009/はじめての日
飲み過ぎには、注意しましょうね?
「この酒すげー美味ェな!!どうしたんだよ、コレ」
その日はロッドが持ってきた酒をかっ食らって上機嫌なハーレムの姿が。
「いっやぁ、リキッドのトコ行ったら机の上に置いてあったんすよ。丁度いいから持って来ちまいました!」
「ロッド、それは窃盗だ」
ロッドを諌めるようにマーカーが口を挟む。
しかし返して来いと言わないあたりが、マーカーも特戦部隊の人間であることを窺わせる。
その盗って来た酒は瓶に銘柄も描かれていない、変わったモノ。
だけど警戒心など全く見せずにハーレムは次々と腹へ流し込んでいく。
元々普通の瓶に入っていただけの酒はすぐに飲み干されてしまった。
「あーん?もう無くなっちまったのかよ。少ねぇなぁ」
空になった瓶をぽいっと放り出し、ハーレムは別の酒を手に取る。
しかし。
どれもこれも先程の酒の味はしなかった。
何を飲んでも今ひとつさっきのものに敵わない。
ハーレムは手に持っていた瓶をごとりと置くと、やれやれと立ち上がる。
「・・・仕方ねぇ。リっちゃん脅して追加出させるか」
リキッドが聞いたら憤死しそうな台詞を吐いてハーレムは獅子舞ハウスを出ようとした時。
「あ、隊長。俺も!」
「ンだよ。お前もリキッドに用か?」
後ろから声を掛けてきたのはロッドだった。
「いや、暇なんで」
この意見は至極最もなのでハーレムもそれ以上何も言わずに二人で外に出た。
相も変わらず暑い南国の島。
年中休暇なのだから、可愛い女の子でもいれば最高なのになぁとロッドは思う。
ちらりと隣のハーレムを見るが、如何せん男は範疇外だ。
嗚呼隣にいるのがこんな獅子舞じゃなくて美人のおネェちゃんだったらなぁ。
まあそんなに世の中甘くないわけだけれど。
程なくしてパプワハウスに着いた。
一応外から声も掛けてみたが、リキッドの返事も悲鳴も聞こえない。
がちゃりとドアを無遠慮に開けて入ってみれば、やはり誰もいなかった。
「留守みたいっスねー・・・」
「ちっ、仕方ねぇ。適当に探してみっか」
因みにソレは空き巣という。
ハーレムは無造作にキッチンの下の戸棚をぱたぱた開ける。
それに続いてロッドも別の戸棚をがさがさと漁り出した。
しばらくそうやっていたが、ふとハーレムが戸棚からきびすを返し、離れる。
「?どーしたんスか?」
「んーちょっと便所」
ロッドの質問にそう答え奥の部屋に消える。
「・・・やだねぇ、歳取ると近くなって」
肩をすくめながら聞こえないようにぼそりと呟き戸棚を閉める。
もう無いのかもしれないな、とロッドは半ば諦めの境地だった。
元々あの酒を飲みたいのはハーレムであって、ロッドではないのだから当然の反応だろう。
鬼の居ぬ間に一服でもしようかと煙草を手にパプワハウスを出ようとしたときだった。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ハーレムの消えていった奥の部屋から尋常ではない叫び声。
思わず煙草を取り落としそうになる程の。
慌てて奥の部屋の扉を開ける。
「隊長・・・!?」
ばぁんと派手な音を立てドアを開けた先にはへたり込むハーレムの姿が。
だけど・・・。
「た、隊長・・・っスか・・・?」
だけど、何だか様子がおかしい。
くるりと振り向いたハーレムは明らかに人相が変わっていた。
駆け寄って見るとロッドよりも縮んでしまったその体。
抱き上げて立たせたら良く分かる。
縮んでいる上、軽い。
ぽかんとロッドを見上げるハーレム。
「・・・お前・・・急にデカくなったな」
「いや、隊長が縮んだんスよ」
ほら、とロッドがバスルームの前にある大きな鏡を指差す。
そこに映るハーレムは背はロッドの胸くらいで少し意地悪そうな目をした、豊満な胸の美女になっていた。
服は大分サイズが変わってしまったらしくガバガバになっている。
「可愛くなっちゃいましたねぇ」
後ろでへらりとロッドが笑う。
しかし当の本人には笑えるような出来事ではない。
「いや、てゆーか俺がこんな風になっちまったのって十中八九さっきの酒だろ!!!テメェの所為じゃねぇか!!!!!」
ばっと振り返ってハーレムは手を翳した。
――ぽんっ。
しかし。
「あれあれぇ〜?」
「げっ・・・眼魔砲が・・・」
ハーレムの小さな手の中で眼魔砲は小さな破裂音と共に溜まることなく直ぐにしぼんでしまう。
「ま・・・マジかよ」
細く煙の上がる手を見て呆然となる。
そんなハーレムをロッドはひょいっと抱き上げた。
「ま、とりあえず坊や達が帰ってくる前に帰りましょーや。流石にリキッドに見られるのも嫌でしょ?」
「おい!ソレ誰の所為だと思ってンだよ!!!殺すぞ!!!」
「はいはい。すいませんねぇ」
「ロッドぉぉぉぉ!!!!!!!」
怒り狂ってじたばたと暴れるハーレムを軽々と押さえつけながらロッドはパプワハウスを後にする。
しばらく暴れていたハーレムもだんだんと落ち着いてきて、ロッドに大人しく抱っこされるようになった。
少し歩いたところで「あ」と小さくハーレムが言う。
「おい、ロッド・・・下ろせ」
「へ?どうしたんスか?」
「さっきのどさくさでションベンするの忘れてたんだよ。下ろせって」
ハーレムが言うと、意外にもロッドはすんなりとハーレムを下ろした。
しかし腕は掴んだままで。
「何だよ」
嫌な予感がしてロッドを見上げるとロッドはニヤニヤと笑っている。
「俺に見せてくださいよ」
「はぁ!?お前マジでぶっ殺すぞ。離せって!!!」
「そんな体で言われても全然怖くありませんよォ」
へらへら笑いながらロッドの手がハーレムのズボンにかかる。
「うわ!馬鹿止めやがれ!!!!!」
既にベルトもベルトの意味をなしていないので軽く引っ張っただけでずるりと落ちる。
「ロッドぉぉ!!!!!」
「いいじゃないスか。減るモンじゃなし。実は一度見てみたかったンすよね〜。でも普通の女の子にはこんなこと頼めないデショ?」
てきぱきとハーレムを押さえつけて衣服をはがしていった。
勿論抵抗はするが如何せん女の体じゃどうしようもない。
「無理!!!マジで!!!!ちょ、おい止め・・・っ」
「うわ、やべぇ。隊長のココ無茶苦茶可愛いことになってるし」
「見るな見るな見るなぁぁぁ!!!!」
ぽいっと下着まで放られ慌ててハーレムが上の服の裾を押さえて抗議する。
上の服も大分大きくはなっていたので下を隠すには不都合では無い・・・が。
「意地張ってたらお漏らししちゃいますよ〜?」
「〜〜〜〜っっ阿呆!!!!」
ロッドの揶揄するような言い方にハーレムは頬を僅かに赤くする。
確かにロッドの言うことは尤もなのだが。
「さ、観念してくださいよ」
意地悪く笑みを浮かべハーレムを捕まえたかと思うとひょいっと抱き上げてしまう。
「ぎゃぁっ!!!止めろっつってんだろ!この腐れイタリアンっっ!!!!!」
「はいはい」
「テメェ!男に戻ったら覚えてやがれよッツ!!!!!!」
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「はぁぁ・・・」
げんなりと溜め息を吐くハーレムの隣でロッドが騒いでいる。
「マジで、無茶苦茶可愛かったっスよ!隊長!!!」
「そーかよ・・・」
畜生もうどーでもいーやと煙草を咥えながら、ズボンを穿き直す。
「女の子の大事なトコ見ちゃったんでちゃんと責任は取ってあげますよ」
「へーへー、ありがとよ」
今度は引っ張られても落ちないようにとベルトをぎゅうっと締めれるだけ締めてズルズルのズボンの裾を捲り上げた。
そして獅子舞ハウスへ向かいだすハーレム。
その後ろをついて歩くロッド。
「じゃあとりあえず隊長のことハーレムって呼んでいいですか?」
「調子に乗りすぎだっつの、ボケ!!」
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短くまとまって短編っぽくなりましたね。パチパチ。
でもロッドの喋り方がよくわかんなぁい。別人くさい。
パプワハウスの間取りも全くわからへん。トイレなんてあるのか(無かったらそれはそれでやだな)
隊長女化第2弾。うちのサイトの主軸になってしまいそうだ(苦笑)
ハーレム受けに激しく萌。でもどこの探してもハーレム受けなんてありませんが。うちのサイトだけだ・・・!
他の人のも読んでみたいんだけどホントにないよ。メソメソ。
やっぱ47過ぎの俺様オヤジは攻めですかねェ・・・。あんなに部下に愛されちゃってるんで受けかなって思ったんですが。
ところでタイトルが「はじめての日」です。もう散々処女をヤる話は書いてしまったので、はじめて人前でやっちゃった日、ということで(死)
あはは、ごめんなさい・・・・・・・・(土下座)