夢を、見た。
それは白い花がゆっくりと開く夢。
幸せ家族計画。
「銀さん、出来ちゃったんだけど」
万事屋に訪ねて来たと思ったら、開口一番これである。
「何が出来ちゃったの、ちゃん」
「・・・女が出来たって言って大体予想つくでしょ?」
「・・・銀さんの大好きなケーキですか?」
「とぼけんのも大概にしろよ、コルァ」
「・・・・・・」
思いのほかは真剣な目つきである。
やっぱりアレか。
「・・・やっぱその・・・アレですか?」
「・・・」
さっぱり要領の得ない銀時。
するとは深く深く溜め息をついた。
「もういいよ。そこまでして誤魔化したいって事はパパになる気ないんデショ。代わりに新八君にパパになってもらうから」
「うおぉぉぉい!ちょっと待て!!諦めんなァァァァ!!」
「金欠で糖尿で甘党で天パがパパなんてこの子が可哀想よね」
「オイコラ!諦めんなって言ってんだろ!!!ていうか甘党は銀さんの個性で天パはチャームポイントでしょぉがァァァ!!」
踵を返しかけたを必死で捕らえ銀時は腕に抱きこんだ。
腹をきつく抱きしめてしまわないように極力気をつけながら。
「・・・子供、出来たのかよ」
「そーよ。あんだけ中で出せばそりゃ出来るってモンよね」
「ぐ・・・」
責める様子ではないけれどもの言葉が突き刺さる。
だけどいい加減な気持ちでそうしてきた訳では決して無くて。
出来たってちゃんと面倒を見るつもりで、いやあわよくばそれで永久にを繋ぎとめておけたらとか。
・・・知られたら、軽蔑されるだろうか。
だが、そんな銀時の思惑に気付くことなく、は俯いて。
「・・・産んでも、いい、よ・・・ね?」
「はぁ!?阿呆か!!下ろすとか許さねーからな!!」
遠慮がちに呟かれた声に銀時は怒鳴るかのように返した。
「・・・喜んでくれる?」
「当たり前だろ」
惚れた女が自分の子を宿したと言う。
嬉しくない訳が無い。
銀時の返事を聞いて、漸くが銀時を見上げた。
不安そうな何とも言えない表情だった。
嗚呼、そうか。
も不安だった訳だ、と銀時は思う。
「病院行ったのか?」
「・・・まだ。検査薬で検査しただけ・・・」
「んじゃ今から行くか?ついて行くぜ」
「・・・ン」
肯定も否定もしない。
それはつまり自身が戸惑っていると言う事なのだろう。
「明日・・・行く」
気持ちの整理をつけてから、ね。
曖昧に笑って見せるがいつもよりも弱くいじらしく見えた。
「・・・ンじゃあ、一日猶予が出来たってこったな」
「え?」
何の猶予だろう。
意味がわからずふと視線を上げるに銀時はゆっくりと顔を近付けた。
ちゅ、と優しく唇が触れ合う。
労う様なその温かさはの不安を少しずつ拭うような気がした。
「・・・ン、銀さん・・・?」
触れ合うだけの口付けの後、じっと見つめてくる銀時には居心地悪そうに視線を逸らした。
「何・・・?あんまり、見ないで」
照れるように言うの頬に手を軽く添え、銀時は自分の方を向かせる。
そしてもう一度無言で唇を押し付けた。
「っ・・・!」
今度は、さっきみたいに優しいものでは無かったけれど。
緩慢な舌先がそっと絡んだ。
じんわりと口内に広がる銀時の味。
「ン・・・っ」
だけど後頭部をしっかりと押さえられていて逃げられない。
何度も角度を変えて深く奪われた。
――ちゅ、く・・・ちゅ・・・
絡む唾液の音が響いて少し恥ずかしい。
「っは・・・銀、さん・・・」
「後一日は俺がちゃん独占して良い?」
「・・・え?」
「そのうちはチビにつきっきりになっちまうんだろ?だから今日一日だけ、良いだろ?」
強請るような視線で、銀時がを見た。
成る程、だから一日の猶予という訳か。
そんな風に言われると、何だか愛しさが込み上げてくる気がする。
「ん、いーよ。おとーさん」
「う・・・なんかその言葉くすぐってえ・・・」
嬉しいような照れるような。
ずっと何処か遠くにあった家族というものが出来ただなんて。
ソファに腰掛け、を自分の膝の上に抱きあげて改めて抱きしめる。
の細い首筋に顔を埋めると、柔らかい香りが銀時を包み込んだ。
「自信ねえなー・・・。俺、とーちゃんとかいねェから」
「何言ってるの。あたしだってママになるの初めてだよ。大丈夫大丈夫、銀さんとあたしなら上手くやれるって」
「・・・」
ぽんぽんと背中を叩いて明るく言う。
そんな励ましに情けなくもちょっと安心している自分がいて、笑ってしまった。
「何?そんなに嬉しい?」
「あ?違ぇよ、いや、違くはねぇけど・・・そんなんじゃないっつーか」
漠然と胸の中に温かい塊があって、それが不安と幸せをいっぺんに醸し出しているようなそんな気分。
だけどがいるだけで不安が薄くなる気がする。
「・・・」
そっと首筋や頬、唇に何度も口付ける。
「ん、銀さん・・・やン、くすぐったい・・・」
「なァ、ちゃん。ここと蒲団どっちが良い?」
「・・・蒲団でお願いします」
流石に万事屋の事務所は・・・何時誰が入ってくるかも判らないので。
「んじゃ、移動しますか」
銀時はを軽々と抱き上げると奥の部屋に入る。
一分一秒だって惜しい気がして、鍵の確認すらしない。
猶予は今日一日しかないから。
敷かれっぱなしだった蒲団の上にを下ろして、その上に乗る。
勿論体重はかけないように慎重に、だ。
「はー・・・暫らくは気軽にこーゆーことも出来なくなるんだよなァ・・・」
「絶対ダメって訳でもないらしいけどね」
「そーなの?二日に一回くらいはおっけー?」
「・・・出来れば一週間に一回くらいにしてください・・・」
二日に一回って殆ど今と変わらないじゃん・・・。
底なしの銀時に呆れつつも、それだけ求められている事は嬉しく思う。
帯を解かれ、着物の襟を割られた。
ゆっくり慎重に銀時の体が押し付けられる。
「あー、のおっぱいもチビに取られちまうんだよなぁ・・・銀さん寂しィー」
「ばか・・・」
肌蹴た着物の襟ぐりから手を差し入れて緩やかに揉みこまれた。
「あ、ン・・・っ」
いやらしいタッチで撫でたり揉んだりされて、先端が膨らみ始める。
それを摘みあげて弄りながら銀時はの首筋や鎖骨に唇を落とした。
「は、ン・・・あ・・・銀さん・・・」
徐々に激しくなる銀時の手の動きに翻弄されつつ、そっと銀時の背に腕を回して。
抱きつくようにすがる。
もっと、と強請っているようにも思えた。
胸元にも唇を押し付け、強く吸う。
「ン・・・っ」
ちくりと痛いような感覚を残し鮮やかな色がうつった。
「さてさて、じっくり味わうとしますか」
呟いたかと思うと銀時はぷくりと膨らんだの乳首に吸い付く。
「やぅ・・・っ」
与えられた刺激にぴくりとの膝が跳ねた。
ねとりと唾液を含んだ滑る舌先が撫で回している。
「あ、はゥ・・・んっ、あ、あぁ・・・」
円を描くように捏ねられて震える指先を銀時の髪に絡めた。
片方の乳房はやはり銀時の手で覆われ、意地悪な指先が乳首を弄っている。
舌で、指で、刺激を与えられる度には背をしならせた。
「のおっぱい美味いなぁ。チビが独り占めなんてズリィー・・・」
「は・・・っ、ばか・・・あ・・・っあぁ・・・」
ぷちゅぷちゅと音を立てて銀時はの乳房にしゃぶりついている。
刺激に何度も背をしならせながらも、はそんな銀時の髪に指を絡め頭を撫でた。
「あれ?銀さんもガキ扱い?」
「ん・・・、なんか、可愛くて・・・」
「それってチビが生まれても、銀さんものおっぱい吸って良いってこと?」
やりィ!なんて言ってまたの胸に顔を埋める。
手はゆっくりと胸を離れ、脇腹を撫でながらもっと下の方へと移動していた。
「あっ、やぁ・・・」
緩く太股を撫でたかと思うと、無遠慮に着物の合せ目を割って中に手が入って来る。
迷うことなく下着の中に指を入れられて思わず体に力が入った。
「お、すげ」
「やぁん・・・っ」
丹念な銀時の愛撫ですっかり濡れてしまったソコはいとも容易く銀時の指を飲み込んだ。
にゅるにゅると滑る指先を浅く出入りさせる。
「はぁ・・・っ、ダメ・・・銀、さァ・・・あ・・・ああ・・・っ」
「ダメじゃねーだろ。超食いついて来るんですけど」
わざと音を立てながらの内部をかき回す銀時。
さっきまで遊び半分だった銀時の表情に熱がこもり始めるのが判った。
意地悪く歪められた唇の端を舐める仕草にドキリとする。
「あっ、あぁ・・・はぁっはぁっ・・・や、もう・・・っ」
顔を逸らして強くシーツを握り締めた。
快感に赤く染まる頬と苦しそうな表情が堪らない。
ごくりと喉を鳴らして、銀時はの脚を抱えあげた。
「エロい顔して・・・銀さん堪ンねーよ。そんな子は食べちゃうぜ?」
の着物を更に乱して下着を脱がせると、自分もズボンのファスナーを下ろす。
「俺の波動砲にチビがビビっちまうかもなあ」
軽口を叩きながらいやらしく笑って、深く腰を押し進めた。
「あぁぁっ、・・・銀、さぁん・・・っ」
いきなり深く貫かれの腰が跳ねた。
「う、は・・・」
強く圧迫してくる内壁の感触に銀時は嬉しそうな声を上げて仰け反る。
そして更に深く繋がろうと腰を揺すった。
「あっ、やっ、ン・・・っ、イ、イィ・・・」
「はァ・・・っ、俺も、すげーイイ」
欲情に掠れた声で囁かれ、下腹部がきゅうんと疼く。
早く、もっと。
「銀さん・・・っ、もっと、あっ、ァ・・・もっと・・・欲しいの」
潤んだ瞳で見上げられれば、申し訳程度に残っていた理性も全部持っていかれてしまう。
銀時はだん、との頭の横に手をつくと強く腰を押し付けた。
そしてそのまま腰を使って抜き差しを繰り返しながら何度も奥へと到達する。
「はぁっ・・・!あっあぁぁっ・・・!!」
激しい動きにの体が跳ね上がっては銀時にぶつかる。
ぐじゅぐじゅといやらしい音が部屋に響き渡って、でもそれすら聞こえないほど夢中で銀時はを攻め立てた。
「あっ、やっ、はぁぁぁ・・・っ、あっ、はぁっ」
何度も突き上げられて目の奥が霞むよう。
蒲団を乱しながら銀時は思い切りを貫いた。
「あぁぁぁっ・・・!」
その瞬間、はびくりと体を痙攣させる。
強い絶頂間に意識がなくなっていくのを感じながらふと違和感を覚えた。
(あれ?銀さん今日中で出してないような・・・?)
その理由は直ぐに判ることになるのだけれど。
深く闇に吸い込まれていく意識は混濁するばかり。
直ぐに何も感じなくなった。
・
・
・
と、言うところで目が覚めたのである。
「っていう夢、見ちゃった」
深夜に銀時を叩き起こしたがそういって笑う。
「・・・で?何が言いたいのちゃんは。もう一回エッチして欲しいの?それとも子供が出来るくらいエッチして欲しいの?」
「違うよ!ってかそれじゃ結局エッチして欲しいってことになるじゃん!!」
そうじゃなくてー、と視線を逸らしながら。
「そのうちホントにこういうことになっちゃうかもって思っただけだよ」
さっきの名残が内部に残るのを感じつつ言う。
「そうなったらそうなったで結婚すりゃいいじゃん」
「・・・え?」
「何?銀さんの奥さんになるの嫌?」
「・・・う、ううん。嫌じゃないよ・・・」
「んじゃ、何も問題無し。・・・っつーことでエッチして寝るか」
ごく自然な流れでさらりと言った銀時は、を蒲団の上に押し付けた。
「えっえっ・・・」
展開についていけないは銀時を見上げて困惑するばかり。
そんなの唇にちゅ、と唇を押し付けて銀時は笑う。
「ぎ、銀さん・・・」
「んー・・・?」
「い、今のって・・・あ、やン・・・っ」
余韻の残る体を優しく触られてが身じろいだ。
「銀さん的にはまだまだガキにちゃん取られたくねえけどなー」
何度もキスを繰り返しながら、こっそりと呟いたその言葉はに届いたかどうかは不明である。
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実は結構妊娠萌え。
だって愛情深まりません?あたしだけか?
まあ今回は夢落ちでしたけどね。そのうちホントに結婚させて子供作っちゃおうかと。
でも子供出来たらますます原作離れ進んじゃうなァ・・・。
子供だけは作るか迷う。