よい心を持つように  教会長

 立教150年の年に発売されたアニメ「金光さま〜取次ものがたり」は、大変秀逸な作品だと思っている。すべての世代に、これほどわかりやすく教祖の取次の様子を伝えているツールは他にはないだろうと考え、毎年、授業で高校3年生の生徒に鑑賞してもらっている。
 その1話目「よい心」というお話は、10代前半の大西秀さんという女性が、友人の父とのトラブルで、腹立たしさが治まらずに、教祖の元に参拝するというエピソードが描かれている。腹の虫が治まらない秀さんに対し、教祖は「その腹が立つ気持ちをわしに預けてくれんかのう」「『どうぞ神様、よい心にならせてください』と祈らせてもらいなさい」と話される。その通りにすると、翌日先方がお詫びを言いに来るというものである。
 このアニメを視聴しての感想を生徒たちに寄せてもらった。すると、ある生徒がこんな心温まる感想を寄せてくれた。

 
アニメで「怒らず、神様によい心を持った人間にならせてくださいと、お祈りするとよい」と金光さまは言ってましたが、昨日こんな体験をしました。
 テストが終わり、自転車に乗って帰ると、家のすぐ前にトラックが数台並んで停めてありました。道路工事のようです。
 自転車をガレージに入れようと思っても、トラックが邪魔で結局、自転車を持ち上げて置きに行かなければなりませんでした。「めっちゃ迷惑なんやけど…」と思いながら家に入ろうとしたら、僕に気づいた警備のおじさんが「すいませんねぇ」と申し訳なさそうに言いました。普段ならイライラした気持ちのままに、そっけなく返事をして家に入っていたかも知れません。しかしその日の僕は「イライラしたらあかん」と思い直して「いえいえ、大丈夫です」と答えることができました。
 家に入って手を洗おうとしたら、水が出ません。その時僕は、外の工事が水道工事だったことに気づきました。同時にイライラした気持ちをおじさんにぶつけなくて、本当によかったと思いました。「あの工事は、結局は僕のためにもなっているものなんや。感謝すべきものを、何をイライラしてたんやろ」と。
 結果オーライではありましたが、似たようなことはたくさんあると思います。そういった時、毎回、自分にブレーキをかけることが、金光さまの言葉とつながっていくのだと今、感じています。

 彼の行動を見習いたいと思う。

                        

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