ帰っている。
偶に非番の日にが自分の部屋に帰るくらいでそちらへ帰る方が珍しい程。
は浴衣に着替えてアイスを舐めていた。
「ねーなんで昼間あたしのアイス取ったの」
「・・・別に」
その質問には気まずいので答える気は無かった。
ふいっと目を逸らしてしまう恋次には大分不満げな表情。
「教えてくれてもいいじゃん。ケチ」
「うっせ、黙れ」
「なによ、変眉。Mっぱげ」
「テメェなぁ・・・っ!!!!」
恋次も十一番隊である。
気が長い方でもないし、いい加減の物言いにも腹が立つしで。
女であることも構わず胸倉を掴もうとして、固まった。
先程と同じくは浴衣に白い染みを幾つかつけてしまっているのが目に入る。
「・・・おい、。お前アイス食うの下手すぎ」
一気に脱力させられてしまった。
恋次に言われ、は胸元を見て顔を顰める。
「この浴衣お気に入りだったのに・・・」
「お前もう一生アイス食うな」
溜め息を吐いて恋次がそっとの腕を取った。
手に持つ棒にはもう殆どアイスの形は残っていなかったが、良く見ればアイスが伝った跡が残っている。
そっと顔を近付けてその跡に舌を這わせた。
「ひゃ・・・っ」
思わず、声が出た。
だけど構わず恋次はの手や手首を舐める。
「・・・甘ェ」
「じゃあ離してよ」
「・・・・・・断る」
何度も舌が往復し、時たまちゅ・・・と小さな音を立てて吸われた。
何だか卑猥なことをされている気がしては頬を赤らめる。
、ヤらして」
「う、うん・・・あたしも・・・」
くすぐったいような恋次の舌に煽られて素直に頷いた。
別に初めてのコトではないのだけれど、帰ってきて夕飯や風呂の前にっていうのは滅多に無いコト。
の白い腕に唇を寄せながら、恋次は片手で器用に浴衣の帯を解き始める。
しゅるっと小さな音を立てて着替えたばかりの浴衣の帯が解かれていく。
あらかた解け、緩んだところで襟元を拡げた。
ゆっくりと肩から浴衣を引き下ろす。
「あっ・・・恋次」
肌蹴させた胸元へ恋次の手が伸びる。
膨らみを優しく掌で包まれるだけで体が熱くなるのが分かった。
「ん・・・はぁ」
は頬を薄っすら染めて顔を逸らす。
そうすると恋次の目の前にの白い首筋が晒されることになり、反射的に恋次はその首筋に顔を埋めた。
ふわりとの髪が微かに香る。
仄甘い匂いにくらりと眩暈を覚えつつそっと舌で辿っていく。
「はっ・・・ァ・・・っ」
恋次の指が硬くなり始めた乳首を意地悪く捏ねるのが堪らない。
「恋、次っ・・・や、そこ・・・」
「やじゃねぇだろ」
にやっと意地悪く笑う恋次は指先で軽く乳首を弾くとそっと舌で突付いた。
「あぁぁんっ」
痛いくらいに勃起したそれをぬめる舌先で弄られると、下腹部がきゅうんと疼いてしまう。
思わず膝に力が入って恋次の腰を強く挟み込んでしまった。
「ンだよ、ヤる気満々だな」
「や、違・・・っ」
「違わねえ」
言いながら恋次はゆっくりとを畳の上に押し倒した。
潰してしまわないよう手をついて上体を支えながら、の顔を見下ろして。
薄っすら赤みさす目尻や上気した頬、浅く短く呼吸している赤い唇。
「何・・・」
「いや、エロい顔してンなぁと思って」
「・・・っ、馬鹿・・・!」
にやにや笑いながら言われ思わずは片手で顔を隠すようにして顔を逸らした。
「隠すなって」
恋次の手がそっとの腕を捕らえてやんわりと拘束する。
そして唇を近づけながら。
「・・・可愛いぜ」
なんて囁いたら、の顔が真っ赤になった。
柔らかそうな唇に自分のそれを押し付けて深いキスを交わす。
「んっ・・・」
くぐもった甘い声が恋次の耳をくすぐった。
畜生、無茶苦茶可愛いじゃねェか。
心の中で呟いて舌を絡める。
―――ちゅ、・・・くちゅ。
小さい舌を吸いながら恋次はそっとの浴衣の裾から手を差し込んだ。
すりすりと柔らかく滑らかな太股を撫でる。
「あ、ンン・・・」
の立てられた膝の間に体を押し込み、そっと下着に手を伸ばす。
軽く触れたそこは温かくしっとりとしていてが大分期待していることを示しているかのようで。
僅かに指を下着越しに押し込んでみた。
「はぁン・・・っ」
小さく声を上げての腰がしなる。
そのまま秘裂にそって撫で上げてみた。
尖り始めた芯に触れた瞬間、が甘い悲鳴を漏らす。
「はぁっ、はぁ・・・っ、ダメ、あぁぁ・・・れん、じ・・・っ」
一種苦しそうな表情を浮かべては恋次を見上げた。
しかし震える腰が恋次に感じていることを伝えてしまう。
上目遣いで頬を染めるを見下ろし、無意識に喉を鳴らした恋次。
ぐいっとの腰を抱き上げて下着に手をかける。
「ひゃぁっ・・・!」
思いの他、乱暴に脱がされた。
そのまま割り開かれて恋次の指が直に触れる。
「あっはぁはぁ・・・ン、あ・・・あぁぁ・・・あぁんっ」
人差し指と中指が濡れた内部に押し込まれて、蠢いている。
そして親指が芯を押しつぶす。
両方を責め立てられての目尻には生理的な涙が浮かんだ。
「あぁっ、ン、恋次、はぁぁ・・・ン、だめェ・・・良いぃ・・・っ」
無意識に良いところに当たるようには腰を動かしてしまう。
卑猥に誘うそれを見て、恋次もそろそろ限界を感じた。
部屋着の合わせ目を少し緩めて十分に勃起したモノをに押し付けた。
―――くぷ。
少し腰を進めると温かいぬかるみに埋まる。
ソコは適度にきつくて堪らない。
思わず夢中になってを貫いた。
絡みつく内壁が恋次の腰を震えさせる。
「はぁっ、・・・・・・っ」
「やぁ、あン・・・はぁはぁはぁ・・・あぁ・・・っ」
の腰を掴み恋次はぐっぐっと根元まで押し込んでいく。
奥を突き上げられる感覚には恋次の背に爪を立てた。
手で胸の突起を摘みあげたら内部が一段ときつくしまる。
込み上げる射精感を必死で堪えながら腰を動かした。
「あっあっ・・・ダメぇ・・・っあ、あは、はぁはぁ・・・っ」
ずんずんと何度も何度も思い切り突き上げられるたびに、腰に走る強い快感。
「あっン・・・ダメぇ、イく・・・イっちゃうぅぅ・・・っ」
甘い悲鳴が部屋に響いた。
その瞬間、びくんとの下腹部が痙攣する。
「はあぁぁぁっ!!!」
「っうぅ・・・っ」
の背が仰け反って、絶頂を迎えたことを恋次は知る。
そして断続的に何度もきつく締まるの中で。
ほぼ同時に恋次も思いの丈をぶちまけた。





「とりあえずお前、上手く食えるようになるまでアイスは家以外で食うな」
「なんでよぅ」
命令口調が気に入らずは口を尖らせる。
「何でも!絶対ダメだかんな!!!」
いつになく本気の恋次に、は仕方なく頷くしかなかった。



「あんな食い方・・・他の男に見せて堪るかっつぅの」













==========
あは。ちょっと無理矢理すぎですか。ごめんなさい。
ていうかコレ、相手恋次じゃ無くても・・・げふんげふん。
今回は畳の上です。布団もやらしいけど畳の上っつぅのもエロくて良いと思いまする。
さん、ここまで読んでいただいてありがとうございました!