「え、と・・・結局俺達付き合ってるの・・・かな?」







そして蝶は空へと舞う/4.5







何と言う温かい気分なんだろう。
女の子というものはきっとこの瞬間の為に生まれてくるのだとすら思えるほどに。
嬉しくて嬉しくて、何も考えられない。
頬が熱くて、授業がもどかしくて仕方が無くて。
兎に角ツナの傍にいたい。
もっと話をしたい。
昼休みの後、はそうやって上の空で過ごした。
それにしても、不思議だった。
ツナととうなった時、自分はもっと平静に戻れると思っていたのに。
前以上にツナのことばかり考えてしまう。
(だけど・・・そんなことで、良いのかな)
そんなことで、ツナを守ることが本当に出来るんだろうか。
(・・・だめだ、しっかりしなくちゃ)
隙が出来てツナを危ない目に晒したら如何する。
こういう時こそ、しっかりせねば。


「10代目、帰りましょう」
放課後、いつも通りがツナを誘う。
「う、うん」
ちょっと気まずそうな様子でぎこちなくツナも頷いた。
しかしはいつも通り。
普通にツナの横で喋ってたり、笑ってたり。
流石に、ツナが首を傾げる。
(・・・君、いつも通りだけど・・・、もしかして意図伝わってなかった・・・?)
今のままで良いよ、とか、そういうちょっとずれたベクトルで伝わってしまったのだろうか。
「あ、あのさ・・・君」
「何ですか?」
「え、と・・・結局俺達付き合ってるの・・・かな?」
「え・・・っ」
改めて聞かれた言葉にの頬がさっと赤くなる。
「あ、あの!も・・・もしかしてそういう感じじゃなかったんですか!?」
てっきりあれはそういう意味での言葉だと理解していたけれど、舞い上がっていたのは自分だけだったと言う事だろうか。
「すすすすいません!僕、てっきり10代目がそういう風に言ってくださったのかと・・・!」
「い、いや、そういうつもりで言ったんだよ!!でも、あの、君があんまりいつもと変わらないから・・・!!」
ちょっと、不安になって。
恥ずかしそうに言うツナ。
はほっとしたような、焦ったような。
嫌な緊張感にも似た動悸を押さえる。
「いえ・・・あの、10代目のことばかり考えてしまってこれではいけないと思ったものですから・・・」
「俺のことばっかり・・・?」
「は・・・はい。隙が出来て10代目に何かあってはいけないと思いまして。10代目の事を考えてしまわないように、普通にしていたんです」
「あ・・・ああ、そう・・・」
その事実は嬉しいのだか恥ずかしいのだか。
だけど自分のことばかり考えてくれているというのは喜ぶところなのだろう。
互いに頬を赤く染めて、視線を合わすことも出来ぬまま歩き続ける帰り道。
気まずい沈黙を破ったのはツナだった。
「・・・俺のこと、考えてくれてるって聞いて・・・嬉しいよ」
「・・・!」
「俺も、結構君のこと・・・考えてるから」
お揃いだね。
なんて照れ笑いを浮かべるツナの笑顔が、やはりには眩しかった。







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4の後書きの話題もとりあえず書いてみました。
かなり京子ちゃん無視な展開ですんまっせん。