多難の恋/1






「・・・おい。俺帰りてぇ」
「我が儘いわないの、。それにあたしだって帰りたいわよ」
うんざりしたような表情で一人と一匹が視線を合わせる。
「おい、ちゃんと聞いているのか!?!!」
「・・・聞いてる」
少しでも視線を逸らしたのが気に食わなかったのだろう。
ビシィ!っとを指差しながら目の前の男は言い放つ。
俺のを指でさすとは失礼な野郎だな、とが呟いた。
もう小一時間ほどこの調子だった。
「ねぇ。アンタのポケモンコレクションが凄いのは良く分かったからそろそろ帰らせてもらっていい?」
げんなりとした表情では男に進言した。
そろそろ疲れてきた両名は早くホテルに帰って休みたかった。
それでなくても今日はジムリーダーに挑んだ帰りで疲れているというのに。
「ふっ、キミにはどうにも理解できてないみたいだけどねぇ。養成学校の時代からずっとその一匹だけ連れているようだしね?」
嫌な言い方でじろじろとの後ろで大人しくしているバクフーンのを眺め回した。
そう、このは養成学校で貰ったの初めてのポケモンなのである。
だから思い入れも他のポケモン達の比ではない。
ずっとずっと大切に育ててきて、ようやく最終進化まで果たした可愛い可愛いポケモンだ。
そんなを貶めるような言い方に流石にカチンときた
思わず言い返しそうになるのを必死で耐える。
言い返したらまたくどくどとこいつの長い反論を聞かなければいけなくなる。
我慢だ。
「ふん、返す言葉もないのかい?どうせキミは他のモンスターも捕まえられないんだろうねぇ。一匹で何が出来るって言うんだか」
「・・・」
「まあ一端のトレーナーを語るならせめて3匹は持って置けよ。そんなんじゃぁバッジも幾つ持ってるっていうんだか。ああ、因みにボクはもう3つ持ってるんだけどねぇ」
自慢げにぺらぺら喋っている男を心底軽蔑した目では見ていた。
そして聞こえないようにもう一言呟く。
は6つ目だ。阿呆」
「こら、。黙って」
聞こえたは慌ててに注意する。
不満そうな表情を浮かべてはいたが直ぐに口を噤んだ。
「そう、3つも持ってるんだ。じゃあここの街のバッジは持ってるの?」
「ここはまださ。大体ここのレベルは少し高いじゃないか。そんなことも知らないのかい?大体バッジを5,6個集めた辺りで挑戦するのが定石ってものだよ」
知ってるよ、馬鹿。
・・・とは言わずはにっこりと笑って見せると。
「そうなの、知らなかった。じゃあ明日は朝一で別の街に行くことにしようかな。教えてくれてありがとね」
「ふっ、いや、礼を言われるほどでもない。もっとキミも勉強するんだね」
「そうする。じゃあお暇しようかな。、ご挨拶」
「・・・・・・・失礼する」
ぶすっとした表情のまま、せめてもの意地で男を睨みつけながらぶっきらぼうに言った。
「・・・キミのポケモンは随分しつけが悪いようだね。こちらを睨んでいるよ?」
「ちょっと甘やかしちゃったかな。気を悪したらごめんね、ちゃんと言っとくから」
「そうした方が良いね」
「・・・」
は何処までも無神経で無礼な男だと思った。
真夜中に放火してやろうかな、とも半分本気で考えてしまう。
男に送り出されてようやく自由になった両名。
しかしもう空には薄暗い闇が広がっており、夜になろうとしていた。
「・・・っ畜生!!!!あの引き篭もりインポ野郎!!!!俺だけでなくのことも馬鹿にしやがって!!!」
やっと解放されたのでが大声で叫ぶ。
周りの視線が集中しようと構わない。
勿論だってそういうことを気にする方ではないが、一応注意だけはする。
「もぅ、。下品なこと大声で言わないの」
「はっ、あの野郎。あんなんだから女にも相手にされなくてベッドでモンスター雑誌片手にオナニーしてんだぜ」
、そういうことは部屋で言いなさい。外で言うことじゃないからね」
びしっと注意されてはうっと言葉に詰まりを見る。
あの男はもっとちゃんと躾けろと言ったが、の躾けはしっかり厳しくなされていた。
思い入れの強いポケモンだろうが関係ない。
ちゃんとしておかねば恥をかくのはこの子達だとちゃんと知っている。
強さに奢ることなく自分を統制できてこそ、一人前のモンスターだとは常々思っていた。
「あたしの代わりに怒ってくれてありがとうね」
勿論厳しいだけじゃいけないことも知っている
にこりと微笑んでに言葉をかけてやった。
するとは少しはにかんだように笑う。
「へへっ、だっては俺のトレーナーだしな!!何があっても俺はの味方だ!」
そしてがしっとを抱きしめる。
、大好きだ」
「あたしもだよ。さ、早くホテル帰ろうね。ポケモンセンターから皆もパソコンに届けられてると思うからさ」
やんわりとの手を解きながらは笑う。
そしてしっかりと手を繋ぎ、街の中へ消えていった。



「なぁ、なんで今日あの野郎に何も言い返さなかったんだ?」
ホテルについてベッドの上でごろごろしていたはおもむろにに問いかけた。
「ん?だって養成学校時代から知ってるもん、あいつの性格。言い返したらまた反論を長々聞かなきゃいけなくなっちゃうのよ」
「けっ・・・あの根暗野郎・・・。オナニーのやりすぎで死んじまえば良いんだ」
吐き捨てるようにいい、はベッドから立ち上がった。
そっとの様子を伺うと、食事を作っている。
既に自分の分は出来ているようで、次は用のポケモンフードを鍋にあけていた。
そんなの後ろに近づいてぎゅぅっと抱きしめた。
「わっと、こら。火使ってるときは危ないからふざけるの禁止って言ってるでしょ」
するとは鍋を持ち上げると、ガスコンロの火を空いている方の手で軽く握りつぶした。
じゅうっと音を立てて消されてしまう火。
火を握りつぶした本人はケロッとしているが傍目には大分恐ろしい消し方だ。
「これで危なくないだろ?」
「・・・もう、ご飯冷めるよ」
「全然平気。それより俺はといちゃいちゃしたい」
そういいながらべたべたと纏わりついてくるを無下にするわけにもいかず溜め息をついてその場を離れた。
構ってもらえることが分かったは嬉しそうだ。
甘やかしている感は否めないが、しかし可愛いの言葉にはどうにも弱い。
外で居るときはまだしも二人きりになってしまうと、どうしても甘やかしてしまうのが今のの悩みでもあった。
に促されるままにベッドに腰をかける。
嬉しそうなの表情。
、好きだ。愛してる」
幸せそうに耳元で囁かれる言葉。
「・・・あたしもだよ。、大好き」
―――ちゅ。
小さな音を立てて交わされるキス。
優しく温かく吐息が絡んでは、唇が重なる。
「ん・・・」
徐々に深くなる唇を受け入れながらの首に腕を回した。
そっとの唇を割り開きの舌がにゅるりと進入してくる。
「ふ、ぅ・・・う・・・」
小さく漏れる声がの耳には堪らなく聞こえる。
気持ち良さそうなの声だ。
思わずキスしたままに体重をかけてベッドに押し付けた。
ぴたりと体をくっつけて何度も角度を変えながらの唇を奪っていく。
「はっ、ふ・・・・・・ん、ンン・・・っ」
合間合間に息をつくの声が誘っているかのようだ。
つぅっと銀の糸を引きながら少し離れる。
見下ろす先のの表情は少し照れたように頬が紅潮して、目は少し伏せがちで涙が滲んでいたりして。
嗚呼なんて可愛いんだろう。
はそろりとの服を下着ごと捲り上げる。
ぷるりと胸が晒し出されて、無意識に喉を鳴らした。
っ・・・」
そっと手でふわりと胸を覆った。
「あ・・・っ」
ふにゅっと丸い形が潰されて、微かな刺激がに伝わる。
弾力を楽しむような手付きでふにふにと緩く揉みしだかれた。
そんな手を休めることなくはまたに顔を近付けて、何度も軽くキスをする。
そっとの唇を舐めたら、その舌を軽く吸われた。
―――ちゅ、ちゅっ・・・
甘い水音と共に性感が引き起こされて眩暈がしそうだ。
意地悪な指先がそっとの尖り始めた乳首に触れる。
「っはぁ・・・っ」
軽く触れただけでも声が出てしまった。
そんな反応を楽しむようには乳首を軽くつまみあげる。
「ぁっ・・・んゃ・・・あ・・・」
「可愛いぜ、
そっとは胸元に唇を寄せると開いている方の乳房を軽く噛んだ。
そしてつぅっと舌先で丸みをなぞり、ぷっくりと勃起している乳首に触れる。
舌先で円を描くように捏ねられては下腹がきゅぅんと疼くのを感じ、無意識にの腰に自分の腰を押し付けた。
「あっぁ・・・はぁはぁ、はぁ・・・っ・・・っ」
荒く上下する胸を愛おしそうに愛撫しながら、舌をつーっと辿らせる。
空いた手が脇腹を撫で、舌先で臍の辺りを優しく舐めて。
なのに胸を愛撫する手が一向にお留守にならない。
っ、あァ・・・あっあっ・・・」
舌が下腹を撫でる。
ぞわりとした刺激で波打つように震えるのが分かった。
もどかしくて、思わず腰を浮かしてしまう。
そんなの様子には小さく笑って少し体を離した。
見下ろすは熱に浮かされたような目で、頬は紅潮し薄っすら開いて唇がなんとも言えない。
その体へと伸びる手は確かにのものできつく胸を鷲掴みにされている光景は堪らなくを煽っていた。
「・・・ど、したの・・・・・・」
「いや・・・やらしい光景だなって思って」
「!・・・馬鹿っ」
ぽっと赤い頬をますます赤らめてが腕で顔を隠すようにする。
それをやんわりと解きながらに唇を押し付けた。
「んっ、ん・・・」
柔らかい唇から溢れる仄甘い唾液を吸い、唇を舐める。
夢中でキスを交わしながらは胸を覆っていた手をするりと滑らせての太股を撫でた。
くすぐったいようなじれったいような。
さわさわと際どいところまでを撫でては戻り、また際どいところまで戻ってくるのに。
決して確信に触れようとしない意地悪な手。
「はっ、ゃあ・・・っ、、お願い・・・」
確信に触れて欲しくて期待に跳ねる腰をに擦り付けた。
その度にの勃起したモノが当たって余計期待に涎を垂らしてしまうのを感じる。
「お願い・・・触ってぇ・・・」
その言葉を待っていたと言わんばかりにの手がするっとの足の間を撫でる。
そこは既に期待に垂らした涎で熱くしっとりと湿っていた。
焦らされた所為で、下着越しに手が掠めるだけなのに堪らない快感が引き起こされる。
「はぁぁっ、イィっ・・・!」
硬くなった芯を下着越しにぐりっと刺激された。
「ダメぇっ・・・!!」
息が止まる。
びくんとの体が跳ね上がって、一呼吸遅れて弛緩した。
「あちゃぁ・・・、イっちゃった?」
「・・・もうっ、馬鹿!!」
コレだけでイかされたことが恥ずかしくてぜいぜいと肩で息をしながら腕で顔を覆った。
絶頂時に溢れた蜜が下着の機能を奪い始めている。
そっとは下着の上から指をぐっと押し付けてみた。
ぐちゅりと湿った音がして指先が濡れる。
絶頂の余韻も覚めやらぬままそんな風にされての体はますます悦んでしまった。
「あぁぁっ、ダメ・・・まだ、そんな・・・っ」
「あースゲェよさそう・・・。なあイイ?俺の指、気持ちイイ?」
ぐちゅぐちゅと、下着越し無理矢理に押し込んだ指を掻き回しながらは興奮した声でに言った。
既に答えなど聞かなくても分かってはいるがの口から答えを聞きたくて。
「イイって言えよ。な、そうしたら俺の入れてやるからさ」
はぁはぁとは荒い息遣いでの耳元に囁いた。
掠れた様な声が色っぽく聞こえる。
それに煽られたは頷きながらの髪を撫でつつ口を開いた。
「イイ、イイよっ・・・の、アンっ、指気持ちイイよっ・・・だから、は、早く・・・頂戴ぃぃっ!」
最後は叫ぶように声を絞り出した。
の言葉を聞いて満足なは毟り取るようにの下着を脱がした。
そして既に反るほど勃起したモノを取り出して一気にを貫く。
十分すぎるほど濡れていたの口はそれを抵抗することなく飲み込んだ。
「あぁぁぁんっ・・・!!!」
待ち焦がれていたものをようやく与えられては歓喜の悲鳴を上げる。
しかしそれに構っている余裕のないは性急に腰を動かし始めた。
っ・・・っ・・・うぁ、スゲ・・・っ堪んね・・・!!」
の横にひじをついて夢中で突き上げてくる
出入りする度にイイところを何度も擦られても息が出ないほど感じてしまう。
「はぁはぁはぁっ、あっ、ひぁ・・・はぁっあぁぁっ・・・」
ぎしぎしとベッドを盛大に軋ませて激しく打ち付けてくるの背に爪を立てる。
ともすれば意識が飛んでしまいそうで、だけど強すぎる快感がそれすら許してはくれなかった。
「イイっ、あっイイよぅ・・・っ、イく・・・イくぅっ!!!」
近づいてくる二度目の絶頂の予感。
思わず下腹に力が入った。
「くうっ・・・俺も・・・・・・っ」
その刺激で苦しそうにも顔を顰める。
ずんっとのモノが最奥を貫いた。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
どくりと腹が波打つ。
一度目の比ではなかった。
頭が真っ白になって、きつく内部が収縮し体が痙攣する。
「っ出、る・・・っ」
腹の中でのものが脈打ったのが分かった。
その直後に生温い感触。
どくりどくりと熱いものが中で放出されているのを感じる。
続いて体の上にずるりと崩れるの体。
かけられた体重が心地よかった。






次の日。
「おっ出てる出てる!!!」
嬉しそうに新聞をに見せる
指差す先は、ジム情報のところ。
どの新聞でもなされていることだがジムリーダーに勝つとその情報欄に名前と出身地、そして小さく写真がが載る。
それは一種の目安を情報として載せているのだ。
例えば無闇にレベルの高いトレーナーに挑まれても断れるように。
例えば無闇にレベルの高いトレーナーに手を出さないで済むように。
写真が載ってしまったので、きっと街をでたら同じくらいのレベルのトレーナーに挑まれてしまうだろう。
そういう風にこの情報は活用される。
決して自分のバッジのコレクションを自慢するためではない。
「あの根暗野郎、悔しがってっかなー。ああいうやつのことだ、絶対こういうのはチェックしてるはずだしな!」
「ま、別にあたしはバッジの数とかポケモン連れてる数がイコール実力とは思ってないからね」
そういっては笑い、を見上げる。
「さ、写真載っちゃったから今日は忙しいわよ〜!!は大丈夫?昨日は色々頑張りすぎちゃったからねェ」
「へっ、舐めんな!俺を育てたのは誰だと思ってるんだ!!」
その言葉にはにっこりと笑い、愛しいの頬に軽くキスをした。













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と、言うわけで・・・。
拍手でリクエストのあったバクフーンを書いてみました、
奈々様に気に入っていただけると良いのですが。
今回のデフォルト名・・・奈々様の名前を勝手に取ってしまいました(滝汗)
もしダメなようならすぐにデフォルト名変えさせていただきますので『変えやがれコラ』とでもメルフォで送ってやってください(汗)