わがこととして祈り、願う    教会長
 
6月23日。戦後69年目の「沖縄慰霊の日」を迎えた。今年は特に、天皇皇后両陛下が「対馬丸沈没」の慰霊のために沖縄をご訪問されたこともあり、
ひときわ沖縄戦慰霊の気持ちを強く持たされた。
 そんな中、金光教近畿学生会で今年から代表のご用に就いた長男から、京都での学生会の集まりで「沖縄戦と、遺骨収集奉仕活動のことで、1時間
ほど学生会のメンバーに話をしてやってほしい」という依頼があり、受けさせてもらうことにした。
 長男は、小六を皮切りに、5度遺骨収集に参加している。学生会にもこの活動を広く伝えたいという趣旨で、依頼してきたのであるが、タイムリー
やなあと、ありがたい思いになった。というのは、毎年、金光八尾高校の2年生の授業で、この時期に沖縄戦のことを取り上げている。さらに6月25日
に、金光教北九州教区、福東第二連合会の先生方3名が、授業を見学に来られることもあり、この際、自分なりにきっちりした資料を作り、授業に臨む
ことにした。

 授業の始まりの際、毎時間テーマを決めて生徒たちに黙想してもらうのであるが、この時の授業では「自分ができる平和活動について考えてみる」と
いうものだった。ひとくちに平和活動といっても、雲をつかむような話になるかも知れない。しかし、高校2年生の年代だからこそ、考えることもある
のではという期待もあった。そこから沖縄戦の話、そして戦後69年経った現在も、南部戦跡の各地には当時の戦没者の遺骨が散逸したままの状況、そして
その遺骨収集奉仕活動が地道に行われていることを語った。落としどころは、私ができる平和活動のひとつが「遺骨収集」に参加させてもらっていること。
初めて参加した時、人生観が変わるほどの衝撃を受け、2度と戦争を起こす国にしてはならないと決意を新たにしたこと。そして「戦争のむごさを体感して
いない私が、戦争のむごさを語ることができる私になることが、自分のできる平和活動である」ことが伝わればということである。

 学生会でも、同様の話をした。講話の後、彼らのディスカッションを聞いていて、私も彼らにぜひ遺骨収集に参加してほしいなあと強く願うようになった。
 戦争のない社会がつづくことを、わがこととして祈り願うこと、「平和への祈り」は恒久に続けなければならない。

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