金光の名を世界に   近藤 正明 

  最近、全国各地で小泉政権の改革の一つである「平成の大合併」といわれる、市町村合併がどんどん実現している。今年になってから4月1日までに、阿賀野市・東御市・伊豆市・御前崎市・京丹後市・養父市・四国中央市・西予市・上天草市・佐渡市・かほく市・あわら市・郡上市・下呂市・安芸高田市・壱岐市・対馬市・本巣市・飛騨市と、実に19の新市が誕生している。(上にあげた新市の都道府県についていくつおわかりになりますか?答えは本文最後にまとめて記載しています)
 行政の簡素化、人件費の削減など、さまざまな理由により、国策という観点で市町村合併が進められている。ここでは政治的な理由や状況を詳しく述べることは控えるが、長年愛着を感じた地名が、合併により消えるということは、理由のいかんはあれ、寂しい気がする。
 近年、静岡市と清水市(ともに静岡県)が合併して静岡市になった。「次郎長」や歌で、またマンガ「ちびまるこちゃん」の出身地として有名な清水市の名前が消滅したことで、清水の人たちはどう思っているのだろうなあと、よけいなお世話ながら感じた。
 昨年2月には、わが町名張市で「伊賀7市町村合併問題」についての住民投票が実施され、7割の「合併反対」票により、単独市政を歩んでいくことになった。先日1日には、盛大に「名張市制50周年記念式典」も催され、この町では合併問題どこ吹く風となった。名張市は大阪寄りの住民が非常に多く、「伊賀」というまとまりに迎合しない意見が大勢を占めた結果であるが、私見としては、将来の財政不安などあれ、「名張」の名前が市名として残ることは非常に喜ばしいことであった。
 しかし、残りの伊賀6市町村は上野市を中心とした合併議論がまとまり、本年11月に「伊賀市」が誕生することになる。
 さて、本論であるが、今月1日、金光教本部のある金光町が、来年3月、隣町である鴨方町との合併に向けて、「法定協議会」が設置された。(金光町報4月号より)
 金光町は大正12年、教祖40年祭と、大教会所落成(2年後に火災で焼失する)を記念して、本部の所在地であった三和村など近接三村が合併し、「金光教本部」ゆかりの町として、当時としても珍しい宗教名そのものを自治体名とした「金光町」が誕生した。(天理教の天理市は、戦後市制をしき、丹波市町から天理市となった。現在も宗教団体名を自治体名で名乗っているのは天理と金光だけ。)
 人口では鴨方町が約18000人、金光町が約12000人である。この両町が合併して、新市が誕生することになるのだが、信奉者の関心はいずれ、新市名の成り行きに向いていくであろう。現在のところ、「全国的に名の通った『金光市』実現の可能性もないことはない(片山金光町長)」という話もあるが、これもあくまで個人的意見として、ぜひ金光の名を残してもらいたいと念願している。
 教祖様の四男である金光萩雄様(二代教主金光様の次兄)に、教祖様の念願とも思えるようなみ教えを伝えられている。最後に紹介する。
 
 明治十六年、お隠れの年の一月十六日、「今日は、金光という名の由来について話して聞かそう。金光とは、金光るということである。金は金乃神の金、光は天つ日の光である。天つ日の光があれば明るい。世界中へ金乃神の光を光らせておかげを受けさせるということである」と言われて、「これは歌でも何でもないが、神が教えられたままを聞かす。金光の真の道は明らけき 天に貫き幾世久しき」と示された。



  市町村合併により誕生した、新しい市のある府県
阿賀野市・佐渡市=新潟県、
東御市=長野県
伊豆市・御前崎市=静岡県、
京丹後市=京都府、養父市=兵庫県、
四国中央市・西予市=愛媛県、
かほく市=石川県、あわら市=福井県、
郡上市・下呂市・本巣市・飛騨市=岐阜県、安芸高田市=広島県、
壱岐市・対馬市=長崎県、上天草市=熊本県
(上記の他にも、吸収合併で消滅した町村がありますが、省略します。)

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