「名張は寒いでしょ」     教会長
    

 「私が年末に伊勢に行く時にね、『あ、雪が積もってる』って思ったら、名張なのよ。まさちゃんが行ったとこは寒いとこなんやね。」

 先月21日、難波教会6代教会長、近藤武野親先生がご帰幽になった。いつかは必ずこの時が来ることはわかっていても、実際にこの日が来ると、何ともやりきれない思いになる。
 教えていただいたことはたくさんありすぎて書ききれないし、先生からうかがった様々なエピソード、特に金光様とのお話や、先生の車の運転にまつわるお話は、信じられないくらい面白く、貴重なものだ。

 冒頭部分の話は、毎年12月29日に、ご家族で伊勢神宮へ参拝されるとき、近鉄で名張を通られる際の景色を見ておっしゃったことである。年末に雪景色になることは私が名張に来てからもそう何度もあったわけではないが、先生には(名張=雪景色)というイメージが強かったのであろう。それと私を気遣う優しさのこもった言葉である。
 年末、現在編集長の役目を担わせていただいている難波の機関誌「藤なみ」の慰労をしてくださるのだが、その時決まって「名張はもう雪降ってるの?」と話題を振ってくださっていた。他の編集員の先生方が一斉に笑い出し、そして決まって、冒頭の会話になる。霊神となられたこれからは、いつでも名張の雪景色を見に来ていただけたらと願っている。

 先生との一番の思い出であり、一番うれしかったことは、私たち三きょうだいを、いくつになっても「かずちゃん」(和明=兄)、「みっちゃん」(光子=姉)「まさちゃん」(正明=私)と呼び続けてくださったことだ。

初代近藤藤守先生の「心配り」の信心をどこどこまでも貫かれた武野先生の御生涯を偲び、少しでも先生の信心のあり方に近づけるよう、精進してまいりたいと願っている。 

 

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