言葉も何もかも忘れてただただ縋りつく君が可愛い。






犬は只今/2






「きゅぅぅん・・・」
土方の胸に頬を擦り付けて甘える仕草をする。
ゆっくりと尻尾を撫でれば小さく声を上げる。

尻尾を撫でたり頭を撫でたりしていた土方だが、やがての服の帯に手をかけた。
手早く解いて畳の上に放る。
「きゃうん」
そして帯が解かれたのを見て取って、まるで着物が邪魔だとも言いたげにが自ら着物を脱ぎだした。
ばさり、ばさり。
衣擦れの音を響かせながら下着だけになったは身軽になった体で飛び掛るように土方に抱きついた。
「うぉ・・・っ」
そのあまりの勢いにのストリップを傍観していた土方がもんどりうって引っ繰り返る。
傍から見ればが土方を押し倒したように見えたであろう。
「きゃん、きゃん」
襲い掛かられ怯んだ土方の上に乗ったは、また土方の口や頬をぺろぺろと舐め出した。
「っ、う、こら、違ェだろ・・・っ」
舐めてくれるならもっとイイ場所があるじゃないか。
しかしお楽しみは後回しだ。
土方は先に馬乗りになっているの体を抱き寄せた。
「!」
体を少しだけ回転させて、上に乗っていたと向かい合えるように寝転がる。
そして顎を掴んで優しくキスをした。
下着に包まれた胸に手をやるのも忘れない。
「・・・ぅん・・・」
言葉を失ったは切なそうな溜め息を漏らしている。
何て可愛いんだ。
もう一度、今度は深く唇を押し付ける。
くちゅくちゅと音を立てながら口腔内を貪りあった。
不思議な事にキスは何時ものとのキスと同じような感覚がした。
角度を変えながら舌を絡めあう。
柔らかく溢れた唾液を垂下しながら、土方はの胸を触る手を滑らせて滑らかな皮膚に触れた。
「きゃぅ・・・」
隙間から滑り込むように入った土方の手がの胸を直に揉みしだいている。
そうこうしているうちに、胸の先がつんと硬くなり始めた感触が伝わってきた。
「流石、感じてんだな」
「ぅぅン・・・っ」
気持ち良さそうに目を細めて体を震わせている
ここまで抵抗もなく素直な彼女は本当に滅多に見れない。
ぐい、と下着を上にずりあげてぷるんと溢れた柔らかそうな胸に顔を埋めた。
ぴちゅぴちゅ・・・
小さな水音を響かせて硬く膨らんだ乳首を舐める。
すると、ざわ・・・とが土方の髪に指を絡めてきた。
「くぅぅん・・・」
「強請ってんのか?」
切なそうな声を漏らして土方を見下ろしている。
これは恐らくもっとして欲しいの合図であろう。
分かりやすくて凄くイイ。
赤く膨らんだ乳首を唇で覆い、唾液を含ませた舌でちろちろ撫でていく。
するとの手に力が篭った。
胸を更に押し付けるように背中がしなる。
「はっはっ・・・あぅぅン・・・くぅ、ン・・・」
荒い息遣いと唾液の音が部屋に響く。
きつく吸い上げて刺激を与える度にの腰が、土方の腰に押し付けられる。
誘われているようだ。
かく言う土方も既に自分自身がはちきれそうに大きくなっている事を知っている。
が腰を浮かせるたび、柔らかい感触に更に血液が集中する気がしていた。
ちゅうちゅうの乳首を吸いながら、そっと太股を撫で上げ、の状態を確かめる。
既に下着には染みが出来るほどだった。
精力剤を飲んでいるのも関係しているかもしれないが、弄らずとも受け入れてくれそうだった。
「いいか?・・・って聞いても答えは返ってこねぇしな」
それは土方的にはマイナスポイントだった。
やはり意思は疎通出来た方が楽しいと思う。
その辺は後で教えてやろうと思いつつ、の下着も取り払ってしまって足を広げさせる。
「入れンぜ」
返事が無いことは分かっているけど、何となく断ってしまった。
ジィ、とファスナーを下ろしていきり立ったモノを取り出すと、既にぬるぬるのソコに勢い良く突き刺す。
「きゃぅぅぅっ・・・!」
その瞬間は嬉しそうな鳴き声を上げ、土方も快感に身を震わせた。
一旦奥まで到達し、息を吐く。
「ン、・・・く」
の中は柔らかく蠢いている気がする。
挿入されただけで敏感に感じ取っているようだ。
土方は動きを制限する隊服のジャケットを脱ぎ捨て、の体を抱え込んだ。
そして、
「ひあっ、はっ、あっ、はぁっはぁっはぁっ・・・!」
勢い良く出し入れを始める。
土方の腰の動きに合わせての体も小刻みに揺れた。
誘うように胸も揺れる。
そこにもう一度顔を埋めて、土方は何度もを貫いた。
「あっあっあっあっ・・・」
犬になってしまっても、乱れたはいつもと同じように浅く呼吸を繰り返している。
耳が震えている、尾が揺れている。
犬になって縋りつくだけのなのに、何時もと変わらず可愛くて愛しい。
「!」
ぶるっとの体が震えた。
絶頂を迎えたのだと分かった瞬間には、既には達していたようだった。
土方も終わりが近い。
絶頂の余韻にわななく内壁にきつく締め上げられて、何度か出し入れをした後にずるりと引きずり出した。
そして。
「う、・・・」
べとべとに濡れたそれを握り締めて、の腹の上に撒き散らしていたのだった。

犬のままのは絶頂にうっとりとしていた。
大人しくしている間に土方はの腹に出した精液をふき取ってやる。
そして脱ぎ捨てた隊服を拾い上げると、ポケットに入れた白い液体が入った瓶を取り出す。
今からを人間に戻すのだ。
たっぷり味わったとは言いがたいが、やはり会話が出来る状態のほうが土方的には好みである。

ゆっくりと抱き上げてを座らせた。
「きゅうん?」
次はどうやって遊んでくれるのかと言う風には首を傾げる。
「こっちきて座れ」
言いながら土方はを自分の足の上に誘導した。
膝の関節より、少しだけ上にが座り込む。
その間に土方は自分の着ていたシャツの前を肌蹴させる。
続いて、柔らかな太股の感触に目を細めながら、土方はから預かった瓶の蓋を開けた。
・・・ポツ、ポツポツ・・・
そしての目の前で自分の腹の上にそれを少しだけ垂らす。
「ホラ、舐めろよ」
頭を掴んでの口許を飽きたいのところへ近づけさせた。
するとは大人しくそれを舐め取りはじめたのだった。
さらりと髪を撫でてよけつつ、土方は緩慢な動作で液体を垂らしていく。
腹の上の白い液体をぺろぺろ舐めるその様子は、別のものを舐めとっているようにしか見えなくて土方は興奮を覚えた。
「んっ・・・んっ・・・」
ぺちゃぺちゃと音を立てて、は見る間に全ての液体を舐め取ってしまった。
「・・・・・・」
どうなるんだろう。
土方はじっと見ていると、突然の頭の上の耳からはらりと数本の毛が抜けたかと思うと、ざらっと耳が崩れるように流れ落ちた。
「うわっ・・・」
ばらばらと崩れ落ちるのは、全部体毛。
どうやら尻尾も同じ原理でなくなるらしい。
の尻が乗っている足にも似たような感触がある。
「・・・やれやれ、後で片付けねぇと・・・」
若干面倒なので、これも改良するように後で言ってやろう。
勝手にそう決めて、土方はじっとを観察していた。
「・・・あれ?十四朗さん・・・?」
土方の腹の上からきょとんと顔を上げる。
目に入るのはシャツを肌蹴させた土方。
「あれ、あたし・・・」
どうしちゃってたんですか、と言おうとしては自分が裸になっていることに気付いた。
「きゃぁぁっ、な、何コレ!!」
ばっと両手で隠してみるが、既に見られた後である。
「何で止めてくれなかったんですか!!!」
「や、惚れた女が脱ぎ出したら普通眺めるだろ」
「ななななっ!!それとこれとは話が違います!!」
は顔を真っ赤にして自分の着物を探す。
あった・・・けど遠い!
早く取ろうと立ち上がろうとした瞬間腕を捕まれた。
「な、何ですか?」
「やっぱその薬ちょっと物足りねぇわ。っつーことでもう1発」
「えっ、ちょっ・・・なっ・・・止めてください!」
胸を覆っていた腕をぐいっと割り広げられ、土方の唇が柔く食む。
膨らみをなぞる様に唇が伝っていく。
「あっ・・・や、やだ・・・十四朗さん・・・」
いつも以上にその感覚がの体を駆け抜けた。
「はぁ・・・ン・・・」
一度情事を終えた体は敏感で、の胸は直ぐに反応してしまい乳首が赤く尖ってしまう。
それを舌先で捕らえると、舌全体で潰すように転がした。
「ああっ、ダメぇ・・・っ」
ぞろりと舌が撫でる度に快感が腰を駆け抜ける。
ずくんと疼くような甘い感覚。
「十四朗さん・・・いや、ァ・・・」
「嘘付け」
はまだ土方の足の上に座り込んでいた。
だから土方は自分の足に触れる濡れた感触にも気づいていた。
「さっきから濡れ濡れじゃねぇか。これなら直ぐに入りそうだな」
先ほどとのセックスを終えたとは思えないほどに土方自身も太く硬く勃ちあがっている。
「あっダメ・・・っ」
「ダメじゃねぇだろ」
そう言って笑いながら、土方はの腰を抱え上げて自らの上に下ろした。
ぐじゅ・・・といやらしい音を立てて埋まりこむ。
「あはぁっ・・・」
嫌がっていたのとは裏腹に、は気持ちよさげな悲鳴を漏らした。
挿入の瞬間の、ぞくぞくするような快感がそこにはあったせいだ。
「やっぱイイんじゃねぇか」
「ち、ちが・・・あっあっあっ・・・」
に体をぴったりと密着させて土方が腰を揺らす。
自らの体重でより深く突き刺さる感覚に震えながら、首に腕を回した。
強請っているのかと思うほど、自然なやり方だった。
「ああっ、あンっ・・・や、あ・・・っ、はぁっ」
腰の動きに合わせて声が出てしまう。
ここはホテルなんかじゃない、ふすま一枚隔てた土方の部屋だと言うのに。
外を誰かが通りがかれば気付かれてしまうかもしれないと言うのに。
「やっ、も・・・っ、誰か・・・来ちゃ・・・たらっ・・・」
「心配すんな。知らねぇふりするさ」
「やだ、ばかぁ・・・っ」
罵るをキスを一つ。
くちゅくちゅと唾液の絡む官能的な味のキス。
荒い吐息が交わって、唇を舐めあって。
角度を変えながらのキスの合間も土方の腰は止まらない。
少しずつスピードを上げて追い込まれ、は自分の絶頂がすぐ傍にあることに気付いた。
「あっあっあっ、イっちゃ、う・・・あっ、ダメぇっ・・・イくぅっっ!!」
びくっとの背がしなる。
「う・・・っ」
その瞬間のきつい締め付けに土方も2度目の精を放つ。
先ほどの様に外ではなく、中で。
「――――っ!!・・・あぁぁ・・・」
熱い。
何も考えられなくなるような、夢のような絶頂だった。




その後。
これもうちょい改良した方がいいぜ。
土方の説明を真摯に聞いたは、しかしもう二度と土方の前で試す事は止めようと思ったのであった。


「・・ていうか・・・女友達に頼めばよかったのよね・・・」


だるい体を引きずって、屯所を出たは大きく溜め息を吐いた。





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2年越し(もっとか・・・)に終わらせました。
終わらせていないの気になってたんです。
遅くなってすみませんでした。