こだわりをもつ人・夢をもつ人  近藤 佐枝子

 年が明けてから3作品の映画を観ました。

 まったく違う雰囲気の映画なのに、受ける印象が似ていて、なんとなくそこにお繰り合わせを感じてしまうような不思議な気分でした。それは、前向きに生きることの大切さを教えてもらったそんな感じでした。

観た映画は韓国のドキュメンタリー映画の「牛の鈴音」、マイケル・ジャクソンのコンサートのリハーサル場面を映した「THIS IS IT」、そして大阪の下町の一家族のお話「大阪ハムレット」。

 「牛の鈴音」は、機械も農薬も使わず、ただただ老牛とともに農業を行う老夫婦のお話で、奥さんがずっと愚痴を言いながらも、夫のやり方についていっていて、夫は「機械を使ったら米粒がいくらか無駄になる。農薬を使ったら牛にやるエサがなくなる」といった信念のもと、頑固に自分のやり方を貫いていく。そんな中での牛が亡くなるまでのお話でした。

 「THIS IS IT」は、『HEAL THE WORLD』(地球を癒そう)というテーマをコンサートを通して伝えようとするマイケル・ジャクソンの姿を映していました。それが痛いほど伝わってきました。

 「大阪ハムレット」は、色々な悩みを抱えている子供たちが前を向いて歩いていく話。お気に入りの場面は、女の子になりたい男の子におばあちゃんが言う、「生かされているのに、女も男も関係ない」という言葉。ふと、なんで大阪なんだろうって思ったのだけど、そんな色々な生き方をする人たちを、ふんわりと受け入れるような土壌があるそんな気がしました。

 こじつけかもしれないし、まったく次元のちがうものかもしれないけれど、ふと教祖さまの、はだしの行を思い出しました。

こだわりをもつこと、通じた夢をもつこと、それはなにかしら奇異なこととして見られたり、批判されたりすることにつながるかも知れません。それでも祈りながら、工夫しながら貫き通すことは、何かを得ることになるのかもしれませんね。

そして3つの映画をみた私のように、なんか元気がもらえるような何かを人に与えることができるのかも知れません。

 

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