サラシ






ムウが現れて凍り付いていた星矢の腕から貴鬼は抜け出すと、ムウの後ろに隠れてしまった。
「・・・星矢?何をしてるのです。貴鬼を苛めてはいけませんよ」
少し不審そうな表情は浮かべているものの、まだ星矢を星矢と思っているようである。
一応ほっとして星矢は違う、と言おうとしたが貴鬼の声によって遮られてしまった。
「ムウ様!!そいつ星矢じゃないよ!!女なんだもん!!!」
「・・・なんですって?」
ぴしり、と星矢が石になる。
貴鬼の言う事を確かめようとしてか、ムウがつかつかと近寄ってきたので思わず後ずさった。
それがいけなかったのだろう。
どうやら相手の不信感を煽ってしまったようだ。
厳しい表情でムウは星矢ににじり寄った。
「いや・・・お、俺・・・」
「・・・星矢の声に似ていますが確かに違いますね・・・。貴方は誰なんです?」
誰と言われても。
何と答えていいものか困っていると、ムウがまた一歩星矢に近づいてきた。
「答えられませんか?それなら捕まえて吐かせるまでです」
にこりと笑いながら恐ろしい事を呟いて、ムウはすっと手を翳した。
途端に星矢は体の自由が利かなくなったのを感じる。
「大丈夫、口は動きますよ。言いたくなったらいつでも本当の事をいいなさい。聞いてあげます」
冷徹な笑みを浮かべたままムウは一歩一歩近寄ってきた。
その時である。
「ムウ、星矢・・・!何をしているんだ?」
漸く紫龍が獅子宮から帰ってきた。
声を掛けられ星矢とムウ、それから貴鬼は同時に紫龍の方を向く。
「お・・・お帰り紫龍・・・。ちょっと遅いぞ・・・」
苦笑いで紫龍を迎える星矢。
助かった・・・と安堵の溜め息をついたのは言うまでも無い。
「紫龍・・・。この少女は誰なのですか?あなたの知り合いですか?」
「え?・・・星矢、まさか・・・」
「うう・・・俺の所為じゃないからな・・・!!!」
今にも泣きそうな表情の星矢とムウと、貴鬼。
ムウだけならともかく貴鬼にまで知れてしまったのは大問題だろう。
しかし。
もうこの二人に隠すことは出来ないようだ。
溜め息を吐いて紫龍はムウに向き直る。
「・・・分かった。話すから、星矢を解放してもらえるだろうか」
紫龍の言葉の後、すうっと体の呪縛が消えたのを確認した星矢。
おずおずと紫龍の隣まで歩き、また服を掴む。
「やっぱ隠し事は出来ないんだな・・・」
表情を薄暗くして星矢は俯き加減にそう言った。
「星矢・・・」
そんな星矢が紫龍は可哀想で仕方がなかった。
「ムウ、貴鬼も。天秤宮へ入ってくれ」
そういって二人を招き入れる紫龍。
ムウがそれに続き、貴鬼はまだムウの後ろに隠れるようについて来ていた。
リビングにまで通して二人を並んで座らせ、その向かいに星矢と紫龍が座った。
「単刀直入に言うが、星矢が女になってしまった」
「・・・風邪薬飲んだ後で・・・こうなったんだよ」
恥ずかしそうに顔を赤らめてぼそぼそと呟く星矢。
その経緯は紫龍にしても初耳であった。
「そうだったのか、星矢」
「う、うん・・・。でも普通の風邪薬だったんだぜ?瓶にもちゃんと風邪薬って書いてあったし・・・」
「では、君は本物の星矢なのですね」
「そうだ」
一応きっぱりとそう言ったものの、ムウと貴鬼がじろじろ見てくるのが何となくいたたまれない。
星矢は所在なさげにしながら紫龍の服の裾をずっと掴んでいた。
「とにかくだ。聞いてしまった以上ムウにも協力してもらうぞ」
「私ですか?」
「そうだ、なんとか星矢を元に戻せないか?見ているこっちが可哀想でかなわん」
「そうですねぇ・・・でも私も女性になってしまった男性の例なんか他に聞いたこともありませんし・・・」
考え込んだムウはふと顔を上げた。
「いっそ十二宮の皆に聞いてみるのはどうですか?だれか一人くらいなら何か知ってるかもしれませんよ?」
「嫌だ!!もうこれ以上誰かにこの姿見られるくらいなら死んだ方がマシだ!!!」
星矢はそんなムウの提案を思い切り嫌がり、ついには紫龍に抱きついて泣き始めた。
普段の星矢からは考えられない行動だが、女になって涙腺が緩くなっているのかもしれない。
自分の胸に額を押し付けてなきじゃくる星矢の背をあやすようにぽんぽんと叩いてやり、紫龍は首を横に振った。
「ムウ、星矢は酷く混乱している。もう少し内密になんとかならないだろうか?」
「そうですねぇ・・・ですが私にもどうしようも・・・。しばらく待ってみますか?数日したら戻るかもしれませんし」
「結局はそうなるのだな・・・」
はぁ、と紫龍は小さく溜め息を吐いた。
「・・・しかしそうなると星矢の服を買ってこないといけませんね」
「何?」
「だってそうでしょう?流石に女の子に聖域の雑兵の格好は可哀想ですし・・・下着も必要でしょうから」
『下着』の一言にう、と紫龍の頬が赤くなる。
今の星矢は白い麻のシャツを一枚着ているだけ。
勿論下着などしているわけが無い。
と、いうことは今押し付けられている星矢の胸はある意味生なのであって・・・。
・・・いや、考えるのは止そう。
紫龍は転がりかけた妄想を押し留めてムウを見る。
「と、とにかく・・・!それも今日はちょっと無理だろう・・・。明日にでも改めてお願いできるか?」
「そうですね。じゃあちょっと一つだけ星矢にお願いしましょうか」
「え?」
紫龍が首をかしげたのと、星矢が顔を上げたのは同時だった。
ムウは星矢に手を差しのべると星矢を立たせる。
「紫龍、向こうをお借りしますよ。絶対にこちらに来ないでくださいね。さ、星矢」
「え、え、・・・何・・・?」
突然のムウの行動に驚きと動揺を隠せない。
しかしいいからいいからとムウに手を引かれ二人は奥の部屋に消えた。
「な、何だよ・・・ムウ」
「一応ね、女性になってしまったんですからこれくらいしてもらわないといけないんですよ」
そう言うなり、ムウは突然星矢のシャツを捲り上げた。
予想外の行動に星矢は勿論ついていけない。
一瞬、行動が遅れた。
「・・・わぁっ!!!何してんだよアンタ!!!!」
「勘違いしないでください。別に貴方の体が見たいわけじゃないんですから」
しかしそのわりに勢い良くムウは星矢の服を剥ぎ取ってしまった。
慌てて星矢は晒された胸を押さえて後ろを向いた。
柔らかい感触にどきりとする。
自分で自分の体にどきどきしてるのも大分痛いなーと思ったが慣れていないのだから仕方が無い。
色んな羞恥が交じり合いつつ星矢の頬を染める。
「おや、そんなに赤くならなくても。可愛い反応するんですねェ」
くすくす笑いながらムウは何処からとも無く包帯のようなものを取り出した。
首だけ後ろに向けてムウの様子を伺っていた星矢は首を傾げる。
「お、俺怪我なんかしてないぞ・・・?」
「違いますよ。下着の代わりにね、これを巻いてもらおうかと思いまして・・・ほら」
するりとムウの手が星矢を後ろから抱き込んだ。
「なっ・・・何・・・?」
「いえいえ、あんまり可愛い反応をするものですから。ほら」
ムウの手が星矢の腕をやんわりと外してしまう。
そして後ろから星矢の胸を両手で覆った。
「ちょ、ムウ・・・っ」
「少し背が縮みましたか?」
「やっ・・・ァ・・・っ」
ムウの声が耳元から聞こえてきて、星矢は今自分がムウに後ろから抱きしめられている事を理解した。
ぴたりと体をくっつけられ胸を覆うムウの手は優しく解すように蠢いていて。
「ムウ、やだ・・・っ」
「大丈夫。怖くないですよ。少しだけ、ね?」
「あァっ・・・」
人差し指と中指の間で尖り始めた乳首を挟まれて星矢はびくりと体を震わせた。
反対側は親指が円を描きながら押しつぶすような動きで弄られる。
「はっ、ァ・・・や・・・ぁ、あン・・・っ」
「可愛い声ですね。ほら、ここもこんなに固くなって・・・」
ぷくりと赤く膨らんだ乳首をきゅっと摘まれた。
「食べてあげましょうか?ふふ、こちらを向いてください」
「えっえっ・・・あンっ、やぁぁっ・・・」
言うなりムウは星矢を自分の方へ向けると、体を屈めて緩く乳房に噛み付いてきた。
生温い舌がねっとりと星矢の胸を這い回る。
舌先で意地悪くちらちらと撫でられたり、軽く吸われたり。
「ムウ・・・あ、やァ・・・あっはぁっ・・・はぁっ・・・」
細い星矢の腰を抱き寄せてムウは優しく舌を動かした。
唇で啄ばむように扱いたら堪らないというかのように星矢の背がしなった。
そうして、ひとしきり弄くり星矢の足が崩れそうになったところで体を離す。
「はぁっはぁっ・・・ムウ・・・?」
「さて、お遊びはこれくらいにしておきましょうか。このまま色々したら紫龍に恨まれてしまいますからね」
「え・・・」
顔を真っ赤にして潤んだ目で見上げてくる星矢にはぐっとくるものがあるのだが、ムウは持ち前の精神力でそれを押し込める。
「さ、腕をあげてください。しばらくはこれが貴方の下着代わりですからね。ちゃんと巻くんですよ?」
そう言ってくるくると器用に星矢の胸に晒しを巻いていく。
「明日にはちゃんと服を持ってきて上げますからね。あまり走り回ったりしないでくださいよ。ほどけちゃいますから」
「う、うん・・・」
大人しくされるがままの星矢。
まだ少し目元が赤く、不思議な色気を纏ったままである。
「星矢、さっきの続きがしたかったら紫龍に頼みなさい」
「え・・・っ」
「私はもう貴方とは遊んであげられませんので・・・。そんなに残念そうな顔をされても困りますからね?」
「っ!?・・・ざ、残念そうな顔なんてしてないっ」
怒ったようにぷいっと視線を背ける。
ぐっと解けないようにきつく止めてムウは星矢に来ていたシャツを着させた。
「これであまり胸も目立たないでしょう」
「・・・ありがと」
何処か釈然としないものを感じるが、しかし礼を忘れない基本的にはいい子の星矢。
しかしムウはその下にまだある欲求不満の色を見逃しはしない。
少し勿体無いような気もするが仕方が無いか。
それに手に入れようと思えば造作も無いのだし。
ムウは密かに黒く笑うと、星矢の手を引き貴鬼と紫龍待つ部屋に戻った。












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紫龍より先にムウ様が食っちまいました・・・(未遂だけど・・・)
しまったなぁ・・・このサラシではアイオリアとにゃんにゃんする予定だったのに・・・。
何故かムウ様が凄く出張っちゃって結局ムウと・・・。
ま、いっか。今回のお題は星矢総受けの攻めは不特定多数寧ろ12人斬り!みたいな勢いだし。