お礼を土台の生活を  教会長

 遊ばせて もらひお世話になりますと
 礼を言ひつつ わが筆洗ふ


                        
 前教主金光様のお歌には、どの歌にも徹頭徹尾「お礼が土台の生き方」が示されています。
 四代金光様は、歌人でもあり、書家でもありました。たくさんの歌を色紙に書いて残しておられますが、その書風は実におおらかで、なにかしらぬくもりを感じさせてくださいます。どだいの遊ばせてもらう道具に対して「お世話になります」という感覚は、普段の私たちの生活の中にはなかなかないものでしょう。
しかし、あらゆるもののお世話になって生活しているわけですから、遊ぶ道具であろうと、なんであろうとお礼の気持ちを持って道具を使わせていただくという感覚は、忘れずに持っていたいものです。
 物は、感謝のこころを持って使用する=大切に使うことによって、長持ちします。長持ちする=自分のところに長く居てくれる〜
つまり、物に好かれるということでしょう。
 お金もそうですね。感謝の気持ちを持って大切に使えば、お金に好かれるでしょう。
 では、人に対してはどうでしょうか?
この理屈でいけば、人を大切にすることで、人から好かれることになるのではないでしょうか。
 どんな物にも、誰にたいしても、「お世話になります。ありがとうございます」というこころで接したいものです。

 お礼を土台にする生き方を、日常生活の中で取り組ませていただいていると、今まで思わなかったことが「ありがたい」と感じられるようになります。そうなると“難儀”もおかげの中で起きてくるということがわからせてもらえます。
 とりあえず、毎朝目ざめたら「目ざめることができてありがたい」とお礼を言うけいこから始めてみませんか。

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