独りってどんな気分ですか。
雨のケダモノ
「独りってどんな気分か、ボクは良く知ってるから」
危険な任務だったけどそう言ってついて来たがった可愛い恋人。
3年前に出会った時はまだ子供のようだったけど、愛を与えたら瞬く間に女になってしまった可愛い恋人。
大事に愛して守り続けている可愛い人。
「アラシヤマ、ボクも行くから。マジック様にお願いして、絶対、ボクも」
今更ではあるが聞き入れなければこんな苦労もさせずに済んで。
だけど聞き入れたからこそ孤独ではなくて。
その日、一人の人間と一匹の狼が島に流れ着いた。
「・・・はん・・・生きてますやろか・・・?」
「ん・・・なんとか、ね・・・」
波に呑まれ、沈んだはずが何時の間にやら小さな島へ辿り着いていたようである。
嗚呼、現総帥よりも無茶なことさせるんだ・・・前の総帥って。
「うー・・・耳に水入ったかも・・・」
は頭の上の狼の耳をぷるぷると震わせた。
「大丈夫でっか?」
「ん・・・でも服脱ぎたいかな・・・アラシヤマ、誰か来ないか見張っててくれる?」
言って、岩陰で服を脱ぎ始めた。
丁寧に畳んで鞄にしまい、そして何と本物の狼の姿になって岩陰から出てきたのである。
「鞄、ボクに掛けてくれる?」
さっきとは全く違う声で喋ってはいるが、アラシヤマは驚いた様子を見せず、
「わてが持ってあげますえ?」
「いいよ、それよりコタロー様探そうよ」
なんて喋りながら森を目指し始めた。
まあ結局何だかんだでずっと失敗し続けているわけであるが。
「不毛だよー。ねーアラシヤマー」
「そんなこと言うても・・・」
次々とガンマ団がコタロー救出のための人員を送ってくる為、仲間だけは沢山いる。
しかし毎度毎度邪魔が入って失敗ばかりだった。
よって毎日アラシヤマと食料採りに行ったり、散歩したりして過ごしている。
ガンマ団の人間が揃いも揃って不毛と言えば不毛。
しかし・・・、
「あ、サクランボ発見!見て見て」
「・・・何だかんだ文句言うといて楽しんではりますな・・・はん」
悪いことだけでもなかったりして。
「ホラ、双子ちゃんだよ。はい一個あげるね。も一個はボクの分」
あーんとか言って差し出してくるものだから、思わずアラシヤマは差し出された木の実を口に含む。
そしても片方を口に含んだ。
傍から見れば、見ているほうが恥ずかしくなる程のラブラブっぷりである。
「結構美味しいね」
口をもぐもぐさせて照れたように笑う恋人が、アラシヤマは可愛くて仕方が無いのである。
あらかた木の実やら魚やらを採ったところで、段々と雲行きが怪しくなってきた。
「・・・アラシヤマ、雨降りそう」
「ほんまや。頃合いもええしそろそろ帰りまひょか」
少し急ぎ足でねぐらにしている洞窟に向かう。
だが一足遅かったらしく、雨がポツ・・・との頬を叩いたかと思うと。
――ざぁ・・・っ
と勢い良く降り出してしまった。
「魚生き返っちゃいそうだね・・・」
「何阿呆なこと言うてますのや!!」
叩きつける雨は勿論避けることも出来ないのでひたすら走るのみだ。
海岸よりは木々がある分、森の中の雨の勢いは多少弱まったが強い雨なので結局雨水は降り注がれる。
こういう時、山肌にある洞窟は不便だな、と思った。
嗚呼ようやく、ねぐら。
二人して息を切らせながら洞窟に走りこむが、既に滴る水で水溜りを作ってしまう程にびしょびしょになっていたのだった。
「ああ、こんなに濡らして・・・。はん風邪ひかんうちにはよ着替えなはれ」
言って振り返った先のを見てアラシヤマは息を飲んだ。
体に張り付いたの服、薄っすら透ける下着に、の肌を流れる雫。
「そうだね」
アラシヤマの視線に気付くことなく、は服を捲り上げた。
体に張り付いた服をひっぺがしながら脱ぎにくそうにシャツを脱ぐ。
肌が冷えていて若干寒いかった。
ズボンを下ろしたところでアラシヤマがじっと見ていたことに漸く気付いて、は頬を赤くする。
「・・・えっ、ちょ・・・何、見てるの」
何度も見られているけれど、一人だけ脱いでいるところを見られるのは多少気恥ずかしい。
「恋人の体、見てるだけどすえ」
陰気な笑みを浮かべたアラシヤマを見てははっとした表情になる。
どうやら彼のスイッチが入ってしまったようだ。
実際に舌なめずりをしたわけでは無いけれど、表情がケダモノそのもの。
無言でアラシヤマは上だけ脱ぐと、下着姿になったを抱き寄せ囁いた。
「外にも行かれへんことやし、楽しい暇つぶしでもしまひょか」
「・・・もう、馬鹿・・・」
まあ晴れていてもどうせやることなくてこんな事ばかりしているのだけれど。
を離してアラシヤマが布団を敷く。
濡れた髪や濡れた下着で寝転ぶのは若干の躊躇を感じたが、濡れたらあとでアラシヤマに乾かしてもらえばいいだけかと思いなおしは開き直って布団の上に乗った。
覆いかぶさってくるアラシヤマのズボンも濡れているし、なんかもういいやなんて。
「・・・ン」
降って来るキスはいつもいつも気持ち良い。
基本的に器用なのだ、アラシヤマという男は。
ちゅ、ちゅ・・・と静かな音がして唇の中も優しく撫でてくる。
柔らかな舌同士を吸い合って溢れる唾液を垂下して。
何度も角度を変えながら貪られて、は体の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
の横につかれていた腕がそっと胸の上に移動する。
「あ・・・」
ふにゅ、と柔らかな感触を伴っての膨らみをアラシヤマが軽く揉み込んだ。
「あン・・・アラシヤマ・・・」
「可愛いおすえ。もっと見せておくれやす」
「やァん・・・」
好色な動きでアラシヤマはの胸を揉みしだく。
緩急をつけて、時に優しくと時に荒々しく。
「・・・は、ァ・・・あぁ、あン・・・」
そして、下着の上から硬くなり始めた乳首をきゅう、と摘むのであった。
「ひゃっ、・・・やぁ、ダメ・・・」
「何でどすか?感じてはるんやろ?硬くなってますえ」
「ヤダ・・・恥ずかし・・・っ」
嫌々とはかぶりを振るが、アラシヤマは容赦しない。
そっとの下着のホックを外すと、それを上にずり上げてしまう。
そして、膨らんだ乳首にちゅっと吸い付いた。
「あぁっ・・・!」
確かな刺激にびくんと腰が跳ね上がる。
ちゅ、ちゅ・・・ぴちゃ・・・
いやらしい水音を響かせながら舌が這い回る。
きつく乳首を吸い上げられたり、敏感になったところを優しく舌で撫でられたり・・・。
恥ずかしいけれどその度に下半身が揺れてしまうのだ。
ぞくぞくとする快感が腰を駆け抜けるのを押さえられない。
「はぁっ、アラシヤマ・・・っ、ああ・・・あっ、イイ・・・っ」
強請るかのように自然に足が開いて、アラシヤマの足に押し付けてしまう。
「もう我慢出来へんの?」
殊更意地悪そうな笑みを浮かべての胸から顔を上げたアラシヤマ。
下着の上から足の間をいやらしく探り始める。
「あっあっ・・・」
溝をなぞり上げられ、つんと尖った場所にその指が触れる。
「濡れてますなぁ・・・ホラ、どうして欲しいんか言ってみなはれ」
「あっ・・・そんな、恥ずかしい・・・っ」
「言わへんのやったらずっとこのままや。それは嫌どすやろ?」
緩慢な動作で溝を何度も上下になぞられていた。
決定的な快感を与えてもらえずの体は寂しそうに震えていた。
「う、上のところ・・・ぐりぐりしてぇ・・・」
「上?ここでっか?」
アラシヤマの指先が下着の中に埋まり膨らんだの芯をくりくりと刺激する。
「ああ〜・・・っ、あ、ソコ・・・イイっ・・・気持ちイイよォ・・・っ」
駆け巡る快感に鳥肌が立ちそうだ。
背をしならせて善がる。
胸を揉んでいたときと同じように緩急をつけて刺激しながら、アラシヤマがまたの乳首に舌を這わせ出した。
「あっあっ、ダメっ、イっ・・・イ、イっちゃ、イっちゃう!!あっああっ!」
ビクンビクンと腰を浮かせての体が痙攣する。
何度も跳ねる細い腰、ひくひくと震える太股。
「はあっはあっ・・・ああ、イっちゃった・・・」
頬を赤くそめ、恥ずかしそうに潤んだ目で見上げてくる様子にアラシヤマは猛烈な興奮を覚えての下着を荒々しく脱がせた。
そして、自らもズボンを下ろして大きく上を向いたモノを取り出す。
「そんな顔されたらわても辛抱堪らんわ」
乾いた唇を舌先で軽く舐めての太股の間に体を捩じ込んで。
絶頂の余韻で震えるの秘部を割り広げ、一気に突き立てた。
「あああっ!!!」
内壁を擦りながら侵入してくるアラシヤマに、新しい快感を呼び起こされて悲鳴にも似た嬌声を上げてしまう。
ぐちゅっ、ぬぶっ・・・
「あっあっあっ・・・はぁっ、はっ、あっ・・・」
出入りする動きにあわせて嬌声が漏れる。
激しく打ち付けられているのにそれが快感でしかない。
アラシヤマのモノが内壁を擦っている。
そして深く奥に当たるほど打ち込まれている。
「あっあっあっ・・・や、イイっ、あンっ・・・イイィっ!」
ぐちゅっぐちゅっ・・・
気持ちイイ、それしか分からなくなる。
激しさを増す動きに翻弄されながら、薄っすらと目を開いた。
その瞬間アラシヤマと目が合ってキスをされた。
「・・・わて、もう・・・っ」
「出して・・・っ、いっぱい、あっ、ああっ」
どくりと、何かが脈打つ。
足が震える。
「っああ・・・っ」
アラシヤマの苦しそうな声。
熱い迸りが注がれたのだとは感じながら、2度目の絶頂を感じていた。
布団も服も髪もアラシヤマが乾かしてくれた。
ふと思うことがある。
アラシヤマももどちらかといえば孤独に慣れている方だ。
独りというのがどういうものかも知っている。
「ね、アラシヤマ」
「何どすか」
「・・・ボクがいて良かったでしょ?」
パプワ島にくることを反対されて、それを押し切って付いてきた。
でも帰れなくなるのなら、ついて着て良かったと心の底から思っている。
はにっこりと微笑んだ。
離れ離れは嫌だ。
離れ離れにならなくて良かった。
雨が振り続いている。
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久々の夢でございました。
お目汚し失礼しました。