淫蕩ディジーズ
がらがらがら・・・パン!
それはインターフォンどころかノックの音も聞こえぬままに玄関の戸が開き、閉められた音。
不審に思った新八がちらりと覗きに行くとそこには・・・。
「あ、ちゃん。如何したの?こんな昼間に」
いつもは仕事に行っているが絶対に訪ねてこないような時間であることに新八は首を傾げる。
するとはにこりと笑って。
「銀さんは?」
新八の質問はあっさりスルーである。
そんなの態度に新八はちょっとした違和感を覚えつつも、事務所を指差した。
「ソファでジャンプ読んでるよ」
「そう」
やはりにこやかな表情のままでとたとたと万事屋に上がり込む。
一連の流れに若干の違和感は感じるものの、来客だからと新八はお茶を淹れにとは別の方向へ向かった。
事務所に行けばだらしなく仰向けでジャンプを読んでいるダメな大人の代表が嫌でも目に飛び込んでくる。
「銀さん」
機嫌の良い声音で声を掛けると、ジャンプを少し離して僅かに頭を上げた銀時と目が合った。
「?何の用だ、こんな真っ昼間に」
「うん、銀さんに急に会いたくなって仕事出てきちゃったの」
「マジでか。何よ何よ一発ヤりたいなら呼んでくれりゃ何処でだって・・・」
「誰もそんなこと言ってねーだろ!!!」
ガヅン!
銀時の下品な言葉に新八のお盆が炸裂する。
お茶の乗った盆で叩いた割りにお茶は無事という奇跡的状況だった。
流石突っ込みの鬼。
「痛ってぇな。何しやがるこのダメガネ!!」
「何でも突っ込めばオッケーだと思ってると飽きられるアルよ、コルァ!」
こいつら放っといたらボケっぱなしになるのを阻止してやってるのに何でこんなに責められなきゃならないんだろうと思いつつ、新八はを見た。
やっぱり、何か様子が変な感じだ。
少しぼんやりとして、銀時ばかりを見ている。
「ちゃん、やっぱり何処か具合でも悪いんじゃ・・・」
「んだと、このダメガネ!が俺に会いたいっつーのは至極まともな自然現象じゃねーかコラ!」
「メガネのレンズ外すアルぞ、コルァ!!」
ぎゃんぎゃん騒ぐ3人を尻目にはうっとりと溜め息を吐いた。
ぼんやりとした視線の先には、やはり銀時。
「・・・銀さん」
「あ?ちょっと待て今このダメガネに教育的指導をだな・・・」
には視線を移さず捲くし立てる銀時の背中にするりと細い腕が回る。
「・・・銀さん・・・」
僅かに光る艶っぽい声色を滲ませは銀時の言葉を無視し抱きついていた。
「・・・ちゃん?俺の話聞いてますか?今はちょっと忙しくてですね・・・」
「銀さん・・・大好き」
「・・・ダメガネに・・・教育的、指導を・・・」
「会いたかった」
「・・・・・・ちゃん、俺の言うこと聞かないって事は性教育的指導希望ですか・・・?」
「銀さんならなんでもいい」
うっとりとしたの柔らかい声に新八と神楽が顔を見合わせる。
何だコレ。
「・・・やっぱり何か悪い物でも食べたアルか?」
「若しくは頭でも打ったんじゃないかな・・・」
普段見ない姿なだけにこのベタベタっぷりは呆れるを通り越して、怖い。
銀時もそう思ったのだろう。
少し脂汗を浮かべてを振り返る。
「・・・ちゃん、あの、何か怒ってます・・・?」
「え?何で?」
「何でって、オメー、なんか何時もと雰囲気が・・・」
「何か違う?あたしはいつでも銀さんが大好きだよ。・・・いつだって会いたいと思ってるよ」
「・・・」
見上げてくるの視線は本物だ。
だけど女心というものは非常に複雑で理解しがたい。
巧みに隠していても男はそれに気付けなかったりすることが多々あるわけで。
「・・・銀さん、二人きりになりたい」
僅かに目尻を染めて少し恥ずかしそうに言う。
銀時は思った。
うん、まあこれが仮に演技でもいっか。
目先の幸せを追ってしまうダメ大人は即座にそう考え、新八を見た。
その視線に『神楽連れて実家帰れ!!!』という雰囲気をありありと読んだ新八は溜め息を吐く。
「・・・無理矢理早退させるってことは有休早退なんでしょうね」
「ごちゃごちゃうるせーんだよ。明後日くらいまで帰ってこなくてもいいぞー」
「・・・はいはい。じゃーお疲れ様でした。神楽ちゃん、帰るよ」
「何でヨ!私の家はここネ!!新八の家酢昆布ないから嫌アル!」
「じゃー帰りに買ったげるから。行くよ」
ずるずると神楽をひっぱり新八は万事屋を後にしたのであった。
それを見送った銀時。
で、振り返っての顔が阿修羅になっていたらどうしようかと思いつつ、をそろりと見遣った。
そこには先ほどと変わらぬ風に銀時の背中に抱きつくの姿が。
「・・・、ちゃん?」
「なあに?」
「何も、怒ってないよな?なっ?なっ?ないよな?」
「怒って欲しいの?」
きょとんと見上げてくるはやはり何も無いようだ。
「そんなことあるわけねーだろ。銀さん、ちゃんにエブリディ優しくされたいんですけど」
「ん、判った。じゃ優しくする」
言ってにこ、と笑う。
やっぱり普段と比べて様子がおかしいものの、既に銀時にはそんなこと気にならなくなっていた。
回されたの手をやんわりと解き、ソファに深く腰をかけを膝に乗せる。
安定が悪いのでは銀時の首に緩やかに腕を回し、そのままの動作でさも当然のことかのように銀時に向かって体を屈める。
「あれ、ウソ、マジですか」
桜色の唇が優しく押し付けられて。
合わさった唇の隙間からちろりとの舌が銀時の舌を撫でた。
の味が広がり、銀時もの唇を夢中で吸う。
軽く吸っては僅かに離れ、混じる吐息をお互いに飲み込むようにまた重ねる。
何度も角度を変え思う存分貪りあった。
「はっ、ン・・・銀さん・・・好き」
合間に何度も漏れるの告白が更に銀時の気分を高揚させる。
いつも銀時がの髪に鼻先を埋めるように、が銀時の銀髪に顔を埋める。
「銀さん・・・、」
ぎゅうぎゅう抱きしめられて密着した体の柔らかさ。
何度も囁かれる名前の甘い響き。
「そんなに銀さん誘って如何したいのちゃんは」
「・・・ん」
の体のラインをなぞりながら緩んだ口許で言ってみる。
「銀さんとどうなりたい訳?」
「・・・どうなってもいいよ。でも・・・」
は少しだけ考えるそぶりを見せた。
やや言葉を探した後。
「意地悪はしないで?」
「馬鹿言え。銀さんがいつちゃんに意地悪したよ」
「いつもでしょ。・・・優しく、愛して欲しい」
お願い・・・。
銀時の胸に頬をすり寄せてはうっとりと目を閉じた。
無防備にも身を預けるを見て銀時は、
これはもう食っちゃっても文句言いません銀さんの好きにして。って事だよな、うん!
なんて納得して着物の上からの太股をすりすりと撫でた。
は動かない。
寧ろ僅かに頬を染めて心なしか嬉しそうだ。
「」
そっとの顎を掴み今度は銀時から口吻けをする。
舌先での唇を割り緩やかに舌を絡ませて。
「っ、ン・・・ん」
身じろぎながら銀時の服を緩く掴むの手の健気さが可愛い。
ちゅ、と小さな音を立てて舌先を吸い上げて唇を離す。
そのままゆっくりとの首筋に唇を押し付けた。
甘い、女の子特有の優しい香りが鼻腔をくすぐる。
きっとどんなお菓子よりも女の子というものは甘くて柔らかくて。
「って美味そうだよな。すっげーいい匂いするし」
「ん・・・じゃあ、悪くなる前に銀さんが食べちゃって」
「え、いーの?マジで食べちゃっていーの?」
「いいよ。銀さんになら」
にこりと笑って帯を解く。
ずるりと丸い肩をすべる着物。
「さ、どうぞ」
肌蹴た着物を身にまとって僅かに首を傾げて催促する様は可愛いのに扇情的で。
いつもと様子の違うに対して残っていた疑惑の念とか理性とかそんなもの全て払拭させるような。
「・・・頂きマス」
の腰を強く抱き寄せ、体を少し屈めて柔らかなの胸に顔を埋める。
ゆっくり手を回してブラのホックを器用に外して、取り去って。
柔らかく豊満なの胸に直に触れた。
「・・・期待しちゃってた?こんなに勃ってるぜ」
「ぁ、ん・・・」
膨らんだ乳首をぷにっと摘み上げ、銀時が笑う。
そのまま顔を近付けて柔らかな唇がの胸に触れた。
ざらりとした舌が這う。
刺激するように舐めてみたり、しゃぶりたてては吸ってみたり。
勿論空いている方はひっきりなしに指で弄っている。
「ん、ふ、ふふ・・・くすぐったい・・・ぁ、ぁあ・・・」
ちゅ、ちゅ、と唇で扱かれるとはぴくりと仰け反った。
銀時が少し視線を上に移せば白い喉元が良く見える。
「あ・・・銀さん、あん・・・っ」
銀時の髪に指を絡めて催促するように撫でる。
意地悪く指がの乳首を弾くたびぴくんぴくんと体が跳ねて、まるで強請られているように胸が銀時に押し付けられた。
そうやって胸を愛撫しながらも銀時の手は好色に腰や腰や尻を撫で回している。
「んっ、やん・・っ」
崩れた着物を更に掻き分け、銀時の手が太股からもっと確信へと移動し始めた。
すりすりと下着越しに割れ目を撫でられる。
くすぐったいような、もどかしいような。
「濡れてんな」
「あ・・・っ」
誰に言うともなく銀時は呟いて、下着の上からぐりぐりと指先を押し込んだ。
愛液がじわりと染み込み下着の機能を奪い出す。
「ひゃぁぁっ・・・!」
滑る布越しにつるりと芯を撫でられ思わず悲鳴に似た声が上がった。
「何?感じちゃった?」
「やっ、ぁん・・・、ン、いい・・・っ」
「そーかそーか。素直で宜しい」
言いながら銀時はの下着を横へとずらすと、その間から指を突っ込んだ。
「きゃんっ・・・!銀さ、ん・・・っやだ・・・恥ずかし・・・っ」
下着を脱がすのではなくずらすだけ。
多少無理にひっぱられた下着が腰に食い込む。
「エッチな眺めだもんなァ。でも気持ちいいだろ?」
「はぅぅっ、あ、あぁぁ、あ、はぁっはぁっ・・・」
親指で芯を刺激しながら指を出し入れする。
溢れた愛液が銀時の指を助け、何の抵抗もなく飲み込んでいた。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響く。
「はぁっ、あぁ・・・あぁぁ、あ・・・っ」
断続的に銀時の指を締め付けながらもは切なそうに溜め息を漏らしている。
「全然足りませんって顔だな。もっと別のモン欲しい?」
「んっ、欲しい・・・っ、銀さぁん、お願い・・・入れて・・・」
「よしよし、さっきから素直で宜しい。・・・んじゃこのまま入れっか?」
「え・・・っ」
ジィィ、とズボンのファスナーを下ろす音がして、銀時が勃起したモノを取り出す。
そして、ぬぶり。
「あっ・・・!あぁぁっ、あ・・・っ」
そのまま下着も脱がせずにの中に埋め込んだ。
「うぉ、さらにやらしー眺め」
嬉しそうな銀時の声にはほわっと頬を赤らめる。
「はぁっ・・・あんっ・・・銀、さ・・っ」
「う・・・締まる・・・」
羞恥心に体に力が入ったのか、内部の銀時を締め付けながらもは腰を揺らめかせた。
「あっあっ・・・あぁっはあぁぁ・・・っ」
ぐちゅ、ぐちゅ・・・。
銀時が下から突き上げるたびにとぷりとぷりとの中から愛液が溢れる。
足を抱え上げ、更に深く。
ソファが悲鳴を上げるのも聞かず、銀時は徐々にスピードを増していく。
「やぁっ・・・あ、あはぁ・・・っ、ダメぇ・・・っ」
ずんずんを奥を突かれ、それでなくとも自分の体重で痛いくらい感じてしまうのに、激しく攻め立てられては銀時に縋りついた。
「・・・、」
「はぁっ、あぁっ、あっあっ・・・すご、い・・・っ」
きつく抱きつき、粘膜を擦り合わせる快感に耐える。
見え始めた絶頂に追いすがるように。
「ダメ・・・っあたし・・・あぁっあ、ぁぁぁっ・・・」
「っ、く・・・はぁ、出すぜ・・・」
「あぁぁぁっ・・・!!」
抱き合ったまま同時に達する。
びくりとの体がしなり、銀時は力強くの腰を抱きしめて。
何度もきつくなるの壁に、2、3度腰を押し付けては全てを吐き出そうと。
こぷり、と交じり合った白い液体がの体から溢れた。
それを感じたがぴくりと、体を震わせて銀時を見る。
「はー・・・サイコー・・・」
絶頂の余韻と出してすっきりしたような表情で銀時は呟いて。
そして、は。
「・・・ちゃん、本当に病気だったんですね」
「ええ。なんか変な病気が流行ってるらしいのよ。恋人が好きで好きで堪らなくなって、ある一定ラインを超えると今度は徐々にテンションが下がって、終いには嫌いになっちゃうんですって」
「じゃあは今その病気のせいであんなんなってたアルか」
家に帰った新八と、連れて行かれた神楽。
お妙にその話をしたら、今流行りの病気の話をされた。
大体その症状は上記の通りであるそうで。
「一定ラインさえ超えなければ大丈夫らしいけどね」
「ふーん・・・あの二人大丈夫かなァ」
「大丈夫アル!銀ちゃんのへの愛情は無限ネ!」
「・・・何ソレ、少女漫画でも読んだの?神楽ちゃん・・・」
「あの、ちゃん・・・?」
「・・・何。ていうか寄らないで。なんかわかんないけど顔も見たくないの。出てってくれる?」
「いや、ここ俺の家なんですけど」
「知らない。何であたしがあんたのこと気遣わなきゃいけないわけ?ていうか声も聞きたくないし、同じ空気も吸って欲しくないんだけど」
「それ俺に死ねってことォォォォ!?」
セックスの直後、は豹変した。
理由は分からない。
しかしさっきまであんなにべったりで可愛かったが急に冷たくなったのだ。
いや、冷たいというレベルではない。
「死んでもいいけどあたしには迷惑かけないでね。でも生命保険にあたしの名前書いて死んでね。今までの慰謝料として」
「慰謝料って、銀さんちゃんに何か迷惑かけましたか?」
「え?生きてあたしの目の前に存在したじゃない」
「やっぱり死ねってことォォォ!?」
「つーかうるさい」
結局の病気が治ったのはその二日後の事。
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久々銀さん。
いつもよりも更に甘甘めにしようと思ったけど、甘いっていうのがどういうのか判りませんでした、ギャフン。なんかいつも通りっぽいね。
オチは銀さん不幸気味で。銀さんに意地悪したい子ですんまっせん。
そしてやっぱりヤりまくっててすんまっせん!