選ぶ道は4本あった。
そっけないけどいつも自分の事を考えてくれていた銀時。
明るくていつも笑って温かい気持ちをくれた辰馬。
真面目な割りに変なところ天然で優しかった小太郎。
そして。
恐ろしい獣の視線で、あたしを愛してくれた・・・晋助。
そう、私には選べる道が4本もあったわけだ。
逆に言えば、その内3本は如何やっても選べない道。
袂を別つその日に私は銀時と辰馬と小太郎に別れを告げた。
ありがとう銀時、銀時が一番あたしの面倒見てくれた。
ありがとう辰馬、辰馬が一番あたしを明るくしてくれた。
ありがとう小太郎、小太郎が一番あたしに教養を与えてくれた。
さよなら、さよなら。
ごめんねあたしは晋助に付いてゆきます。
それが一番の修羅の道だったとしても構わない。
皆はあたしを家族みたいに愛してくれたけど、晋助はあたしを女として愛してくれたの。
だから皆。
ありがとう、さよなら。
取って代われ、獣の様に
「で?、何でオメーがここにいるんだよ」
「晋助と喧嘩したの。プチ家出して心配させてやろうと思って」
「プチ家出って、オメーどっかの女子高生ですか?思春期気取りですかァ?そういう発言はよォ、乳がでかくなってから言え」
「気取りも何もあたし今思春期真っ只中よ?17歳なんだから。それに胸もあの当時よりは大分大きくなったもん」
滅多に無い仕事をこなして帰ってくると、そこには高杉に付いて行ったはずのが座ってテレビを観ていた。
驚く新八やらリアクションの薄い神楽やらに簡単に挨拶と名前だけ言って、何事も無かったかのようにテレビに目を移す。
そんなの頭をぐりっと自分の方に向け、銀時は最初の質問を投げかけたのである。
「・・・17か。そりゃ乳もでかくなるわな」
あの当時はただのチビガキだったのになぁ。
などとセクハラまがいのことを言う銀時には怒る事もせず。
「そりゃ殆ど毎日晋助に揉まれてるからねぇ。大きくもなるデショ」
「んなこと誰も聞いてねえっつの。うちにも思春期がいるから過激な発言は止めろ。止めないと乳揉んだ上で出したり入れたりするぞコノヤロー」
「あんたの方が過激だよ!!それより銀さん、晋助ってもしかして・・・」
と銀時の間に割って入り、突っ込みをいれる新八。
聞き覚えのある名前に多少真剣な表情だ。
「高杉だな」
「やっぱりィィィ!!!ちょっと、まずいんじゃないですか?高杉って攘夷浪士の」
爆弾をほいほい持ち出す桂よりも危険な男。
仲間だからと容赦など見込めそうも無い。
「あ、そこの眼鏡君、大丈夫。晋助には何もさせないから。だからさー、銀時ちょっと匿ってよ」
「何でだよ。ヅラか辰馬のとこ行けよ。俺ン家はもうガキ養う余裕なんかねェ」
「小太郎も辰馬も住処が安定してなくて何処にいるのか判らないんだもん!お金の事は気にしないで。とりあえず自分の事は自分でするから」
「そういう奴に限って慣れてきたら一緒に飯食ったりすンだよ。ほら、帰れって」
シッシッと追い払うように銀時はひらひらと手を振る。
「2、3日でいいから!そしたら帰るからァ〜、ね、お願い!」
「オメーな、どうせくだらねーことで高杉と喧嘩したんだろ?お前匿って俺に飛び火したらどうすんだよ。あいつ、お前のことになるとキモイぐらい見境なくなるからな」
普段ですら見境無いのに・・・とブツブツ呟いて銀時は迷惑そうである。
しかしそれで怯むではない。
旧知の中であるという事実が何処までもを図太くさせていた。
「じゃあ今日一日だけ!明日帰るから・・・ねっ?」
お願い!と頼み込めば、銀時は渋々ながら了承した。
妹のように可愛がってくれた銀時が無下に追い払ったりしないことをは知っていたのである。
・・・結局すぐに神楽と仲良くなり、終いには新八の警戒心も解いてしまって。
「ちゃんも一緒にご飯食べなよ」
なんて。
夕方、夕食の準備をしていた新八がそう声を掛けるほどに。
「え、いや・・・いいよいいよ、あたしは」
「ガキが遠慮してんじゃねぇよ。食ってけ」
「銀時まで・・・」
余裕は無いと言っていたくせに、結局面倒を見てしまうところは変わってないなあと思いは苦く笑う。
「どうせ高杉と二人だけの辛気臭ェ食卓なんだろーが。偶にゃ賑やかなのも味わっとけ」
ちょっとうちはうるさ過ぎるけどな、と呟いて部屋を見渡した。
確かに賑やかだ、とは思う。
あの時代を思い出すくらい賑やかだ。
「ん、ありがと」
何となく苦しいような気分になりながらは微笑んだ。
そんな話をしているうちに、新八と神楽が皿を持って来た。
そして神楽がと銀時の間に割り込んでくる。
「の隣は私ネ!!銀ちゃんは向こう行くヨ」
もうすっかり仲良しである。
明るく急かす声を聞きながら、はゆっくりと箸をのばした。
嗚呼なんだか懐かしい。
何故此処に辰馬と桂と高杉がいないのだろうかと考えてしまうほどに。
あの当時の記憶は美しく、今も鮮明にの中に生きているのだ。
これが家族なのだと明確に感じた日々が、今この銀時の周りにもある。
多少羨ましくもあり、懐かしい。
だけどは高杉を選んだのだ。
それがどんな道に通じていようとも、それが茨だらけの峠を駆け抜ける修羅の道だったとしても。
だって高杉を愛していたから。
「・・・」
突然、の箸が止まる。
「どうしたネ?嫌いなものでも入ってたアルか?」
「・・・ううん、違うの。・・・神楽、新八・・・銀時・・・あたし、帰る」
「えっ、如何して?とりあえずご飯だけでも食べて行きなよ」
いきなり箸を置いたに新八は声を掛けるが、は苦しそうな微笑を浮かべて。
「・・・ありがと・・・。でも、こうしてる間にも晋助は独りでご飯食べてるかもしれない。あたし、晋助のたった一人の家族だから・・・晋助とご飯食べる」
「・・・・・・そーしたきゃそーすりゃいいんじゃねぇ?お前昔っから高杉のことばっか気にしてやがったしな」
銀時は肩を竦めて見せるが、そっけない振りをして僅かに口角が上がっているのが見えた。
結局、銀時には判っていたのかもしれないと思った。
自身が誰を選んで、どういう思いでついて行ったのか。
そして今、は如何したいのかを。
「銀時、ありがと。・・・さよなら」
席を立ち、振り向きもせずには戸を開ける。
二度目の別離。
いや、もしかしたら次回はないかもしれない。
いつか銀時と高杉が刀を交え、本当に憎しみ合う日が来るかもしれないから。
だからさよならと言った。
だけど。
「・・・おう。・・・気が向いたらまた来いや」
「・・・また、来ていいの・・・?」
「好きにすりゃ良い。・・・けど不法侵入はするんじゃねぇぞ」
「・・・ん、じゃぁ・・・また・・・」
銀時の言葉に温かな笑顔で振り向いて、は出て行った。
小さな音を立てて閉められた戸は、その後少し静かになった部屋に大きな静寂を残す。
そんな中、ぼそりと銀時が呟いた。
「・・・ところで、の奴気付いてなかったみてぇだな・・・」
「え?何がですか?」
「・・・んー・・・、カビ生えそうな程の根暗な気配」
「っ・・・」
息を飲んだ。
「・・・なぁに驚いてやがる」
万事屋を出た直ぐ。
本当に、その直後。
裏路地からすっと出てきたのは、高杉。
「・・・し、晋助・・・何で、あたしが此処に居るって・・・」
「クッ、俺から逃げられるとでも思ったのか?」
「そんな、つもりじゃ」
ただ、銀時のところなら見つからないと。
銀時のところには現れないだろうと高をくくっていたから吃驚しただけだ。
「で?銀時のヤローのとこから出てきてお前如何すンだ」
「・・・それは・・・」
「もう、帰ってこないんじゃなかったのか?」
意地悪く笑ってを見る高杉に、は気まずそうに視線を逸らした。
出て行く前の、売り言葉に買い言葉とかいう奴で。
『いいもん!あたし銀時の家の子になる!!もう晋助なんて知らないからね!』
「や・・・えと・・・」
だって、やっぱり高杉がいないとつまらなくて。
賑やかな食卓でさえ色褪せて見えて。
気になって気になって気になって。
「だって・・・晋助が居ないと・・・つまんないんだもん」
「・・・で?」
「だから、だから・・・」
ちろりと高杉を見ると、何かを欲するような視線。
「俺のとこに帰りてぇんなら・・・何か一言あるんじゃねぇのか」
「・・・・・・ごめんなさい、もう逆らいません」
非が高杉にあったのだとしても、この愛は一種の服従精神に似ていた。
高杉が一番。
高杉が正義。
高杉に絶対服従。
他人から見れば歪んだ関係かもしれないけれど、はそれで幸せで、高杉を本当に一番に考えていたから何も嫌な事はなかった。
高杉がもし死ねと言うならば喜んで高杉の刀に刺さりに行くだろう。
「・・・クク、逆らわない?じゃあそれを態度で示せよ」
言うなり高杉はを万事屋と隣の建物の間の路地に引っ張り込んだ。
どすんと鈍い音がするほどに勢い良く壁に押し付けられは頭を打って顔を顰めた。
しかし抗議の声を上げるよりも早く高杉がの唇を塞いでくる。
「ぅむ・・・っ」
呼吸までも奪うかのような獣のキス。
無理矢理唇を割られ舌を吸われる。
クチュクチュと音を立てて、吸ったり絡めたり。
溢れる唾液を必死で飲み込む。
だけど飲み込みきれなくて、混ざり合った唾液が顎を伝った。
「はっ、ぁ、ん・・・っ」
僅かに離れたと思えば角度を変えて、貪るようにいやらしく絡み付いてくる。
皺になるかと思うほど高杉の着物を掴み、はその激しいキスを受け入れた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
ようやく離れた時には酸欠気味で苦しそうに胸を上下させる。
ほんの少し頬を赤くして高杉から視線を外し息を整えている様子は蒲団の中と変わらないと思う。
「、裾上げてパンツ脱げ」
「え・・・っ」
「今どんだけ濡れたか見せてみろって言ってんだ。出来るだろ?逆らわねぇって言ったトコだからな?」
何とも恥ずかしい要求にはカッと頬を赤くした。
しかし壁に押さえ込まれた今の状態を振り払う事も出来なければ、拒絶も出来ない。
一瞬の躊躇の後、それをしっかと悟ったはおずおずと屈み、着物の裾を捲り上げる。
高杉の目の前で徐々に露わになる白い足。
恥ずかしそうに頬を染め、俯いたままはくるくると着物を捲り上げて太股を露わにした。
そして。
「・・・こ、こんなところで・・・脱ぐの?」
「嫌なら止めてもいいんだぜ」
残酷な笑いで高杉は言う。
ここで拒否をすれば見限られるかもしれない。
そんな思いがを動かした。
「・・・うぅ・・・恥ずかしいよォ・・・」
通行人の誰かがちろりとでもこの路地に目をやれば、野外でパンツを脱ぐ女の姿が目に入ったことだろう。
嗚呼高杉以外に見られるなんて死んでも嫌なのに。
足先からそれを抜き取ると、地面に置く。
後でまた穿く事を考えるとなんだか嫌な気分だったが、致し方ない。
すると高杉が無言でぐいっとの片足を持ち上げた。
勿論は片足だけで体を支えねばならず、壁に体を押し付ける格好になる。
そんなの足と足の間を高杉は二本の指で割り開いた。
「ひゃぅ・・・っ」
敏感なところがヒヤリとした外気に触れ、が戦く。
「ククク・・・すげぇ濡れてるぜ?外で興奮してンのか」
「違っ・・・」
「違くねぇだろ」
高杉が濡れるソコを緩く撫でたかと思うと、いきなり二本の指を突き立てられた。
「うぁっ・・・!」
一瞬の圧迫感に思わず声が漏れるが、濡れたソコはの気持ちを無視して高杉の指をやすやすと飲み込む。
そのまま無遠慮にぐちゅぐちゅと中を掻き混ぜられた。
「やっ、あっ・・・あぁ、ァん・・・っ」
声が漏れるのを押さえられない。
高杉の指の動きは正確で無駄がなくて、中を探るようにいやらしく激しく。
卑猥な水音を立てて苛んで来た。
「はっあっああっ、あ、ぁあぁっ、ダメ、や、あっ・・・あぁぁっ」
びくりとの体が痙攣する。
軽く達してしまったようだ。
「何だ、イったか?」
「はぁっ・・・ばかァ・・・っ」
高杉が指を引き抜くと、とぷりと愛液が溢れ出しの足を伝う。
「濡れ濡れじゃねぇか。ヤローの家の壁でこんな事ヤってるって知ったらあの銀髪如何いう顔すっかな」
「な、なんで銀時が、出て、くるの・・・」
「あいつに見られるかもしれねぇって考えたら余計に濡れてくるんじゃねぇのか?」
「濡れないよ!あたしは、晋助だけが一番・・・」
「・・・どうだかな」
ふっと自嘲気味に嗤う高杉に、はいきなり高杉の掴んでいる片足を振り解いた。
「・・・何すンだ」
突然のの行動に高杉は不満そうに顔を顰める。
しかしはそれを聞かず、高杉の前に跪いて。
「何であたしが銀時を一番だと思うって思うの。こんなに晋助を愛してるのに」
言って、高杉の着物の袷目から手を入れて、高杉の性器に触れた。
こんな痴態を演じさせられた甲斐があったというべきか、やや反応しかかっているそれを取り出して先端を口に含む。
「ん、ふ・・・」
ぞろりと舌で撫でて緩やかに咥え込んだ。
途端、大きく膨らむ高杉のソレ。
「んっんっ・・・」
唾液を絡めて舌と唇で一生懸命扱く。
そうやって口内に出し入れしながら滲み出る高杉の味を堪能した。
「む、ぅ・・・しん、すけ・・・・・・」
ちゅぷちゅぷと卑猥な音を立てて一心不乱に奉仕する様は、多少高杉の気分を落ち付かせたようで。
しゃぶりたてるの頭を軽く撫で、髪をさらりと優しく弄ったりして。
「・・・命令してもねぇのに淫乱な女だ。・・・美味いか?」
「ん・・・っ、おいしい・・・です・・・」
じゅぷじゅぷ、ちゅぐ、ちゅ・・・。
強く先端を吸い、裏筋を舐め上げて、唇で竿に噛み付く。
「ぅ・・・」
冷静に傍観していた筈の高杉が僅かに眉を顰めて、の顎を掴み上を向かせた。
その行動で、の唇から反り返った高杉の性器が零れ落ちる。
「な、に・・・?」
「・・・立って壁に手ェつけ」
「・・・」
言われ無言では立ち上がった。
震える足で高杉に背を向けると、そっと万事屋の壁に手をつく。
すると、ダンッ、と乱暴に高杉の腕がを囲うようにつかれて。
愛しい男の体が押し付けられるのを知った。
探るように後ろから、高杉の硬くなったものがの尻を探る。
「・・・欲しいだろ?言えよ、欲しいだろ?」
荒い呼吸で耳元に吹き込まれる声に、は震えるほど興奮するのを感じた。
飽くまで高杉は隠そうとしているようだが、冷静そうなその声に滲んでいる欲は隠せていない。
自分に欲情してくれている。
その事実に可笑しくなりそうだ。
いつも高杉は自分を獣だと言っていたが、自身この瞬間は自分も獣になると思っている。
高杉が欲しくて欲しくて、愛しくて。
心の中が獣に成り代わられたような気分になる。
「・・・欲しい、晋助・・・、晋助が欲しい・・・っ」
「・・・・・・いい仔だ・・・」
安堵したような優しい声で呟くとを一気に貫く。
ぬぶりと卑猥な音が響いた。
「はぁぁっ・・・!」
溜め息交じりの悲鳴が漏れる。
馴染むのを待つこともなく高杉は腰を使い、を激しく攻め立てた。
「あっあっ・・・はぁぁ、あ、あぁぁっ」
深く突き上げられては一気に引き抜かれ、内壁を擦られる感覚には足を震わせる。
「あっ、しんすけ!しんすけぇぇっ・・・!」
後ろから手を回され、胸を鷲掴みにされた。
乱暴に揉みしだかれるがそれすら気持ち良い。
「やっ、ダメ・・・っはげし・・・っ」
いやらしい結合音を立てながら高杉の動きが段々早くなってくる。
ただ、絶頂を追うだけの動きに。
「はぁっ、あっ・・・あんっ、あたし・・・、もう・・・っ」
「クッ・・・いいぜ、イけ・・・」
掠れた声で吹き込まれ、ぞくりと背を震わせた。
「あっああ・・・あぁぁぁぁっ・・・!」
びくりとの体が跳ね上がる。
同時に後ろの高杉も軽く体を震わせたのが判った。
熱い迸りを体内に感じながら、は意識を手放す。
目が覚めたら、高杉の腕の中にいた。
ねぐらの蒲団の上で子供を抱くようにして自分を抱いている高杉。
「・・・晋助」
「・・・」
呼びかけると視線だけが返ってくる。
「迎えに来てくれて・・・ありがとう」
「・・・テメェがいなかったら俺の飯作る奴がいなくなるだろ」
「・・・うん」
仲間すら簡単に信用する事の出来ない世界に生きる高杉。
その身の回りを全てが世話している。
それはが高杉に絶対の信用をされているという事実。
「家族だもんね」
「クッ・・・馬鹿かテメェ」
言いながら高杉が僅かに微笑む。
それが愛しくて愛しくて。
高杉を守るためなら獣になっても修羅になっても構わないとさえ。
あたしは晋助に付いてゆきます。
それが一番の修羅の道だったとしても構わない。
獣に成り代わってでも生きてゆきます。
だって晋助を愛しているから。
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夢なんだから、ヒロインはやっぱり特別扱いでなくては。
高杉除く攘夷組に育まれ、高杉に溺愛されてるヒロインです。
逆ハーレムっぽくあるかもしれませんが、高杉以外の3人は決してヒロインを恋愛対象には考えておりません。
可愛い妹(ちょっとペット扱い。マスコットみたいな)ですね。