002/秘密
「オラっ。飲んでみやがれ!!!」
昼ご飯と一緒にクリフが薬を持って戻ってきた。
その薬は怪しくも透明な青緑色をしていて不安になる。
「先にお前が飲めよ」
と、フェイトはその怪しい薬をクリフに付き返した。
「あのなぁ、俺が飲んだって分かんねーだろ。男になる薬なんだからよ」
「じゃあ飲んでも平気だろー。お・ま・え・が・・・飲めー!!!」
ばっと薬を取り上げてフェイトはベッドの上からクリフに飛びかかった。
――――ズダン!!!!!
「でっ・・・!!!」
飛びかかられたクリフが後ろに引っ繰り返り、派手な音を立てた。
フェイトはゆうゆうとその腹の上に馬乗りになりクリフに薬を飲ませようとする。
「おい!!フェイト!!!阿呆か、止めろ止めろ!!!!!」
「嫌がるなよー。男になるだけだから・・・っ!」
そうやって揉み合ってる内に。
『ごっくん』
「ぁ」
フラスコから零れた液体は見事にクリフの口の中に滑り込んで。
「あーっっ!!!の、飲んじまったじゃねぇか!!!!!」
「あはは。如何?気分は。男になった感じする??」
ケラケラと笑いながらフェイトはクリフの顔を覗き込む。
最悪だといった顔でクリフはフェイトを見上げている。
しばらくそのままでいた二人だが、3分程経ってもクリフの体に異常は見られなかった。
「・・・別に・・・なんともねぇなぁ・・・」
「うん、普通だね」
クリフの腹の上に乗っかったままフェイトはつまらなさそうに言い。
「まぁ、飲んでも男になるか、戻らないかどっちかってことみたいだね」
と、残ったフラスコの中身をぐいーっと一口で飲み干してしまった。
青緑の液体を垂下する白い喉。
それから視線を下ろしていくと、クリフの服に包まれたふくよかな胸。
夕べの柔らかな感触を手が覚えている。
もし薬が本物ならば失われてしまうのだろうと思うと少し勿体無い気もした。
「ふー・・・」
全部飲み干しフラスコをベッドサイドのテーブルに置いた。
何も・・・起こらない・・・かと思いきや。
「・・・っ!!」
息を飲んだフェイトの体が小さく跳ねた。
顔を顰め、震える手で自分の体をぎゅっと抱く。
「お・・・おい・・・」
クリフより飲んだ量も多いし、体も小さいフェイトのことだ。
回る速さが違うのかもしれないと。
慌ててクリフは起き上がりフェイトの顔を覗き込む。
じっとりと額に汗を浮かべゼィゼィと肩で荒く呼吸をする。
あまりにも苦しそうなのでベッドに寝かせてやろうかと肩を掴んだ瞬間。
「っぅ・・・クリフ・・・ヤダ・・・触るな・・・っ」
と、思い切り跳ね除けられた。
「だけどよ・・・お前・・・」
「っ・・・ていうか、お前・・・コレ、何・・・」
荒い呼吸で小さく言うと、頬を赤く染めたフェイトはよろりと立ち上がった。
そしてバスルームに続くドアを開ける。
「気分っ・・・悪いから・・・!入ってくるなよ・・・っ!!」
クリフをきっと睨み乱暴にドアを閉めた。
取り残されたクリフは・・・何が起こったのだかさっぱりわからず。
「フェイト・・・?」
ただただ首を傾げるばかりで。
バスルームに閉じこもったフェイト。
何を思ったか着ている服を脱ぎ始めた。
クリフに借りた大きな服を乱暴に脱ぎ、ズボンも手早く下ろした。
そして自分の男物の下着を下ろしたとき。
「・・・うっわぁ・・・・・・」
思わず声出て顔が真っ赤になた。
ねっとりと糸を引き、そこが今どういう状態になっているのかは分かったけど恥ずかしくて直視できない。
初めて明るいところでみる女のカラダにどうしていいのか分からなくて。
ぽいぽいと服を放り出し伏せ目がちに浴室に滑り込んだ。
出来るだけ・・・自分の体を見ないようにしながら鏡に背を向けシャワーの栓を捻る。
ざーっと降って来た冷たい水で体を冷やしながら熱が引くのをじっと待つ。
だけど・・・。
「はぁ・・・気持ち・・・悪」
ぬるぬると滑る内股の感触はおさまる様子を見せはしなかった。
昨日クリフがやってくれたところを触れば収まるのかな。
イってしまえばこの熱から解放されるかな。
フェイトはドキドキしながら座り込み、そっと足を広げてみた。
未だ見たことが無い女の子のヒミツの場所。
自分の体なんだけど、見ちゃいけないような気がしてなかなか直視できない。
疼いているのは確かにこの奥なのだけれど。
「・・・っ」
冷たい水が体を伝う。
それにすら何かを感じるこの体。
「く・・・クリフ、何の薬作ったんだ・・・?」
レベルが低い彼に頼んだも自分だけど。
仕方ないか。
ちょっと自業自得っぽいし。
フェイトは意を決してそっと指を滑り込ませた。
じっとり熱くなっているヒミツの場所。
「っんン・・・っ」
ドキドキしながら覗き込めば赤くなった女の割れ目が目に入ってくる。
頬を赤く染めながらそっと指先でそこを押し開いた。
「・・・っ」
息を飲む。
恐る恐る昨日の夜を思い出し、昨日のクリフの手をなぞらえる。
溢れる粘液を指先に絡ませてぷっくりと尖り始めた女芯をかすめるように撫でた。
「っひィん・・・!!」
思わず声が出た。
浴室に大きく反響してフェイトはびくりと身を縮める。
クリフに聞こえたらとんでもない。
だけど。
「はぁっ、あんっ、あぁぁぁ・・・とまんない・・・よぉ・・・っ」
グチュグチュ・・・
「あっあっ・・・イイ・・・はぁあぁ・・・っ」
ニュブニュブ・・・
淫猥な音とフェイトの声で溢れる浴室。
声を抑えるなんてとてもじゃないが不可能だった。
男の時とは全く違う。
声も堪えられない程の快感に涙すら滲んできた。
片手でグチャグチャと溢れるソコを掻き回して、片手で思わず胸を掴む。
つんと尖った乳首は指先で捏ねるように弄ると、足先が震えるような気がした。
「あっ・・・ンん・・・ふ・・・っ、クリフ・・・あはぁぁぁ・・・」
思わず愛しい男の名を呼んでしまう。
その時。
「呼んだか?」
がらっと勢い良く浴室の扉が開けられ、クリフが乱入してくる。
熱に侵された頭がその事態をすぐに飲み込んでくれない。
クリフは突然のことにぼんやりするフェイトを、服が濡れるのも構わずに抱き上げた。
「っ・・・!く、クリフ・・・っ!!!!」
ようやっと我に返ったフェイトは声を上げた。
そしていやいやするようにじたばたと暴れる。
見られた。
はしたなくもオナニーに耽ってるところを。
「やだっ!!放せ!!!!」
「まぁまぁ。暴れんなって。そんなに照れなくてもいいんだぜぇ?」
ニヤニヤ笑ってフェイトにバスタオルを被せる。
与えられたそれで体を隠しながらフェイトはクリフに無理矢理ベッドの上にまで持ってこられた。
これから何をされるのか。
嗚呼、想像するだに恐ろしい。
「独りでやらなくてもちゃぁんと俺がやってやるのによォ」
ぐっとフェイトをベッドに押し付けながら、笑う。
さっきまで弄っていたところがきゅぅんと疼くのを感じてフェイトは身じろぎした。
体は期待しているのだ。
この熱が冷めるのを。
「お前っ・・・!一体何の薬作って・・・っ」
「いや、真面目に男に戻る薬つくったつもりだったんだけどよ・・・。まさかこんな美味しい薬になってるとはな」
言いながらフェイトの素肌にそっと唇を押し付ける。
微かな甘い香りがしてクリフは軽い眩暈を覚えた。
「あっ・・・やめ・・・」
そのまま肌に舌を這わせ始めたクリフに抗議の声を上げるも、自分でもはっきり分かるくらいの媚びた声しか出せなくて。
強請ってるみたいだ、とフェイトは顔を顰め唇をかんだ。
「おいおい、そんな顔すんなよ。気持ち良くしてやるだけだろうが」
「それが・・・っ、ヤダって・・・あっあっ・・・触る、なぁぁ・・・っ」
軽く撫でられるだけでこの反応。
クリフのもので突かれたらどうなるんだろうとフェイトは恐ろしくなる。
だけど。
「あっ・・・ァはぁ・・・・く、りふぅ・・・あん、あ・・・っ」
体は凄く正直だ。
拒もうと口を開けば強請る声。
力の入らない体でクリフを押し返せるわけも無い。
男のときならまだしも、女のこんな細い腕で。
観念、すべきだろうか。
このままクリフの力強い腕に流されて気持ちよく奪いつくされてしまおうか。
―――フェイトは腹を括った。
優しく皮膚をなぞるクリフをそっと見て。
「分かった・・・から・・・。っふぁ・・・大人しくする、から・・・ちょっとだけ・・・んン・・・待って・・・」
抵抗を止め体の力を抜いて行くフェイトを見遣り、クリフは少し体を離した。
その間からフェイトは器用にクリフの上の服を脱がせ始める。
「僕だけ脱いでるの不公平だろ」
ぽいっと服をベッドの外へ放り投げながら言う。
クリフの体を押し返してズボンのファスナーにも手を掛けた。
「なんだ、クリフも人のこと言えないな」
にやっと笑って見上げたらクリフの驚いたような顔。
そりゃそうか。
いつもセックスの時はクリフにされるがままだったし。
何だかちょっと、イイ気分。
ズボン越しにすりすりと膨らんだところを撫でながら下着ごとズボンを下ろす。
「・・・はは、こんなにして」
勢い良く出てきたクリフのソレを軽く指先で撫でるとクリフの体がピクンと反応した。
勿論自分も男だったのだから何処がイイかくらいは知っている。
「口で、してやるよ」
フェイトはクリフを見上げにっこり笑い。
先端に柔らかい唇を覆い被せた。
根元をゆるゆると扱きながら先を舌でぐりぐり撫でる。
「っ・・・ぅ」
クリフが息を飲んだのが分かった。
嬉しい。
――クチュ、ピチュピチュ・・・
焦らす様に先端だけしつこく愛撫していたら髪を撫でていたクリフの手に力が篭った。
「・・・何?もっと?」
ちろっとフェイトが見上げれば余裕の無い表情で見下ろすクリフと目が合った。
物凄い優越感がフェイトの中に巻き起こる。
いつもクリフはこんな気持ちだったのだろうかと僅かに悔しく思った。
言うことを聞いてやる気には到底ならないこの感じ。
ちゅぅぅっときつく吸ってやった。
「ぉわ・・・っ」
思わずクリフが声を出す。
「・・・んっ、んぶ・・・っ」
――ボダボダ・・・っ
生温い粘液の感触にフェイトは思わず唇を離してしまった。
断続的に吐き出される白い液体がフェイトの白い胸を汚す。
乱暴に口を拭いながら口の中の物は垂下し、クリフをふと見上げた。
「お前なぁ・・・っ」
先にイかされたのが恥ずかしかったのかクリフは少しだけ顔を赤くしてフェイトをベッドの上に押し倒す。
「ははっ、クリフ、顔赤いよ?」
「う、うっせー。黙りやがれ・・・っ」
「っン・・・ぅうん・・・」
クリフに強引なキスをされてフェイトはうっとりと目を閉じた。
「で、結局さ・・・」
そう、事態は何も好転しちゃいないのだ。
あの後3ラウンドまでいって、二人とも疲れ果てベッドに沈みながらフェイトが言った。
「薬はどうなったわけ?」
「あーん?失敗だろ失敗」
それじゃあ困るのだけれど。
二人とも疲れていてそれどころじゃなかった。
フェイトが女になってしまったことなど長く隠しておけるはずもないのに。
そんな事実から逃げるように、二人ともゆっくり目を閉じた。
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多分・・・まだ続く・・・かと。
次はセクハラジジィにでもフェイトを弄ってもらいたい・・・(爆
長くなりそうやったんで後半もうエロシーン削除。
裏やのになんかエロ度低くて申し訳ない・・・。